書店員の恋

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  • マガジンハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838719204

作品紹介・あらすじ

どんな本も、その一冊を必要とする人がいる。誰にでも、その人を必要とする人がいる。恋愛のカリスマ指南役、梅田みかが描く感動の書き下ろし小説。

感想・レビュー・書評

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  • 思わず見入ってしまうような、雰囲気ある古書が並ぶ表紙と
    『書店員の恋』というタイトルに惹かれて衝動買いしてしまった本。

    目次の後ろの頁にある「登場人物紹介」の相関図に
    それぞれのキャラクターの愛読書が添えられているのが嬉しくて

    「ヒロイン翔子は『博士の愛した数式』か~、好きになれそう♪
     あ、この東野圭吾の『秘密』が好きな同僚も、きっといい人だ!」
    と、一人で勝手に盛り上がりすぎてしまったからか、
    期待ほど本との関わりが描かれなくて、ちょっと残念な気分に。。。

    好きな本ばかりではなく、時代に沿った本でフェア台を作らねばならないジレンマや
    ケータイ小説を新しいコミュニケーション手段として受け止めようとする翔子の姿勢には
    うんうん、と共感できるところもあったのだけれど

    翔子の心を揺らす相手として登場するケータイ小説家(本業は歯科医)の青木譲二が、
    登場シーンでは気取りのない自然な雰囲気だったのに
    クルーザーの上でのキスとか、お洒落なレストランのプライベートルームでのディナーとか
    あまりにバブル華やかなりし頃のようなアプローチをするんだもの。。。

    もともとお金持ちな上に巨額の印税が入ってくる人なのに
    デートに誘うのは神田の古書店巡り、とかだったら素敵だったのになぁ、なんて
    勝手に妄想してごめんなさい!という気持ちがこみ上げる物語でした。

  • ケータイ小説で億単位の収入が得られますかね?
    あるかなそんなこと。ないような気がする。
    とまれ、3年付き合った恋人は、夢と愛はあるが金がない。新しい恋人候補は、愛と金があるが一緒に過ごした時間がほとんどない。揺れる女心。
    ・・・・という話なんだが、なんで揺れる必要があるんだろうと思います。
    新しい恋人に愛がないなら問題だけど、また会いたいと互いに思う気持ちがあるんです。だったら、いいじゃん? それに決めなよと思います。
    押しつけがましくなく「一度だけ、間違えてみてもいいと思うなら空港に来てくれ。待っている」みたいなこと言われたら、そりゃ間違えてみればいいじゃないの。

    主人公は愛とお金の間で揺れているんじゃない。実は、ふたつの愛の間で迷っていたのです。贅沢なことに、ふたつの愛の質を比べているんです。

  • 本屋が舞台の本が読みたい、と昔に談話室から探した時にこちらの本が紹介されており、その時は結局手に取らなかったのですが、ふと図書館で見つけてなんだか気になってしまって。

    ふわふわした可愛い感じをイメージしていたのですが、お金のこととか結婚、昇格、将来について、はたまた愛とはなにか?
    という、以外にも厳しい現実を描いていて驚きました。
    後1年したら就職活動が始まるので、そういったことはひしひしと感じられ、今読んで良かったなぁと思いました。
    高校の頃は、ただ好きか嫌いかの純粋な気持ちだけで付き合っていられて、将来や結婚、お金のことで相手と別れを考えたり悩んだりすることなんかないですもんね。
    きっと高校の頃に読んでいても、よく分からないまま終わってしまっていたと思います。

    幸せはお金がどれだけあるかではなく、本当の愛があってこそなのではないか、という主人公翔子の考えは確かに理想論ではありますが、私もそう信じたいです。
    最後の翔子も大輔を選んだのだから、やっぱりその考えを貫いたのかな、と思いました。

    歯医者をしつつ、ケータイ小説家の青木譲二さんが不思議な人ですが魅力的でした。
    優しくて少し鈍感な大輔も、大人の魅力たっぷりな秋元さんも、とても素敵ですが。

    それにしても懐かしいケータイ小説!
    私がちょうど中学生くらいの時に「恋空」が大ヒットして、私も魔法のiランドとか野イチゴ……だったかな?とかのサイトで大量に読んでました。
    高校で小説をよく読む子と友達になった時に、やっぱり翔子や秋元さん、頼りなる瑞穂姉みたいにケータイ小説を否定していましたが、私はわりと好きだったなぁ。
    本も何冊か買っていましたし。また読みたくなってきました。

    決して夢物語のようにきらきらしていなくて、登場人物たちは皆狡い所や弱いところもあるのですが、それでも皆頑張っていて、それを作者が暖かく見守っているような優しさを感じました。
    いい本に出会ったと思います。

  • 2014.9.2 読了

    ずっと気になってた本。

    読んではみたけど。。。
    別に 書店員でないといけなかったのかな?
    とは思ったけど、
    恋愛模様 それなりに楽しく
    読めました。

    最後は そうきたか!と思いました。

  • ん?なんだかよくわからない、というのが第一の感想。多分自分の好みではないからだと思うが、文章や登場人物の感情が頭に入ってこない。
    書店員の恋というタイトルだが、期待していたのとは違った。うまく言えないが、ただ単に2人の男性の間で揺れている主人公の女性が書店員だったというだけ、のような…。大輔と譲二の人となりや魅力があまり伝わらないので共感できなかったのかも。

  • 書店員の恋の話。本屋でバイトしているので、お店側の話はとても勉強になります。

  • もっと書店での裏話などを期待してたんだけど、書店員翔子の恋ーシェフになるのを夢見る恋人大輔と、仕事で知り合ったケータイ小説作家譲二の間で揺れ動く恋の話ーがメインで、思っていたような話ではなかった。恋の話も軽い感じで、若い子には面白いのかもしれないけど、どちらにしても私には物足りなかった。残念。

  • ちょっと前のだからか、少し古い感じがする。
    純文学の平成版というか。

  • 書店員の翔子の、シェフ志望の彼がいながら携帯小説家の年上男性の一方的なアプローチに流される様子に寄り添えず、未練や暗さを見せず去る彼氏を眩しく感じていたら遠距離恋愛突入の長文の手紙で脱力した。何だか都合が良い。二人から離れたことで落ち着きを取り戻したような翔子が何とも言えない。仕事、友達模様はすき。

  • 元書店員としては、タイトルに釣られて借りた本(^_^ )ただの恋愛モノかと思ったら、ちゃんと書店員の仕事にも触れていて、リアル加減はさすが「ハケンの女」の脚本家だなあと。昔と今では書店のあり方が違う、と書いてあったけれど、ホントにその通りだと思う。実際、田野倉も書店勤めを辞めてから、書店に行くこと自体が減り、都会に出た時に大型書店へ行くかネット書店を利用するようになった。地方の書店は、生き残りに必死だろうなあと思う。

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著者プロフィール

梅田みか(うめだみか)
作家・脚本家。東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。小説、エッセイのほか、人気テレビドラマの脚本を多く手掛けている。幼少期より橘バレヱ学校にてクラシックバレエを習う。小説『海と真珠』(ハルキ文庫)はその経験が生かされた本格的バレエ小説。バレエのほか、フィギュアスケートにも造詣が深い。

「2023年 『エトワール!(12) 恋するシルフィード』 で使われていた紹介文から引用しています。」

梅田みかの作品

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