- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834253610
感想・レビュー・書評
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単純に主人公がやりたい放題で周りの男が振り回されてる感があるが、何とも言えない魅力があるんだろう。
志絵自身にも自分では制御出来ない感情があるのも、それが決して常識的で良いことでは無いことも承知の上で生きてる。
それがヤケクソでなく、いけない事も己と悟ってる感じがする。
感情の起伏が激しいがそんなのは誰しも有る事で、読んでて身につまされる。
終盤は作者の想いが前に出過ぎて小説の流れが少しずれてる感じがして少し残念。
金原作品は不倫しないと気が済まないのか(村上作品の男女がすぐ寝るのと同じ感じ)、そのことで描きたいものは何なのか、そうでないと描けないものがあ何なのか、そこを理解出来れば金原作品がもっと面白く読めるんだろうと思う。
文章は読み易いし、才能の塊って改めて感じた。
まだまだ金原作品を読み漁ろうと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2023/12/26
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腹減った
ってな事で、金原ひとみの『デクリネゾン』
いつもの金原さんのイメージかと思いきや料理と絡めたお話
普段は和食、居酒屋飯メインのわしじゃが、色んな国の料理が出てきて、これ食べてみたいなってのもあったり
デクリネゾンってタイトルはそれぞれみんなのデクリネゾンって言うのか、読み終えてタイトルの意味を調べると、なるほどなっ‼️って腑に落ちた
志絵、理子、吾郎、蒼葉それぞれみんな好きなキャラじゃったなぁ。みんなそれぞれええ調理(良い人生経験、新しい家族定義と言うのか)されて活かされとる感じですかね
じゃが、『蒼葉』の名前にルビが打って無かったんで、何と読んでいいのか分からぬままモヤモヤした気持ちがデクリネゾン ← 意味も無くただ使ってみたかった
2023年19冊目 -
ハッピーエンドでよい。
自分の衝動に素直に生きることは良い。
これに出てくる歌舞伎町の火鍋のお店は行ったことある -
心地良さは皆無。
二度の離婚を経て中学生の娘・理子と二人で暮らすシングルマザーの小説家・志絵。
二人の元夫と交流を続けながら、大学生の恋人・蒼葉と暮らし始める。
とても貪欲だ。
仕事も家庭も子供も恋愛も、全て手中に収めたい彼女と自分の境遇が違い過ぎて共感する事が難しい。
友人や恋人と美味しいものを食べ歩き十分満たされているかのように思えるが、時に発動する破滅的な言動にたじろいでしまう。
時間と共に人との関係性は変化し、未来に絶対はない。彼女の危うさに翻弄されつつも、迸る熱量に圧倒された。
志絵の自由さが羨ましくもある。 -
年齢の変化、人間関係の変化、環境の変化、そんな細やかな日常の中の気持ちや感じてることが、とても細やかに言語化されていて、じっくり読めた。金原ひとみさんの作品は食事がとても美味しそうで、今回もたくさんの魅力的な食事がでてくて、美味しいご飯を食べたくなった。
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恋愛体質な子持ちの30代女性作家のコロナ禍での生活を取り上げた小説。
主人公はあまりに自分本位だと思って共感はできず、複数の元夫や不倫相手とこんなにうまく共存できるものなのかと思ったりはしたが、随所に人間に対する洞察が溢れていて、なかなか面白く読めた。 -
金原ひとみさん、初めて読みました。
読んでるうちに登場人物たちの姿形が思い浮かぶ小説だったな。