大人も眠れないほど恐ろしい初版『グリム童話』: メルヘンの奥にある血と残虐、秘められた性愛の香り (王様文庫)
- 三笠書房 (2012年7月2日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784837966487
作品紹介・あらすじ
一歩踏み入れたら、二度と戻れない『グリム童話』の闇へようこそ-。実母に心臓を食われそうになった白雪姫の復讐(白雪姫)、男たちの異常な欲望(強盗のおむこさん)、なぜ姉姫たちは永久に地下を彷徨うことになったのか(踊ってすり切れたダンス靴)、実の妹との"罪深い愛"に狂った末に(十二人兄弟)ほか全10話。
感想・レビュー・書評
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当時の時代背景のせいか、過激な話が多い。
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結構...いや、かなり過激な文章で知ってる物語からはかけ離れた内容が多かったが人間としての教訓みたいなものを学べる本だと思った。
人間の汚さ、女の汚さがよくわかる。 -
かなり面白いし、解説がついていることでその時代背景だったり、その作品からよみとれる教訓について学べるのが良い。参考文献にグリム童話の初版に訳が載っていたから機会があれば読んでみたいと思う。本屋では、この本しか見つけられなかったが、この本が実は第2作であり、第1作も存在することを知った
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もともと聞いたことあるのはいばら姫と白雪姫ぐらいの10話。メルヘンの奥にある血と残虐、秘められた性愛の香りというサブタイトルのとおり。大人への教訓も含まれている。グリム童話の成立が気になるんだけど、そこはあんまり触れてない。
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グリム童話は知っていそうで、知らない話も半分ほどあり、懐かしい感じもありつつ楽しみながら読めた。いくつも続けて読むと、老婆や糸車など、話のパターンもある程度は分かってきた。象徴するものに置き換えると別の話が読み取れて、面白いと感じた。
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「死」に対する考え方は、中世期と現代では大きく異なるのだろう。死が日常にある時代と、死を現実のものとしない、いや、その存在自体を認めない現代社会に生きる私達とは違った生死観があって当然なのであろう。中世に書かれた本では多かれ少なかれ死や性など、人間の奥深くに存在する衝動というか、欲求というものがストレートに出てくる。子供向けの寓話として捉えられているグリム童話においても、実は現代とは大きく異なる社会倫理・価値観を基にして書かれている。
ただ、キリスト教における聖餐の儀をカニバリズムに結びつけている考え方には抵抗があるし、論理的説明にも欠けている様に思うのだが… -
怖いけどおもしろい!
いろんな話が読めてよかったです。 -
読書日:2013年5月25日-26日
全体的に桐生氏の作品程身の毛がよだちませんでした。
中には知らない童話もあったので楽しくも怖いと感じつつ読みましたが。
「強盗のおむこさん」では皇太后の指が姫の膝にのっかったsceneが怖かったです。
「神様の召し上がりもの」では悩みながらも最終的には非情になった姉を見て、妹が哀れでした。
「三人軍医」も心臓と目玉と手首を切り離すという行為に読んでいる私も気分が悪くなりました。
最後の「ホレおばさん」では心優しい姉が奇型になった事がやるせなかったです。