- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784839934347
作品紹介・あらすじ
平成20年10月に発売し、好評を博した書籍版『イメージと読みの将棋観』の続編が、ついに登場。月刊『将棋世界』に連載された中から、プロの最新型はもちろん、6棋士の意見が分かれたもの、アマチュアになじみのある戦型、大山康晴十五世名人や升田幸三実力制第四代名人の名局、江戸時代や明治時代の名局などテーマを厳選した。また、書籍化にあたって追加取材した新題を大幅に加えたボリューム満点の内容である。古今のトップ棋士たちの読み比べに、あなたも挑戦してみよう。
感想・レビュー・書評
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【感想】
テーマそれぞれの興味深さが、シリーズ中でもダントツ。盤上盤外についての普遍的テーマというか主要ネタを、この本に集約しすぎたのではないかと疑るほどに。
わたくし的には神ってる本。控えめに言うと良い本。六年くらい読んでも未だ飽きない。……ただしこれは、私が羽生フリークかつ四間飛車党かつ康光ファンだから贔屓してしまう面が大きいのかも。
【抜き書き】
・「幕間 将棋観その3 序盤力or終盤力」より。cognitive psychology的にinterestingな発言ではないだろうか。
藤井猛九段 曰く、
“〔……〕あと、将棋の読みは言葉です。手を読むのは頭の中で駒がUFOみたいに飛ぶわけじゃなくて、言葉で考えているんですよ。だから言葉が重要になる。僕の場合は読書をしたあとは手がよく読める。将棋と読書は脳を使う場所が似ているんでしょう。
読書に限らず、集中できるものなら何でもいいのかもしれないけど、僕は対局前に本を読むことが多い。それも面白い本を読むことが大切なんです。退屈な本を読むとひどい。将棋の本を読むのは対局前日には向かないかなぁ。
もちろん、詰将棋はやったほうがいいんでしょうけど、いろんな詰将棋があるから、たくさん解いても必ず調子が上がるとは限らない。
いずれにしても、将棋は集中力が大事ですからね。手を読んでいて楽しい状態になるのが大切なんです。それを慣らすためにも読書がいい。”詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ2冊目で、特に変わりなく前作と同じ。トップ棋士のそれぞれの将棋観を横断的に読めるのがなによりの醍醐味。幕間のコラムも興味深かった。
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10/05/31読了 前作に引き続き。「今の自分は棋士人生の中で最弱なんです。これから強くなります。」
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読みの深さとかたちへの微細な感覚、それぞれの棋士の特徴が現われてるのが興味深い。あと序盤力か終盤力か、という質問とか。江戸の将棋が凄い。現代棋士が全然読み切れない手で不利な局面を打開する秘術。解答手順を知り、ではそれならと更に奥へ奥へと読みを入れてゆく羽生さんがさすが。棋理学の探求