- Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
- / ISBN・EAN: 9784835609621
作品紹介・あらすじ
あの「ダ・ヴィンチ」の大人気連載を大幅加筆、遂に単行本化。二十世紀の百年間に日本文学史上で話題となったベストセラーを希代の本読みふたりが大解剖。文学的評価や世間の評判なんて歯牙にもかけず、ダメなものはダメと断ずる痛快至極な文芸対談。
感想・レビュー・書評
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納得9割、残りは著者自身「性格がねじ曲がっている」(笑)と語っているので仕方がない。
本書の文体から好き勝手言っているように読めるかもしれないけど、小説を心から愛して真摯に読み込んでいることがよくわかる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読
著者おふたりとも文芸よりだが面白さの着目点がわかりやすく読みやすい -
書評家豊崎由美氏の講演を聞いた直後に読んだ本。
『百年の孤独』をもじったタイトルに、ノックアウトされました。
ダ・ヴィンチに掲載されていたもので、岡野宏文氏との軽妙なやり取りを楽しみながら、さまざまな名著についての読み方を知ることができます。
二人の読書量の豊富さには驚くばかり。
時代ごとにまとめて10年ごとに10冊、100年間分で計100冊取り上げているため、文学史的な流れもわかりやすかったです。
昭和35年代以降は本の内容が軽くなり(彼らの表現でいうと「だらしな派」に変更し)、クオリティも落ちたと嘆く彼らは、時代が新しくなるに従って、その毒舌も一層鋭いものになっていき、時にうなずき、時にヒヤヒヤしながら読み進みました。
『マディソン郡の橋』は、ブームが去った今となっては、首をかしげる人が多い本ですが、ここでも一大こきおろし大会が展開され、あまりにもずけずけした言いぶりに、爽快な気分にさえなってきます。
豊崎氏は講演会で、渡辺淳一作品がつまらんと言っていましたが、やはりこの本の中でも、バッサリと斬っていました。
むしろ、そのつまらなさ、ワンパターンさを、ネタとして楽しんでいました。
『ハリー・ポッター』も、単なるRPGと言い捨てる小気味良さ。
でも、私が好きな『風立ちぬ』には「決して口にされることのない大切な想いが行間から立ち上がってくるようで。これこそが小説の文章だって思います。」「すべての人が読むべき、ほんと素晴らしい作家だよね」、『指輪物語』については、「原作も映画も素晴らしい」などと、高い評価をしていたので、ホッとしました。
昨今の携帯文学に警鐘を鳴らしているのも共感できました。
また、『プロジェクトX』の失敗版、『プロジェクトX(バツ)』を制作して、ヘタレたちの言葉を後世に知らしめるのよいのでは、という意見には強く賛同しました。
失敗から学ぶこともたくさんありますからね。本当に企画されたら面白いと思います。
堅苦しいような名作が、彼らによって一気に身近なものになりました。
けちょんけちょんに評されたことで、逆に内容が気になって、読んでみたくなったものもあります。
『百年の誤読 海外文学編』もあるそうなので、こちらも読んでみたいと思います。 -
2004/10/28 , 2006/9/5 read up
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書評も 100年文だと読むの疲れる
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いったん読みはじめるとあっという間に読み切った。
1980年代くらいからが知っているのがたくさんで楽しくよめた。
そういや、この本でも絶賛されてた、さくらももこの、さるのこしかけ、面白かったよねぇ。 -
タイトルがいい!本のタイトルで笑ったのは「家族八景」以来。装丁まで焼酎「百年の孤独」に準(なぞら)えているところなんざぁ手が込んでいる。
岡野宏文&豊崎由美の書評対談なんだから、内容も面白くないわけがない。この百年のベストセラーをメッタ斬りするという企画がなんともス・テ・キ。
毒づく口調は読者サービス。ちゃんと構成を掴み、登場人物の視点で読みながら、しかも「人物の書き方が書き割り風」と醒めた眼を並行して持っている。プロの書評家とはこういう目を持っていなければならないのだと、自分の鑑賞眼を反省すること頻り。
描写に対する鋭い指摘満載で、文章修行者は必携であろう。赤線引いて何度も読み返すべし。
下段に並ぶ『註』が絶妙におかしく楽しく、タメになる。 -
【由来】
・千夜千冊
【期待したもの】
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【要約】
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【ノート】
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読んでみたい本が増えたなー。
書かれている本ほとんど読んでなかった。 -
「ダ・ヴィンチ」2002年~2004年連載、日本のベストセラーこの100年を対談