漫画で知る「戦争と日本」ー敗走記篇ー

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784838732142

作品紹介・あらすじ

日本が起こした戦争のこと、知ってますか? 

子どもから大人まで。
戦争について100分学習。

1945年8月15日に終結したアジア・太平洋戦争での日本人戦没者は、
310万人[軍人・軍属230万人(日中戦争を含む)、民間人80万人]。

軍人・軍属戦没者230万人のうち、約60%が広義の餓死・戦病死と推定されるという(日露戦争の戦病死者の割合は26.3%)。近代の戦争では軍事医療の進歩によって、時代が進むにしたがって戦病死者数が減少するのが一般的なはずなのに…。
ではなぜ日本軍は戦地で大量の戦病死者(餓死者)をだしたのか? 

行き過ぎた精神主義、古兵の許されざる私的制裁、深刻な食糧難、マラリアの蔓延、医薬品不足、栄養失調、神経衰弱、戦争神経症…
従軍経験者・水木しげるが描き遺した日本軍の姿と戦場のリアル。

「水木が作品の中で描きたかったのは、兵士たちの「死にざま」の無残さであり、その死を生み出した陸海軍の独特の体質だった。」
解説:吉田裕(一橋大学名誉教授 日本近現代史研究)

水木しげるが最下層の兵士として従軍し、爆撃を受けて左手を失ったニューブリテン島(ビスマルク諸島)を舞台にした戦記漫画を中心に7作品を収録。
さらにアジア・太平洋戦争が始まるまでの歴史的背景から日本の敗戦までを解説したテキストと、戦地がひと目でわかる地図を併録。

日本の戦争についてこの一冊でざっくり学べます。

全世代が読めるよう基本総ルビ表記。素晴らしい画を堪能するための大きな判型。保存に適した良質な紙を使用しました。

[漫画作品]
・敗走記
・セントジョージ岬 ー総員玉砕せよー
・幽霊艦長
・ダンピール海峡
・レーモン河畔
・地獄と天国 前編
・地獄と天国 後編
・戦争と日本

[解説]吉田裕(一橋大学名誉教授)
・水木しげるの戦争
・連合軍の反撃始まる
・日本軍の敗北、相次ぐ
・日本軍の敗戦
・中国に対する戦争とアジア・太平洋戦争の連続性

感想・レビュー・書評

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  • わが子(6歳)の戦争教育として購入。短編集。
    (※ 暴力、病気、怪我、死、慰安婦、などの表現が出てきます。お子さんがまだ小さいなら親が読んでからの判断をおすすめします。)

    子供が気に入ったのは、水木さんが登場するお話。彼のキャラクターが可愛いようだ。

    全体的に過度な演出は無く読みやすい。そしてそれが何とも生々しい。痛々しい表現も多少あるが水木さんの絵の雰囲気が刺激を抑えている。

  • 必読

  • 2023/07/13

  • 戦争を美化する事なく、子供達にも提供する事は、大切だと思う。描く作者と、掲載する出版社に感謝。それを再び世に出してくれたから、接する事が出来ました。

  • 水木さんは実際に一兵卒として南方戦線で戦っていた。その体験に基づいた戦記漫画は大変参考になる。
    もう既に主戦場が沖縄に移っているのに、南方戦線に取り残された敗残部隊が無駄に玉砕したり、当時の日本軍の精神構造の一端が伺える。
    特に良かったのは負傷兵となり療養中の水木さんが、現地人部落に足繁く通い仲良くなり、食料などをもらい親切にされる話。戦後もずっと交流は続いた。人柄なんだろう。

  • いろいろ考えさせることの多い良い作品でした。
    今の時代では、いろいろ問題となる内容や表現もありますが、それは読み手の方で調べたり、考えたりして処理すべきことかと思います。残してくださった作品を私たちは大切に扱い、これからに活かしていければと思います。

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著者プロフィール

1922年(大正11年)生まれ、鳥取県境港市で育つ。太平洋戦争時、ラバウル戦線で左腕を失う。復員後、紙芝居画家を経て貸本漫画を描き始め、1957年『ロケットマン』でデビュー。以後、戦記もの、妖怪ものなど数多くの作品を発表。1965年『テレビくん』で第6回講談社児童漫画賞を受賞。1989年『昭和史』で第13回講談社漫画賞を受賞。1991年紫綬褒章受章、2003年旭日小綬章受章。主な作品に『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』『悪魔くん』『総員玉砕せよ!』『のんのんばあとオレ』など。2015年11月死去。

「2022年 『水木しげるの大人の塗り絵 あの世紀行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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