バレエシューズ (世界傑作童話シリーズ)

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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834084382

作品紹介・あらすじ

1930年代のロンドン。身寄りのない三人の赤ちゃんが学者に引き取られます。三姉妹は「フォシル」と名乗り、その名を歴史に残そうと誓い合うのでした。そして舞台芸術学校に入学し、自立への道を歩み始めます。女優志望のポーリィン、舞台が嫌いなペトローヴァ、バレエの才を持つポゥジーが、オーディションや公演などの関門に悩み、助け合い乗り越えていく様子をユーモアたっぷりに描く成長物語を、完訳でお届けします。

感想・レビュー・書評

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  • 身寄りのない赤ちゃんとして別々に引き取られて、3姉妹として育てられた少女たち。
    連れ帰った「ガム」が音信不通となり、残されたお金と家で「ガム」の親戚の女性に託されますが、徐々に経済的に苦しくなり、3姉妹は演劇やバレエに出演してお金を稼ぐようになります。
    イギリスではこの頃から、児童が働く時のルール作りをしていて、審査に通った者に労働許可証を付与したり、稼いだお金の中から一定の金額を貯金しなくてはならなかったりと、子どもの権利が守られてるなと思った。
    また、実の親がいなくても、愛情をもって育てられれば愛情深い人になるんだなとも思った。
    次女ペトローバは、本当は演劇やバレエにはさほど興味がなくて、でも自分の立場上それが言えなくて辛い思いをしていたのだけれど、シンプソンさんが分かってくれていて自動車修理を手伝わせてくれたり飛行機を見に連れて行ってくれたりしたことが精神的にすごく助かっているようだった。わかってくれる人がいるって大事だな。
    朝ドラを見ているような感覚だった。

  • 朽木さんの翻訳ということで、期待して読み始めてはみたが…
    三姉妹の成長譚。設定は面白いけれど、そして装丁はとても美しく二重丸なのだけれど、肝心の「ものがたり」としての吸引力に欠ける。

  • 化石収集家のガムが集めてきた3人の赤ちゃんは大きな家でガーニィ(保護者)とナナ(乳母)と暮らしています。ガムは五年分の生活費をおいていったきり帰ってこないのでガーニィは下宿人を置くことにしました。この下宿人たちのおかげで子供たちの生活に大きな変化が訪れます。長女は容姿もよく演じることが好き。次女は地味な印象だけど数学や機械いじりが得意。お母さんのバレエシューズと一緒にやって来た末っ子は天性のダンサー。家計の足しになればと始めた舞台出演も三者に三様の影響を与えます。イギリスの習慣が細かく描かれているのも魅力のひとつ。お金のせいで巻き起こる騒動も知恵と周りの大人の暖かい助力で解決されていきます。才能と努力で運を切り開いていくお話。

  • 「1930年代のロンドン。身寄りのない三人の赤ちゃんが学者に引き取られます。三姉妹は「フォシル」と名乗り、その名を歴史に残そうと誓い合うのでした。そして舞台芸術学校に入学し、自立への道を歩み始めます。女優志望のポーリィン、舞台が嫌いなペトローヴァ、バレエの才を持つポゥジーが、オーディションや公演などの関門に悩み、助け合い乗り越えていく様子をユーモアたっぷりに描く成長物語を、完訳でお届けします。」

  • 装丁がとてもきれいで少女が思わず読みたくなりそう。身寄りのない赤ちゃんが3人本当の姉妹のように育ち、やがてそれぞれの道を見つけていく。タイトルからするとバレリーナの話かなと思うけど、ちょっと違う。

  • 世界各地から拾われた娘三人が、姉妹として育つ。意外とバレエの話ではなく、演劇のほうがメインかも。演劇学校で教育を受けて、自分で金を稼ぐところが好き。それぞれの姉妹に個性があり、それぞれのやりたいことを探していきます。

  • 2020.3
    3人とも自分で切り開いた。賢く育った。ちゃんとした大人たちがまわりにいた。よかった。子どものために大人は必要だ。

  • 児童文学。海外文学。イギリス。
    三姉妹。バレエ。演劇。飛行機。自動車。
    下宿。化石学者。自立。
    『MOE 2019.7』にて。

    親の違う三姉妹。下宿の人たちなどに助けられながら生活。
    演劇、バレエ、飛行機とそれぞれ身を立てていく。
    向いてない悩みを聞いてくれるシンプソンさん。

  • 1930年代のイギリスの児童文学。
    はじまりはおとぎ話らしいけど、この本はファンタジーではなく、かなり現実寄り。
    なんといっても、少女三人がいかにお金をかせぐか、がひたすらメインになっている。


    三人の性格の違いが描かれていて楽しい。
    作者の商業演劇のキャリアが活かされており、かなり細かいバレエや舞台の裏話が続く。

    日本人の自分から見れば、イギリスのお屋敷の準・家族ムードが理解しづらい。
    下宿人たちも報酬なしで少女三人の養育に関わってくれるのですね。すごい。
    (下宿人たちもなかなか興味深い。
    独身の教師たちは一緒に下宿して、旅行に行くほど仲良しなんだね。
    セオさん、どんな人なのか謎。
    シンプソン夫妻なんて、夫さんは次女に好意的で、新しい道を示したり、理解ある会話を送迎中にしてくれるのに、奥さんはほぼ出番はなく、大急ぎで舞台用の衣装をぬうときに駆り出されるだけ。)
    そのわりにはアッサリ引っ越しさせられている・・・。

    ラスト、ついに伝説的人物だったガムが姿を見せ、経済的なトラブルも、機械仕掛けの神的なかんじで一気に解決するのかと思ったけれど、
    三姉妹がそれぞれの道を歩むために、家族も準家族もバラバラになり、三つの国で暮らしていく、という展開には驚いた。
    日本の児童文学だったら、家族みんな一緒が一番だね、というメッセージで終わるところだっただろう。
    生きる道を信じて進むこと、そのためには家族は精神的につながっていればおk、という軽さ(重さ)に、ちょっと感動してしまいました。

    (追加。日本の児童文学だと、貧乏で顔もかわいくないけど抜群に舞台の才能がある同級生にもっと親切にして自分も改心、彼女も成功する、というストーリーが絶対に挟まれると思う。)

    あとは楽しい楽しいクリスマスパーティのとき、子供たちや家族はお開きのあと、使用人だけのパーティがある、というくだりが、なるほどね、と思えた。
    やっぱりシルビアや三少女は、コックやメイドから見れば、準家族でもあるけど、雇用主でもあるのだから、自分たちだけでパーッとやれるほうが楽しいのだろうし、雇用主もそれを理解しているのがいいなあと思ってしまった。
    小さいとはいえ、階級社会のお屋敷。
    ダウントンアビーやエマの世界と同じだ。

  • 全く別々のところで拾われ、引き取られた女の子の赤ちゃんがそれぞれの人生を見つけるまでの話。悪い人が一人も出てこない、美しい児童文学。小学生の頃に読んでいたら良かったかも。タイトルからして三女メインかと思ったら、長女と次女の話が多かった。三女がバレエ漫画の昴みたいなエキセントリックなキャラクターなので、もっと出てきてほしかった。

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著者プロフィール

ノエル・ストレトフィールド 1895年、英国のサセックス州に生まれる。英国王立演劇学院を卒業後、女優として活動。1931年に児童書の創作を始め、1936年刊行の『Ballet Shoes』にて一躍人気作家となる。1939年に『Circus is coming』(アメリカ版タイトル『Circus Shoes』)にてカーネギー賞を受賞。1986年没。

「2019年 『バレエシューズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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