こわす こうじのえほん (福音館の科学シリーズ)

制作 : 新谷 祥子 
  • 福音館書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (24ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834083781

作品紹介・あらすじ

安全服にブーツ、ヘルメットを身につけて、用意万端。さあ、いよいよ大きな重機で建物をとりこわします。建物がくずれるときは、びっくりするほど大きな音! やがてたくさんの資材がはこびだされて……がらんと空いたその場所に、さあ、なにができるのかな? シンプルなイラストと音で、とりこわし工事を描いた絵本。翻訳者は打楽器奏者です。力強いオノマトペで表現した工事音が、絵本いっぱいにひびきわたります。

感想・レビュー・書評

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  • 【父】  おやっ、♬どうしたんだいイエイエイ・・・絵本なんか読んじゃって、子供でも出来たのか?

    【私】  馬鹿、なに言ってんの、結婚もしてないのに子供が出来てどうするのよ。
    私が絵本を読んでて可笑しい?悪い? 

    そういえば、小1の時に長谷川修平の『はせがわくんきらいや』(すばる書房1976年刊行)に出会ってから夢中というか、絵本や童話やいわゆるジュブナイルは、重要なジャンルだって気づかせてくれたのはお父さんじゃなかったっけ。

    【父】  う~ん、そうだっけ、長谷川修平ね、そうだったっけな。

    薄っすら覚えているよ、彼のことは陰ながら応援し続けているしね。彼は、森永ヒ素ミルク中毒事件(作者もヒ素ミルクを飲んだ)を取り扱いながら、日本人の生活や心理を大胆に描写した今までにない、斬新な絵本の作法を創出して、鮮烈にデビューした異色の人だよね。

    彼の独特の大衆文化論みたいなのは、実践的にも啓蒙的にも絵本だけに収まらずに、評論・講演・映像・作詞作曲と留まることがなく、その後の活躍も単なる一絵本作家じゃない新しい文化の創造者・牽引者として重要な役割を果たしているといってもいいと思うよ。

    【私】  あの~、今日は長谷川修平じゃなくて、この本『こわす こうじのえほん』が主役よ。

    【父】  あっ、そうかそうか。リビングに置いてあったから読んだけれど、おまえはどうだったんだい?

    【私】  はじめはね、わっあ、すごい、これって今までにない絵本じゃない、って、少し感動気味に読んでいたの。

    実はその後に、知り合いの子供たち2歳と3歳と5歳と7歳を集めて、この本を声色を交えて読んであげたの。
    そしたら、わああ恰好いい、僕もやりたい、大変そうだけど私もやってみたい、って女の子も言うのよ。

    【父】  ほほう、それはまたいい反応だね。

    【私】  でもね、そのとき7歳の男の子が言ったの。僕のパパも工事現場で働いてるけど、こんな綺麗なカッコイイ感じじゃなかったよ、もっとなんか、こうゴツゴツした、汗とほこりがいっぱいの汚れた感じだったけど、でもそのなかでパパはユンボやクレーンを運転したり、コンクリートの塊を取り除いたり薄汚れていたけど、なんかカッコよかったんだ、って。

    【父】  なるほどなるほど、子供だからって別に現実のマイナス点、つまりここでは、この仕事の3K的な、きつい・汚い・危険ということを隠して、きれいに美しく模造しなくても、もっとストレートに表現して提供しても、子供にとっていいかもしれない、ってことかな。

    【私】  そうなのよ、私もそう思った。ほら、ディズニーのアニメとかが、原作の童話の残酷さや醜さ非道さを全部とっぱらちゃって、ただのおとぎ話というか、それこそただの人畜無害なストーリーにしてしまったのと同じように、この世界の無常さをあえて子供には教える必要はない、みたいな感じの絵本みたいに思いなおしたんだ。

    【父】  そうだね、単なる絵本といっても、子供にとってはその後 一生にわたって影響されるというか、心に刻印されるものだから、簡単に軽々しく考えない方がいいってことだね。

    【私】  そう、私は、絵本の構成としてはこれは失敗作だと思うし、独裁国の北朝鮮や反日感情をあおる韓国のプロパガンダとしての絵本、それとか革命後のソビエトでも共産主義をいかに浸透させるかを目的にしたロシア・フルマリズムで単純抽象化した画像が創造されたりしたし、もっというなら日本のマンガはそういう点では擬声語や擬態語を駆使してスピード感あふれるシーンを創出したけど、そういう文化的遺産は何も検討・引用されずに、高学歴のスタッフたちでそれらしく創られた、っていうと少し言い過ぎかな。

    【父】  それは言い過ぎだと思うよ。これはこれで、また結構面白いと思うよ。

    まあ、問題は、この絵本の装飾された虚構の美しさに出会った子供たちが、いったいいつ化けの皮を剥がして現実の本物の<こわす>に気づくか、ということだが、絵本の意味・存在をあまりに貶める安易な出版にも警鐘を鳴らすということでもこのレビューは意味があるのかな。

    でも絵本くらいは、もっと気楽にワイワイいって読もうや、楽しもうや。

    【私】  そうね、それは確かね。

    私も、年を取るほど心配性というか、何かマイナス点がないか、なんて考えがちだから困ったものだわ。

  • 2歳7ヶ月 働く車が大好きなので、集中!
    擬音が多いので臨場感ある。珍しい工事車両が多い。
    最後の公園ができあがるシーンは急な展開であまり興味ないみたい。

  • かいたいは、こんなにむずかしいんだとわかって、たいへんなんだなと思った。

  • 大人でも、工事現場は見ていて飽きないのだ。ましてや子供は…。

  • 「安全服にブーツ、ヘルメットを身につけて、用意万端。さあ、いよいよ大きな重機で建物をとりこわします。建物がくずれるときは、びっくりするほど大きな音! やがてたくさんの資材がはこびだされて……がらんと空いたその場所に、さあ、なにができるのかな? シンプルなイラストと音で、とりこわし工事を描いた絵本。翻訳者は打楽器奏者です。力強いオノマトペで表現した工事音が、絵本いっぱいにひびきわたります。」(『読んでみない?科学の本 しらべてみようこんなこと』子どもと科学をつなぐ会 編 連合出版 2000  の本での紹介より抜粋)

  • 重機が大好きな3歳。写真や動画でたくさん見てるから、絵じゃ満足しないだろうと思っていたけど、何回も読んでと頼まれた。独特の音の表現が読み手には難しいけど、子供のイメージにハマったのか、面白かったみたい。

  • 3歳8ヶ月
    何度か読んだ。家にあるはたらくくるまたちのかいたいこうじと内容がほぼおなじだったので、あまり興味を持たなかったよう。

  • ダジャレみたいなことをいってた!

  • 2022/03/12 図書館 はじめての友達に勧められて

  • 1歳9ヶ月  図書館
    ショベルカー好きの息子のために図書館で借りた。最初2.3日は見向きもしなかったが、今は毎日読んでと持ってくる。ショベルカーの絵があるところで絶叫してる。

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著者プロフィール

サリー・サットン オークランド大学でドイツ語修士課程修了。文筆家・劇作家として活動を始める。幼年向けの絵本や読物など、子どもための本を数多く執筆している。ニュージーランドのオークランド在住。

「2019年 『こわす こうじのえほん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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