将棋連盟選書 千駄ヶ谷市場

著者 :
  • 毎日コミュニケーションズ
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784839939731

感想・レビュー・書評

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  • 1

  • 20150801読了。

  • 先崎学は現役の将棋指し。
    千駄ヶ谷には日本将棋連盟の本部があり、プロ棋士の対戦の多くはそこで指される。
    この本は、そこで行われる対戦をめぐっての先崎学の観戦記、感想記。
    先崎学の文章は定評がある。棋譜が沢山出てくるので、将棋を知らない人には厳しいとは思うが、将棋を知っている人にとっては、観戦記というよりも、読み物として面白いものだと思う。

    それはさておき、昨日(3月10日)、バンコクから台北に日帰り出張をした。短い会議のための出張だったので、少し時間が余ったので、台北のそごうに入っているティンタイフォンで食事をしてから、同じくそごうに入っているジュンク堂(台湾なので、淳久堂-だったと思う-となっていたけれども)に寄り、その際に何冊かの本とともにこの本も買った。
    住んでいるバンコク以外に出張で出かけることがあるのは、シンガポールと台北が多い。バンコクの伊勢丹とシンガポールの高島屋には紀伊国屋書店が入っていて、台北のそごうには、このジュンク堂が入っている。
    書店ばかりではない。ユニクロは3都市ともに見かけるし、バンコクで言えば、例えば吉野家、大戸屋、モスバーガー、CoCo壱番屋、などの日本の外食店、あるいは、ジャスコやファミリーマート、マックスバリューといったスーパーやコンビニも多く見かける。
    書店も日本語の本ばかりを置いているわけではなく、現地語(タイ語・中国語)や英語の書籍も充実している。ユニクロや外食店やコンビニも別に日本人をターゲットにしているわけではなく、現地の人たちがターゲットだ。
    これらの業界は、日本での競争が激しく、また、日本の市場は伸びが小さい(というか、ほとんど伸びがない)ので、会社の成長のために、アジアの市場に進出を始めているわけだ。お店に行っても、従業員の中に日本人を見ることはほとんどない。現地の従業員を使いながら、日本のお店に近い(まぁ、従業員の気の効き方みたいなものには、差は歴然とはあるけれども。ただ、味は同じ)サービスを行っている。
    バンコクから日本に帰ると、そこそこおいしくて安いこういったファストフードのお店があってうらやましいな、と思ったりしていたけれども、バンコクでも徐々にそういったお店が増えてきている。日本と同程度のサービスを提供するのは難しいのではないだろうか、と思っていたけれども、それもけっこう克服できているような気がする。それは、日本に外国のファストフード、例えばケンタッキーやマクドナルドやスターバックス等が入ってくるのと同じことであり、ビジネス的には非常に大きなチャンスである。
    日本の新聞で「ガラパゴス化」という言葉を時々見かけるけれども、まぁ、実態はチャンスをチャンスとして捉えてモノにしようとしている人たちも、多いということだ。

  • さすがの先崎節。声高に主張を叫ぶわけでもないが、
    将棋指しという世にも稀有な存在を主観的にも客観的にも
    紹介できている。

    今をときめく渡辺竜王。羽生のことを「神」と呼ぶ若手棋士に対して
    「そんなことをいっていちゃ、将来指す時に勝てっこないよ」。
    実力があるからこそ言えるセリフではあるが、心構えは
    まさにそうあるべき。この心持があるからこそ羽生の後継者足りうる。

    棋士の個性をいかんなく紹介するエッセイである。
    将棋をある程度分かっていたほうが読みやすいが、
    そうでなくても感覚は分かる良書。

  • 棋士・先崎学と言えばお笑い系棋士生活のエッセイだが、これは「順位戦泣き笑い記」以来の棋譜入り将棋観戦記。とは言っても自分の将棋ではなく他の棋士の対局を見てのもの。真面目に勝負所を解説しているのだが、ところどころにサービス精神が出てくるところが先崎節というところか。本当は先崎節満開のエッセイが待っているのだが。

    尚、説明されている棋譜がなかなか追えずに苦労するので、やはりこういうのこそi-Pad/i-Phoneで読める電子ブック形式が欲しくなる。

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著者プロフィール

先崎 学(せんざき まなぶ)
1970年、青森県生まれの将棋棋士。九段。
エッセイストの側面もあり、多くの雑誌でエッセイ・コラムを持つ。羽海野チカの将棋マンガ『3月のライオン』の監修を務め、単行本にコラムを寄せている。
著書多数。代表作に『フフフの歩』、『先崎学の浮いたり沈んだり』、『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』など。

先崎学の作品

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