おーばあちゃんはきらきら (福音館創作童話シリーズ)

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  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834081473

作品紹介・あらすじ

小学校1年生のチイちゃんには、「おーばあちゃん」ってよんでいるひいおばあさんがいます。チイちゃんはおーばあちゃんのことが大好き。おーばあちゃんは小さくて、しわくちゃで、目が緑色の湖みたいに透きとおっていて・・・・・・チイちゃんは、「おーばあちゃんって、魔法使いかもしれない」って思っています。だって、おーばあちゃんのしてくれるお話は、どれもちょっとふしぎで、なんだかきらきらしている気がするんです。

感想・レビュー・書評

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  • 小学校一年生の「チイちゃん」は、ひいおばあさんこと、「おーばあちゃん」が大好き。
    なぜなら、彼女のお話には、おかあさんやおばあさんのそれ以上に、その景色がよく見えるから。

    久々の、高楼方子さんの作品は、小学校低学年から対象となっているが、果たして、私が小一の頃に読んでいたら、何を感じたのだろうか?

    正直に書くと想像したくない。あまりにも、ありふれたメディアの情報だけを受け入れていた記憶があるので、「こうした物の見方もあるんだよ」ということに、気付かなかったのではないかと思うのです(そもそも、自意識に目覚めていないから、やむを得ないという思いもあるが、それならば、なぜ対象を低学年からとしているのか? これを読んで、いまいち分からないと感じた、小学生の皆さん。いつかその景色がきらきらする時まで、大切に取っておくことを、おすすめします)。

    本書は、八つの短篇で構成されており、それぞれに、おーばあちゃんのお話がひとつ入っているのだが、どれも一筋縄ではいかない、深みと味わいがあるような気がして、いつも理解できた感じのチイちゃんは、もしかしたら、天才なのではないかと思う。

    まあ普段は、玩具をお片付けしなかったり、おーばあちゃんの靴を隠したり(理由は分かりますよね)、してるんだけど、それでも、おーばあちゃんとは、とても馬が合うようで、友だち感覚になれる親しみやすさを感じ、本書を読んでると、年齢を重ねる度に子どもに還っていくというのは、本当なのかもしれないなんて、思えてきます。


    「赤い鳥と青い鳥」
    人参をぶら下げられるよりは、こういう発想の方が励みになりそう。

    「緑のさかな」
    若い内から、こうした素敵な秘密があることを知っている方が、人生は楽しいのかもしれない。というより、私にもあったな。もしかしたら、子供同士で、勝手に謎にしているだけかもしれないけれど、それをあれこれ想像するのが、また楽しかった。

    「ほとりのおうち」
    おばけのおうちが、明るく楽しいものへと変わる、子供の想像力は、おうちの気持ちも巻き込んでいき、最後はみんな笑顔に。

    「妖精のぼうし」
    女の子同士の友情の素晴らしさを教えてくれた。
    『ふたりでいっしょにあそぶんじゃないと、いろんなもの、ほんとうみたいにならないと思って』

    「茶色のかわぐつ」
    まさか、靴を片方なくしたことが、こんな素敵な結末に変わるとは思わず、しかも、そこにはある古い童謡集が関わっていたことに、また驚き。
    おーばあちゃんの魔法効果です。

    「おかっぱちゃんと王子さま」
    またしても、おーばあちゃんのかけた魔法が、コミカルでファニーな面白さに変わる、物語の妙たるや。

    「トコちゃんのけしき」
    おーばあちゃんとチイちゃん、それぞれのやさしさが垣間見えたが、それ以上に、おーばあちゃんのお話の、夢のある風景がこと細かく思い浮かぶ、その情感に、思いが惹き付けられたような気もした。

    「金色のトカゲ」
    思い出のおうちの、素敵な発想力は、おーばあちゃんのお話の、景色がよく見える理由を教えてくれた。

    また、これらのお話のそこかしこに見える、きらきらしたものは、「ルチアさん」に通じるものもあり、それは、やはり高楼さんだからこそ見えている、共通したものがあるのだろうなと思い、こうした見えないものが見える特性には、児童作家になるべくしてなった、意義のようなものを感じさせられます。

    そして、私が、いつもの図書館で本書を選んだのは、表紙の「こみねゆら」さんの、ファンシーさの中に、ノスタルジーや素朴さも感じられる、味のある絵柄に惹き付けられたからでして、高楼さんは、作品によって、絵描きさんのチョイスが絶妙ですよね。

  • 【図書館】私もチイちゃんぐらいの年に〈おーばあちゃん〉がいたら、ちょっと不思議で何だかきらきらするお話を聞いてわくわくできたのかな?と思いました。高楼方子さんの作品、いいですね。

  • 「小学校1年生のチイちゃんには、「おーばあちゃん」ってよんでいるひいおばあさんがいます。チイちゃんはおーばあちゃんのことが大好き。おーばあちゃんは小さくて、しわくちゃで、目が緑色の湖みたいに透きとおっていて・・・・・・チイちゃんは、「おーばあちゃんって、魔法使いかもしれない」って思っています。だって、おーばあちゃんのしてくれるお話は、どれもちょっとふしぎで、なんだかきらきらしている気がするんです。」

  • おーばあちゃんのお話は、ウソなのか本当なのか知りたい。(小2)

  • あーかわいい。
    女の子もかわいいけど、なんといっても、おーばあちゃんがかわいい。こんなおばあちゃんになりたいなぁ。

  • おーばあちゃんとは小学校1年生のチイちゃんのひいおばあちゃんのこと。
    おーばあちゃんはチイちゃんにきらきらしたお話しをたくさんしてくれる。チイちゃんもきらきらする。

  • おーばあちゃんの話してくれる思い出話はどれもちょっと不思議で夢があって素敵。こんな穏やかで素敵なおばあさんになりたいなあ。

  • 自分の内側にたくさんの世界を持っているのね。
    たくさんの世界を育みながら、長い時を生きてこられたのね。
    それを語って聞かせられるって素敵だな。
    そんなおーばあちゃんがいるのは本当に素敵なことですね。


    おーばあちゃん。つまりひいばあちゃんなんですが、それにしては子供の頃の趣味や生活が若い。
    友達のおうちで着せ替え人形で遊ぶ、それって結構新しい文化じゃないでしょうか。
    物語に出てくるひいばあちゃんの年齢も、もう私の時代のひいばあちゃんの年齢ではなくなっているのかもしれないな。

  • 著者を知らずに読んだら、気がつかないかも知れないくらい、平和。

  • 小学1年生のチイちゃんにひいおばあちゃんがしてくれる不思議なような優しいおはなし。

    一歩ずつ年を重ねて現在にたどりついたおーばあちゃんのふりかえる思い出は、ほんとかどうかわからないくらいきらきらしている。
    美化っていうのともちがう。
    実際より鮮やかかもしれないけれど、でもやっぱりきらきらしてたんだと思うよって言える現在もやっぱりきらきらしてる。

    水色のおもちゃぶくろがかわいい。

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著者プロフィール

函館市に生まれる。『へんてこもりにいこうよ』(偕成社)『いたずらおばあさん』(フレーベル館)で路傍の石幼少年文学賞、『十一月の扉』(受賞当時リブリオ出版)で産経児童出版文化賞、『わたしたちの帽子』(フレーベル館)で赤い鳥文学賞・小学館児童出版文化賞を受賞。長編物語に『ココの詩』『時計坂の家』『緑の模様画』(以上福音館書店)、『リリコは眠れない』(あかね書房)など。近刊に『トムと3時の小人』(ポプラ社)『黄色い夏の日』(福音館書店)など。大人向けの小説に『ゆゆのつづき』(理論社)がある。2021年野間児童文芸賞を『わたし、パリにいったの』(のら書店)で受賞。札幌市在住。

「2022年 『のはらクラブのちいさなおつかい 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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