草木鳥鳥文様 (福音館の単行本)

著者 :
  • 福音館書店
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本棚登録 : 317
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834086003

作品紹介・あらすじ

「これは新しい形のバードウォッチングではないかと思った。アウトドアとは無関係の、ごく個人的な内界を覗き込む形の」(梨木香歩/本書「あとがき」より)。作家・梨木香歩による四季の野鳥と植物をめぐるエッセイ集。梨木が綴る鳥と草木を画家・ユカワアツコが古い抽斗の中に描く。その抽斗を写真家・長島有里枝が街に連れ出し、撮影した。言葉、絵、写真が織りなす三重奏で、暮らしに身近な自然が輝き出す。オールカラー、函入り、クロス装。

感想・レビュー・書評

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  • 母の友2017年4月から2020年3月連載分を単行本化。目次がまた印象的な、鳥に関する梨木香歩さんのエッセイと、その鳥を古い箪笥の引き出しに細かく描写したユカワアツコさんの絵を、長島有里枝さんが様々な本当に美しい背景の中写真に収めている。それぞれのプロフェッショナルの本気度がぶつかり合っていてページをめくるたびにめまいがするような感動。
    本物の鳥の写真よりもインパクトがある。私自身、鳥の区別がつかなくて名前も全く詳しくなく、それぞれにエピソードがあるのにも驚かされる。あとがきでは、この企画を考えた編集者の仕掛け、勘案の見事さについて、梨木さんも賞賛している。
    猫丸センパイ、こちらの本教えてくださってありがとうございます。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ☆ベルガモット☆さん
      改まってバードウォッチングをしたのはいつだったろう?と「草木鳥鳥文様」を眺めながら思ったのですが、
      猫は此の本を、...
      ☆ベルガモット☆さん
      改まってバードウォッチングをしたのはいつだったろう?と「草木鳥鳥文様」を眺めながら思ったのですが、
      猫は此の本を、梨木香歩の文を読みながら、ユカワアツコの絵とは偶然遭遇したような愉しみ方になっている。
      曲がり角でスズメがチョンチョンと飛び跳ねているのに気付いて見続けたり、近くに聴こえる囀りの元を追ってキョロキョロしたり。
      普段の生活と変わらないそんな感じです。
      そして長島有里枝が被写体にするコトで不思議さが増し、目を離したら鳥が動くんじゃないか?と言う妄想を抱いている猫でした。
      2024/01/31
    • ☆ベルガモット☆さん
      猫丸センパイ!

      バードウォッチング素敵ですね♪偶然出会う鳥たちの表情、動き出しそうな感じ、なるほど!そういう楽しみ方をすればよかったん...
      猫丸センパイ!

      バードウォッチング素敵ですね♪偶然出会う鳥たちの表情、動き出しそうな感じ、なるほど!そういう楽しみ方をすればよかったんですね~
      えええ、どうしてそこに鳥ちゃんがいるの?!と驚いてばかりいました…

      猫丸センパイ、ベストユーザーGold堂々の1位おめでとうございます☆☆☆凄いです(((o(*゚▽゚*)o)))
      2024/02/01
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ☆ベルガモット☆さん
      > そういう楽しみ方
      猫ですから、スズメも狙えば、カラスにもチョッカイ出します。。。
      そう言えば最近見掛けませんが、足...
      ☆ベルガモット☆さん
      > そういう楽しみ方
      猫ですから、スズメも狙えば、カラスにもチョッカイ出します。。。
      そう言えば最近見掛けませんが、足の長い結構大型の鳥も居ました。橋にある街灯の上に巣を作ったりしてましたヨ(その橋がリニューアルされて、鳥が留まれなくなったのが残念)、、、

      > ベストユーザーGold
      有難う御座います
      でも猫はカオナシの如く本を求めてウロウロ彷徨っているだけですので、賞には値しない。と思ってます。
      多分ブクログが機械的にイイネをした数で決めているのでしょう、
      レヴューの面白さでは、☆ベルガモット☆さんや他の方の方がズっと素敵で興味深い。
      2024/02/02
  • なんて素敵な本!
    箱から出すと表紙はクロス張り、葦原に佇むコサギの紋様が金箔押しで描かれている。
    見返しの紙も中扉の紙の色も質感も美しい。

    梨木香歩さんの鳥と草木にまつわる随筆は良いのは勿論のこと、ユカワアツコさんが古い箪笥の引き出しに描いた鳥の絵がまた良いのだ。
    その絵を雰囲気のある写真に仕上げているのは写真家の長島有里枝さん。
    三人の女性が織り成す美しい世界にうっとりする。

    梨木さんは「新しい形のバードウォッチング」という表現をしている。
    コロナ禍でバードウォッチングに行けないとき、この本を開きたい。

    鳥や草木が描かれた引き出しは、外へ広がる小窓、鳥が棲む森や水辺を双眼鏡で覗いているよう。と同時に自らの内にある鳥や草木の記憶を覗き込んでいるよう。
    不思議な感覚のバードウォッチングを梨木さんに導かれながら楽しんだ。そんな贅沢な時間でした。

  • 梨木香歩(文)、ユカワアツコ(絵)、長島有里枝(写真)ですって!

    『草木鳥鳥文様』(福音館書店) - 著者:梨木 香歩,ユカワ アツコ,長島 有里枝 - ユカワアツコによる自著解説 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    https://allreviews.jp/review/5499

    ユカワアツコ公式HP「トリル」
    https://calico29.wixsite.com/yukawa-atsuko

    長島有里枝|美術手帖
    https://bijutsutecho.com/artists/468

    草木鳥鳥文様|福音館書店
    https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=6797

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      りまのさん
      多分お三方のバトルでしょうから、高くなるのでしょう、、、
      猫は恥ずかしがりなので
      りまのさん
      多分お三方のバトルでしょうから、高くなるのでしょう、、、
      猫は恥ずかしがりなので
      2021/01/25
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ユカワアツコさんの個展、いよいよ来週からです | 猫本専門書店 書肆 吾輩堂(2021.04.23)
      https://wagahaido.c...
      ユカワアツコさんの個展、いよいよ来週からです | 猫本専門書店 書肆 吾輩堂(2021.04.23)
      https://wagahaido.com/archives/2117

      ユカワアツコ公式HP「トリル」
      https://calico29.wixsite.com/yukawa-atsuko
      2021/05/12
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ユカワアツコ『草木鳥鳥文様』展 | 教文館ナルニア国
      https://www.kyobunkwan.co.jp/narnia/archive...
      ユカワアツコ『草木鳥鳥文様』展 | 教文館ナルニア国
      https://www.kyobunkwan.co.jp/narnia/archives/info/f85b98ef
      2021/09/04
  • 古い引き出しの底に美しく描かれた鳥と草木。
    それらが室内の何気ない一画に置かれている写真に目を吸い寄せられます。
    そして、その写真に添えられたのは梨木香歩さんが鳥と植物について、自身の思い出を綴った文章。
    ああ…至福。

    ゴイサギについての文章にクスッと笑ってしまいました。
    佇む姿は「老僧が瞑想している姿」を思わせるゴイサギですが、その飾り羽は繁殖期のみのおしゃれ小物であることがわかり、「渋い爺さんは、究極の「ええかっこしい」だったのかもしれない」とユーモアを交えつつ書いている梨木さんに共感。
    私も、動物園のペンギン舎に一羽だけ混じってお魚にありついているゴイサギを見たことがあるので、意外とちゃっかり者でもあるんですよ…って梨木さんに伝えたくなりました。

  • 日本で見られる野鳥と、それに関連する草、木を題材とした梨木香歩さんのエッセイ。
    ユカワアツコさんが鳥の絵を描かれており、キャンバスは木製の抽斗の中。それをまた、長島有里枝さんがさまざまなシーンに持ち込んで撮影している。
    自然も時代と共に変化しており、その変化はあきらめざるを得ない事は承知しているが、どうしようもなくノスタルジーを感じることもある。
    この本では、「昔は良かった」的な繰りごとは書かれていない。ただただ、作者と自然の出会いの記録である。
    梨木さんは、いろんなところに住んだことがあるらしい。
    自分も、自然の中に暮らしてみたいと思う。
    身近に聞こえてくる鳥の声に耳を澄ませたいし、姿に目を凝らしたい。

  • これは美しくて、手もとに置いておきたい本だ。梨木さんの本が好きなのだけれど、鳥の名前はなかなか覚えられないので、絵と写真が添えられているのはありがたい。というか、九州出身の梨木さんと、北海道出身の私では、なじんできた植物や鳥が違うんだろうな。

  • 布張り、ケース付きの豪華な装丁!カラスや雀のような身近な鳥から、山で見られるらしいサンコウチョウという鳥まで、梨木さんが出会う鳥たち、そして草木の話。一つ一つは非常に短いけれど、梨木さんらしい生き物への愛、溺愛というのではなく、適切な距離を保ちつつ温かく見守るような、彼らの目線の風景や生き方に寄り添うようなまなざしに満ちたお話で、読んでいてすっとする。
    それぞれについているユカワさんの絵、その「鳥」たちが溶け込んだ風景を写しとる長島さんの写真もとても良い。私たち読者の心に浮かんでいる梨木さんのお話のように、引出しの枠の中にいながらも鳥たちが生き生きと存在感を放っている。

  • 大切にひとつひとつ丁寧に読みたい。
    つぐみに対する話が私の思いと一緒だったので笑ってしまった。

  • (大人の)両手に拡げて しっくり
    その重さも 心地よく
    なんといっても
    梨木さんの「文」もさることながら
    ユカワアツコさんの「絵」
    長島有里枝さんの「写真」
    生島もと子さんの装丁
    のそれぞれが
    自己を主張することなく
    しっくりなじんで
    それぞれがそれぞれに優しい

    極上の本
    まさにこの言葉に尽きます
    福音館書店の編集者さんに感謝

  • 大変趣向を凝らした粋な本だなぁと。箪笥に描かれた鳥の美しいこと。
    ゆっくり鳥の図鑑とか傍らにおいて生態とかも学びながら読めばどんなに理解が深まるか…図書館で借りているから返却日を気にしながらのもったいない読み方をしてしまった。

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著者プロフィール

1959年生まれ。小説作品に『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』『丹生都比売 梨木香歩作品集』『裏庭』『沼地のある森を抜けて』『家守綺譚』『冬虫夏草』『ピスタチオ』『海うそ』『f植物園の巣穴』『椿宿の辺りに』など。エッセイに『春になったら莓を摘みに』『水辺にて』『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』『やがて満ちてくる光の』など。他に『岸辺のヤービ』『ヤービの深い秋』がある。

「2020年 『風と双眼鏡、膝掛け毛布』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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