眠れないほどおもしろい吾妻鏡: 北条氏が脚色した鎌倉幕府の「公式レポート」 (王様文庫 D 59-8)
- 三笠書房 (2021年11月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784837969860
作品紹介・あらすじ
「鎌倉殿」と呼ばれ、武士の世をつくりあげた源頼朝。
その鎌倉幕府の「公式レポート」、
『吾妻鏡』の世界へようこそ!
源頼朝、北条義時、後鳥羽院、北条政子…
鎌倉時代を彩るオールスターが勢ぞろい!
【著者より】
なぜ、源氏将軍はたった三代で断絶したのか?
政治の実権を握った北条氏とは何者なのか?
鎌倉幕府の歴史を記録した
『吾妻鏡』をひもといていきましょう。
……板野博行
「武家の世」は、こうしてつくられ、もみくちゃに
・源頼朝は「後顧の憂い」を徹底的に絶ったはずだったのに…
・北条氏の「家柄ロンダリング」とは
・尼将軍・北条政子は「女スパイ」だったのか
・北条義時は将軍家を滅ぼした「逆臣」なのか
・「御恩は山より高く、海より深い」――世紀の大演説
・最強上皇・後鳥羽院はなぜ「承久の乱」に負けたか
・鎌倉殿の十三人――「最後に笑った」のは?
感想・レビュー・書評
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さまざまな謀略、裏切り。己の脅威になりかねないものは徹底的に排除する。それまでの深い関わりや、血のつながりがあろうと容赦しない。
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。上総広常が殺され、菅田将暉義経が滅ぼされた。(「弁慶、世話になった」というセリフの菅田将暉の表情が、しばらくずっと頭に残っていた)今後、頼朝の死、その後の13人の合議制。頼家や実朝のこと、『御成敗式目』など、歴史の教科書に書かれていたことでの知識くらいしかないので、もっと調べてみたいと思った。
『「北条家の野望」に迫る いかにして東国の田舎武士」は執権にのし上がったか』などどいう章ごとのタイトル。その中も『満々たる野心 北条時政の「危うい賭け」』『北条氏の栄光に隠された「悲劇の一族」』などのタイトルでわけられており、興味を引くしわかりやすい。
「源氏将軍三代に対しては厳しく、北条氏には甘い」というのが『吾妻鏡』のどの部分なのか、まとめられていく経緯としてわかっていることはどんなことか、もっと詳しく知りたいと思った。また、よく知られている部分が原文でどう表現されているかも知りたくなる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の予習復習に余念のない人にぴったり(笑)。
特にこのタイミングで読むと、これまでの状況の整理と、これからの展開の予想に一役買うこと間違いなし。
三谷脚本と同じところ、(あえて)違っているところなど、確認するのもまた楽しい。
『吾妻鏡』って、名前は知っているけど、どんな内容なのか、一度は読んでみたいなぁという希望にこたえてくれます。
薄めの文庫本なので、ボリューム感も負担がなく、予備校講師だった著者の文章も読みやすいです。 -
鎌倉殿の13人も佳境を迎えています。
作者が慈円の目線で、「吾妻鏡」の、世界観や読みどころ、登場人物を解説した本。
「吾妻鏡」は徳川家康の愛読書だったようです。
日本史大好きな私は毎年、大河ドラマをたのしみにしています。特に題材が戦国時代だと心が踊ります。ただ鎌倉時代は地味な感じがしてました。
が、ドラマの、登場人物達のどろどろ感に、引き込まれてます。北条義時、三浦義村のしたたかさにはらはらドキドキです。
この本で、今までの復習もできました。
乱世を必死で生き抜いたことを実感しました。
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鎌倉幕府の設立を北条氏の目から書いた書物、吾妻鏡をわかりやすくて説明している。どの時代も自分達の都合よく解釈し後世に残そうとする。それを真実はこうなのかもしれないと考えるのが面白い。
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■ Before(本の選定理由)
大河ドラマで話題の「鎌倉殿の13人」。ドラマは全く観ていないけれど、何が13人なのか、どんな史実を描いているのか気になる。
■ 気づき
平家討伐を目指し無念の死を遂げた頼政(源氏蛍の名の由来)、権力基盤のため近い親等数十人を手にかけた、非情の将軍頼朝などタレント揃い。
というか1番面白かったのは、八重姫〜北条政子辺りの、流人でありながら子を産ませたり乗換えたりする頼朝のプレイボーイぶり。ヤバい奴だと感じた。
■ Todo
吾妻鏡とて、かなり北条家に肩入れしている内容らしい。別の面から見た考察書も読んでみたい。 -
『鎌倉殿の13人』を観ている方は必読。これを読んで予習&復習しましょう。
さらに登場人物と役者さんをリンクさせると更に理解できます。
北條義時の名が出てきた瞬間、『まっきーのっ』が流れました。本当にありがとうございます。
鎌倉幕府は陰謀の中の陰謀で、まあ酷いのなんの。大河ドラマとしてやっていけるのかと危惧しておりましたが、さすがの三谷幸喜様、無茶苦茶面白いじゃないですかー!おっとこれは大河ドラマの感想でした。失礼いたしました。
鎌倉幕府の公式レポートと呼ばれる吾妻鏡を、愚管抄を著した慈円が面白おかしく解説するという内容で、非常にテンポ良く読み通せます。というより直ぐ読み終わります。
北条氏マンセーの吾妻鏡ですので、そこは慈円さんが『この話は嘘やで、ホンマはこうなんやで』という解説も面白い。
こうして積極的に日本史を復習し、大河ドラマを深めていくのもまた一興。
とは言え、この令和になっても元首相が暗殺されるというこの闇。
鎌倉幕府とまでは言えないまでも、いろんな権謀術数が蠢いているのかと・・・
安部元総理が残念でなりません・・・ご冥福をお祈りいたします。 -
わかりやすい
著者が慈円になりきって説明してくれ、非常に内容が入ってきやすかった。吾妻鏡だけでなく、所々愚管抄などの他の歴史書の説も載せてくれているので、自分の視野が広がった。
本書で新しく学ぶことももちろんあったが、どちらかというと流れをおさらいする、捉え直す感じ。
梶原景時や和田義盛などについてはあまり知らなかったので、ためになった。 -
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を見るにあたり、登場人物の理解と整理のために読んだ。
愚管抄の天台座主慈円の目線で解説される吾妻鏡になっていて、楽しく面白く読める。
『織田がつき、羽柴がこねし天下餅、座りしままに食うは徳川』を鎌倉幕府をに『平家がつき、源氏がこねし天下餅、座りしままに食うは北条』と言い換えてわかりやすく解説。
子供の頃に見た草燃えるや忘れかけた乏しい知識を呼び起こしながら鎌倉幕府をおさらい。
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2023/2/24読了。
ザックリと現代のノリで吾妻鏡の内容を書いてくれているんだと思う。とてもわかりやすい。
教科書で習うようなことばかり書いてあるなぁと思ったが、当然逆で、この吾妻鏡の内容が教科書に載るレベルの確かな情報として扱われているんだなと感心した。
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大河ドラマがあまりに面白かったので、復習。
楽しく読むことができたんですが、これも大河をしっかり見たからなような気がします。
推しは大江広元と安達氏ですね。