おとぎ話の忘れ物

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  • Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834251258

感想・レビュー・書評

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  • お話がはじまるまでの、ものがたり部分、本当にもう、たまらなく、好みです!!
    美味しいキャンディがずーっと口のなかで転がっているような、素晴らしい感覚でした。

  • 毒のある素敵なおとぎ話。

    赤ずきんの話は、
    表紙にもなってる挿絵のサロメというタイトルに納得。

    アリスは蟻が本当に苦手なので、読めず…。

    人魚姫の話は一番好き。
    宝石職人の男性の人魚が、本物の星を見るシーンが好き。

    白鳥はキャンディーが(愛情が)重くなりすぎたのかな。。。。


    挿絵も素敵だった。

    (図書館)

  • 衝撃!「めでたしめでたし後」を書いた短編で、子供の時、頭打されたが、童話をひねったこの作品は、その次くらいに秀逸。視点、言葉の使い方が妙。全話、ちょっと暗めなのが残念。挿絵も一見の価値あり。

  • 表紙にインパクトがあって、挿絵も独特。

    スワンキャンディーの絵が好きだな。
    湖の雫セットのキャンディー。
    珊瑚味と羊水味って どんなだろう。。すごい気になる。


    ”忘れ物図書室”
    旅をしながら各地の忘れ物保管室にあった おとぎ話を収集して
    本にしつらえたものを置いてある私設図書室。
    なんか 行ってみたい気になる特別な空間。

    中は短編なんだけど、
    図書室で読んでると考えたら、章立てに違和感がなくて
    さらっと読める。


    一番 気になったのは ”人魚宝石職人の一生”。
    人魚姫を連想させるけど、
    ラストは 職人がつくったヒトデの首飾りで
    王子の姫君が絞殺されてしまう。
    男の人魚の目線ってことも なんか新鮮だし
    なんか今までにない終わり方が 衝撃的。


    白鳥の話は なんだか切なかったな。
    嬉しくてどんどん増えたキャンディーが 体を重たくしたのね。


    あとがきまで読んだら また違った印象になるね。
    世界に一つしかない味のキャンディー。
    硬質で甘美でゆっくり溶けて心にしみ込んでいく っていい表現。

  • Candyが キーワード
    幻想的なイラストと それをモチーフにした 紡ぎ出された 残酷で可憐な物語
    ハッピーエンドではない 大人のおとぎ話
    同名の童話に発想を得ているのがわかる
    どうやら絵⇒物語を作っているようだ

  • ダークな雰囲気のおとぎ話。
    人魚姫の話が好きかな。
    小川洋子さんの文章は、静かで美しくて好きです。

  • 誰もがよく知る童話をもとにした4つのストーリー。
    絵の雰囲気がすごく好みでした。
    短編に入る前の導入部分もすごく好き。

    赤ずきん、白鳥の湖、人魚姫、アリス。
    この4つがモチーフになっています。

    本自体も厚くないのでサクサクと読めちゃいます。
    私は人魚姫のお話がいちばん好きでした。

  • あの頭巾の赤は、狼の血の赤。ねぇ、か弱いからって甘く見ないでよね。食べられるのは貴方なのよ。美しいレースを穢したのは黒い笑み。
    『私はアリスという名前が嫌いだ。』そうね、私も想像したら吐き気がするわ。蠢く大量の黒い影は一番めの少女の証。
    人間に恋をした人魚姫、その姫に恋をした男人魚。本当に愛されていたことに気付けなかった姫は、失うものが多過ぎました。ポロポロと。泡は涙なの?涙は君なの?キラキラと。光るのは海星なの?
    ああ...彼女を奪った人間界のこの星空は、憎しみ哀しみ、声さえ失くし泡になっていくほど、愛しく美しい。

  • グロテスクで奇妙で後味の悪いメルヘンの世界。
    赤ずきんの話はインパクトあっておもしろかった。
    人魚の話はきれいだと思う。結末はありがちな感じだったけど。童話風の独創的なストーリーは魅力的。

  • おとぎ話というテーマにつられて手に取った本。
    とても短いお話の詰め合わせながら、その妖しい世界にぐっと引き込まれた。
    樋上 公実子さんのイラストもまた素敵。
    個人的には、赤ずきんがモチーフの『ずきん倶楽部』がお気に入り。
    ぜひともキャンディを舐めながら静かに読みたい一冊。

著者プロフィール

1962年、岡山市生まれ。88年、「揚羽蝶が壊れる時」により海燕新人文学賞、91年、「妊娠カレンダー」により芥川賞を受賞。『博士の愛した数式』で読売文学賞及び本屋大賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。その他の小説作品に『猫を抱いて象と泳ぐ』『琥珀のまたたき』『約束された移動』などがある。

「2023年 『川端康成の話をしようじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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