旅の王様

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  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838711116

感想・レビュー・書評

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  • 2019/10/20購入
    2021/9/21読了

  • 旅を愛する著者が、みずからの旅の体験を振り返りつつ、ひとにとって旅をすることは何を意味するのかというテーマについて自由に語っているエッセイです。

    ときに、かつて多くの日本人が押し寄せたといわれる「買春ツアー」の問題や、「観光」のもつオリエンタリズムの問題などにも踏み込んでいきますが、重いテーマも軽い話題も織り交ぜながら展開される著者の議論を追っていくうちに、旅することに惹かれずにはおかない著者自身の何重にも折れ重なっていると思われる著者の気分がこちらへと染み渡ってくるように感じられます。

  • 「旅」に関する哲学カフェをファシリテートするにあたって、お勉強のため、「旅」関係について、読み始める。

    で、その1冊目にあたったのが、この本なんだけど、大正解。「旅」について、本当にいろいろな面から、アプローチしている。実に、頭が整理されて、「旅」を議論するときのフレームはしっかりできた。

    というわけで、個人的には、とっても便利な本であった。

    このような特殊なニーズを持たない人も、個人的なエピソードといろいろな本の紹介のバランスがすごく良いので、楽しく読めると思う。

  • 題名と内容があまりに一致していない(少なくとも、著者は「旅の王様」ではない)けれども、世界のいろんな地を旅した話は、どれもひどく興味をそそられる。

  • これはいい本を読んだ。外国に行き、そこで生活をすることで自国(日本)がまた違った見え方をしてくる。逆もまた然りで、一つの国でも実際に訪れ、肌で感じ生活をすると、新聞やニュース、テレビ番組で報道されるものとは全く違うのだということがわかるのだろう。これは他の旅行記本でも同じようなことが感じられて面白かった。

    地球はちっぽけだが世界は広くて、そこには日本以外にも多くの国があり様々な人が暮らしている。それは当たり前のことだけど、実は普段はあまり気にしていないことのようにも思える。こういう本を読むと、それは映画やドラマではなく、確かにそこに暮らし生きている人がいるのだと気付かされる。

    冒頭の筆者ジャワの田舎で子供たちと言葉を交わした短いエピソードには思いがけず目が潤んでしまった。本書にも似たようなことが書かれていたが、幸せというのは何気ない日常の細々としたワンシーンにこそあるのだと思う。

    色々考えるし、内容も楽しい一冊だった

  • いわゆる紀行ではなく、旅に出ると誰もが感じるハプニング、嫌悪感など、かゆいところに手が届くように共感できます。特にひとり旅、個人旅行派にはお勧めです。

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著者プロフィール

四方田 犬彦(よもた・いぬひこ):1953年生れ。批評家・エッセイスト・詩人。著作に『見ることの塩』(河出文庫)、翻訳に『パゾリーニ詩集』(みすず書房)がある。

「2024年 『パレスチナ詩集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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