デクリネゾン

著者 :
  • ホーム社
3.50
  • (22)
  • (45)
  • (60)
  • (12)
  • (3)
本棚登録 : 739
感想 : 53
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834253610

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 単純に主人公がやりたい放題で周りの男が振り回されてる感があるが、何とも言えない魅力があるんだろう。

    志絵自身にも自分では制御出来ない感情があるのも、それが決して常識的で良いことでは無いことも承知の上で生きてる。
    それがヤケクソでなく、いけない事も己と悟ってる感じがする。

    感情の起伏が激しいがそんなのは誰しも有る事で、読んでて身につまされる。

    終盤は作者の想いが前に出過ぎて小説の流れが少しずれてる感じがして少し残念。

    金原作品は不倫しないと気が済まないのか(村上作品の男女がすぐ寝るのと同じ感じ)、そのことで描きたいものは何なのか、そうでないと描けないものがあ何なのか、そこを理解出来れば金原作品がもっと面白く読めるんだろうと思う。

    文章は読み易いし、才能の塊って改めて感じた。
    まだまだ金原作品を読み漁ろうと思う。

  • 2023/12/26

  • 腹減った
    ⁡⁡
    ⁡ってな事で、金原ひとみの『デクリネゾン』⁡
    ⁡⁡
    ⁡いつもの金原さんのイメージかと思いきや料理と絡めたお話
    ⁡⁡
    ⁡普段は和食、居酒屋飯メインのわしじゃが、色んな国の料理が出てきて、これ食べてみたいなってのもあったり
    ⁡⁡
    ⁡デクリネゾンってタイトルはそれぞれみんなのデクリネゾンって言うのか、読み終えてタイトルの意味を調べると、なるほどなっ‼️って腑に落ちた
    ⁡⁡
    志絵、理子、吾郎、蒼葉それぞれみんな好きなキャラじゃったなぁ。みんなそれぞれええ調理(良い人生経験、新しい家族定義と言うのか)されて活かされとる感じですかね
    ⁡⁡
    ⁡じゃが、『蒼葉』の名前にルビが打って無かったんで、何と読んでいいのか分からぬままモヤモヤした気持ちがデクリネゾン ← 意味も無くただ使ってみたかった
    ⁡⁡⁡
    ⁡2023年19冊目

  • ハッピーエンドでよい。
    自分の衝動に素直に生きることは良い。
    これに出てくる歌舞伎町の火鍋のお店は行ったことある

  • 心地良さは皆無。

    二度の離婚を経て中学生の娘・理子と二人で暮らすシングルマザーの小説家・志絵。

    二人の元夫と交流を続けながら、大学生の恋人・蒼葉と暮らし始める。
    とても貪欲だ。

    仕事も家庭も子供も恋愛も、全て手中に収めたい彼女と自分の境遇が違い過ぎて共感する事が難しい。

    友人や恋人と美味しいものを食べ歩き十分満たされているかのように思えるが、時に発動する破滅的な言動にたじろいでしまう。

    時間と共に人との関係性は変化し、未来に絶対はない。彼女の危うさに翻弄されつつも、迸る熱量に圧倒された。

    志絵の自由さが羨ましくもある。

  • 年齢の変化、人間関係の変化、環境の変化、そんな細やかな日常の中の気持ちや感じてることが、とても細やかに言語化されていて、じっくり読めた。金原ひとみさんの作品は食事がとても美味しそうで、今回もたくさんの魅力的な食事がでてくて、美味しいご飯を食べたくなった。

  • まだ早いけど、今のところ今年、2023年イチ、良かった。
    昨年くらいから、出るたびに読んでいる金原ひとみ作品…やっぱり良かった。
    年を経て、どんどん繊細さや人々のわずかな共感のラインを拾い、物語を紡いでいるように思う。

    作家の志絵と今の恋人、蒼葉との付き合い、最初の旦那との子供、理子との関係、別れた旦那2人、小説家の友人、編集者や出版社との付き合い、執筆活動などを、さまざまな食材から取った題名から、話が進んでいく。

    コロナ禍をリアルに描き、今でさえ、もう少し薄れている記憶を呼び起こされる。そうだったなあ、この頃、世の中はこんな風に多くの人々が考えていたなあと思い出した。
    また、少し時が過ぎたら、より忘れてしまうのだろうか。人間とは何と状況を受け入れつつ、緩やかに逆らいながら、変わっていくのだろうか。
    蒼葉の生き方、考え方、志絵への接し方、理子への接し方を通じて、コロナをリアルに体験した今の若い世代を著しているように感じる。

    どの章にも、私の感じている自分の感覚が、文字となってそこにある。
    例えば、第19章、ベースのカレーとsupernovaと〜より「私は一人で幸福な気持ちになる。直人や行哉、ひかりや和香など、常に自分の心にいる、どこかでその存在を祝福し続けている人たちもここに集めて、皆への気持をありったけの表現力を使って克明に発表したい衝動に駆られる。」
    本当にメモしきれないくらい。自分のなかで上手く表現できなかった思いや思考や真理や…なんやなかが気持ちの良いくらい、ピタッとここだけ、この表現で著してくれている!と思える箇所がある。

    金原ひとみ作品を読むのは、お話が面白くて、ラストが気になるせいもあるのだけど、どこか自分の心と自分にピタッとくる言葉を探すために読んでいるのかもしれない。

    正直、ラストは少し物足りない。何か劇的な納得できる答えがあると期待していたが、そこには志絵と蒼葉、理子、それぞれが自然に日常の幸せを受け入れるラストとなっていた。
    これが多くの人の幸せなのだと安心するためのラストなのかも。

  • 恋愛体質な子持ちの30代女性作家のコロナ禍での生活を取り上げた小説。
    主人公はあまりに自分本位だと思って共感はできず、複数の元夫や不倫相手とこんなにうまく共存できるものなのかと思ったりはしたが、随所に人間に対する洞察が溢れていて、なかなか面白く読めた。

  • オーディオブックで聴き放題対象作品だったので聴いた。金原ひとみさんは「蛇にピアス」が受賞した時にテレビに出てた時の印象しか残っていないが、その後もたくさん執筆されてるんだなと今回知った。
    うーん…主人公のシエの生き方は好きになれない。(耳で聴いただけなので登場人物の名前は漢字がわからないのでカタカナ表記します)結婚、不倫、離婚、恋愛を繰り返し、子どもを振り回し、リコのように明るく素直な子に育つとは思えない。
    ゴロウにとってナオトは元妻の浮気相手であり、妻と娘との生活を奪われたのだから、恨むはずなのに、普通に会話にナオトの名前が出てきているのに違和感。リコが継父であったナオトになついているのも普通なら嫌なはずでは?
    アオバは学生で学費を親に払ってもらっているにも関わらず、親とケンカして家出してシエと結婚したことも知らせておらず、シエもアオバの親に挨拶もしに行っていないとは…。自分の親にも知らせていないのかな。両親や元夫たちの義両親の存在が全く出てこなかったのが不自然な気がした。
    他の方の感想にも書いてあったように、最後にシエにどんな天罰が下るのかと思いながら読んでいたら、終わり方があっけなく、みんな優しい人たちのままだった。アオバが就職してからの生活も書いて欲しかったかな。
    共感できなかったけど、こういう生き方もあるんだなぁと、読み物としては興味深かった。
    作家同士の会話や、編集に関わる仕事をしている人たちは、こんな風に言葉を捉えて世界を見ているのかなと垣間見れた感じがして、難解な言葉が多かったけど面白かった。
    あと金原さんの頭の良さからだと思うけど、一つの文章が長くて、私には理解するのが大変だった。
    あと美味しそうな食べ物がたくさん出てきたけど、どれもおしゃれすぎて食べたことないものばかりだった。デクリネゾンという言葉を調べたら一つの食材をいろいろな調理法で味わうという意味だとわかった。なぜこの小説にこのタイトルが付けられたのか、誰か上手く言い表して教えて欲しい…。

  • 金原ひとみさん、初めて読みました。
    読んでるうちに登場人物たちの姿形が思い浮かぶ小説だったな。

全53件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2004年にデビュー作『蛇にピアス』で芥川賞を受賞。著書に『AMEBIC』『マザーズ』『アンソーシャルディスタンス』『ミーツ・ザ・ワールド』『デクリネゾン』等。

「2023年 『腹を空かせた勇者ども』 で使われていた紹介文から引用しています。」

金原ひとみの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×