本多静六 成功するために必要なシンプルな話をしよう (知的生きかた文庫)
- 三笠書房 (2010年9月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784837978923
感想・レビュー・書評
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名著「体験85年」の内容をよりシンプルにしたもので、竹内均氏の解説もまとまっていてよい。
著者は、日比谷公園の設計でも有名ですが、高潔な人柄から渋沢栄一や後藤新平、大隈重信など重鎮との親交もあったようです。残念ながら、彼の業績で日比谷公園くらいしか思い浮かばないのは、本来彼の業績や受けるべき名誉をことごとく人に譲ったからに他なりません。それくらい、名誉や名声に対して恬淡としていました。
当初は落ちこぼれ学生だった氏は、一心不乱に勉強してどんどん頭角をあらわしますが、中でもドイツ留学時の話は圧巻です。
また、本書のエッセンスの1つに、「職業を道楽化する」があります。これは勉強も仕事も受け身ではなく自主的に楽しめるまで努力せよということですが、自分で適当な妥協を許さない氏の生き様が凝縮されています。
さらに、印象に残ったポイントとして、能力のないものがやっとの思いで大学に進み、バイトに明け暮れ、莫大な時間と学費を浪費してまで大卒にこだわる必要性に疑問を投げかけている点です。(P77)
彼は、適材適所、勉学に適した者と、違う分野で実力を発揮できる者は職業教育の方へと早いうちに分けるべきというのは慧眼です。最近では、単なる人気取りの政治家たちがこぞって、教育の機会均等などと大学の無償化を叫んでいますが、大学さえ出ればなんとかなるというのは幻想だと気づいていません。いや、薄々わかってはいるのでしょうが、議員としての存在意義がそこにしかないアンポンタン議員は貴重な税金を浪費することを恥じません。もちろん、勉強したいのに貧乏でいけない優秀な学生は授業料の全額免除で勉強できる環境を与えるべきで、要は適材適所でメリハリをつけるべきなのです。学校など出てなかったり貧乏でも偉くなった人はたくさんいる(ベンジャミン・フランクリン、トーマス・エジソン、フォード、カーネギー、ロイド・ジョージ、高橋是清など)わけで、やる気がある人には学ぶ機会を与えるのがベストで、無駄で無意味な平等は百害あって一利なしです。
本書は読みやすいので、中学生くらいの必読書に指定してほしいくらいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1952年に亡くなった人だとは思えないほど、考え方が新しい。
特に驚いたのが、手帳をルーズリーフにして、修養、残用、カレンダー、当用( いわゆるTo Doリスト)、日記、資料、会計の七項目に分けるというもの。現代のシステム手帳の原型ですよね!
そしてお客様のもてなしは普段食べているものを出すようにというアドバイス。来客が負担にならなくて良いとのことですが、これも有用なアイデアだと思います。
仕事にも家庭生活にも役立つ智恵が詰まった本です。 -
『人生計画の立て方』を読んで、すっかり本多静六のファンになってしまった。
本書はもっと本多の本を読んでみたいと思い、購入した。
前書ほどの衝撃はなかったが、珠玉の言葉が並んでいる。
本多氏の言葉は、経験に裏打ちされているため、説得力を持つ。また、論理的であるため、納得がいく。
解説は2004年に亡くなった竹内均氏が書いている。
本多は同郷の渋沢栄一にも可愛がられ、また同じ時期に留学していた後藤新平からも頼りにされていた。
なんと、後藤新平の大風呂敷と言われた復興計画は、本多静六のプランだった。
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これを読んですっかり本多静六さんのファンになりました!!
他のも色々と読んでみたくなりました。
あと10回読んで図書館に寄贈します(笑) -
銀行に預けると約6%の利子がついた時代の話なので
その部分は残念ながら適用できないが、それ以外は
非常にためになるし、人生と仕事を楽しんでいることが
非常によくわかる。
また、お金を4分割した後、その使い道の1つは
現在の寄付にあたることに使うと言っていた。
当時のエリート層にある、「ノブレス・オブリュージュ」
思想とそれが実践された姿を垣間見れる。
翻って、現在の年金生活者は、老後大病した時のためと言って
かなりの蓄財を消費せずに経済の血流を止めている。
理解はできるが、本当にやるせない気持ちなる。 -
本多静六の生き方が、半生記として綴られている。
人としてこうありたいと望む。 -
本多静六式幸福思考行動法。
幸福にとは何か。そして、その幸せを得るためには、私のようにこう行動するのはどうだろうかと語る本多静六式幸福論。
著者の人生邂逅とともに、そっと記載される各偉人の名言のチョイスも適切で良い。
再読のうえまとめてみたい。 -
受け入れ難い内容もありました。どうなんでしょうね。受け入れられることはどこかで思っていることだったりするので、この本から何か得られたかというと少ない気がします。自分へ取り込み実践するぞ!ということが少ないのは、単に私が未熟なだけかもしれません。
このたぐいの本を読むことは殆ど無いのですが、自分には合わないのかな。 -
同著者の「体験85年」に書いてあることの焼き増し。タイトルや小見出しと本文の内容があまり一致しておらず、自伝を無理やりビジネス書っぽくした感が否めない。「体験85年」を読んだほうが良い。