- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784839945787
作品紹介・あらすじ
人間関係に悩み、会社も業績不振、いっそ独立でもしようかと…自己啓発セミナー・教材に600万円以上をつぎ込んだ!「マグロ船流仕事術」で成功した著者が語る自己啓発にハマった日々。
感想・レビュー・書評
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本の教えから言うと、「自己啓発」にハマった体験から学んでるわけで、結果的には(遠回りして)自己啓発に役立ってるんじゃないかという気はするものの、キャッチーでよいタイトル。
参加費150万円のカルトじみた自己啓発セミナーから、断食やホストのコミュニケーションセミナー、ネットワークビジネスへの勧誘と、マグロ船乗船時とはまた毛色が違うものの、生々しい体験談を飾り気のない文章で読ませる。学びも多い。
以下メモの一部。
・社会に出た後の「教師」とは、自分に対して困ったことをしてくる人のこと
・誰でもヒーローになれる可能性のある時代というのは、自分に期待する人が増える分、結果として夢がかなわず「自分は不幸」と思う人を大量生産する
・セミナーにハマると周囲のできていない人たちへのストレスが増える
・自己啓発しようというひとが「教わり」に行ってはいけない詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今の自己啓発社会を体験から批判する
「能力を身につけないといけない」「前向きでなければいけない」というある種の強迫観念を植え付けようとする今の社会に逆光するものだと思う
ただ、マグロ漁船の船長の言葉が真実だと思う
「人はその人の能力ができるできないではなく、ちゃんとその人のことを見てくれる人を好きになる」
当たり前だけど、忘れてる人が多いこと
それを思い出させてくれる本だと思う -
帯にある、自己啓発セミナーに600万以上をつぎこんだ!
がほんとなので、どれもこれも非常にリアル。
全てが著者のリアル体験なので、どれも臨場感あり。
インチキも多数あるが、考え方によっては確かに少しは
役に立つセミナーもある。その心構えについてのポイントも
書かれている(要は、受け身ではダメということ)のも素晴らしい。
成功経験を通じて著者が悟ったことが
”「私を有利にしてほしい」とか「私の売り上げをあげてほしい」という
企みを全て捨て、正反対の「私と関わると得をします」という雰囲気を
作り上げなければだめ”は、全く正論。
色々な失敗を通じて、何故著者は成功できたか?
やはり、素直な生き方・行動をしたからだろう。
著者はこう書いている。
「私は人に喜ばれることが一番のやりがいであり、また楽しいと
感じています。ですから『あれがやりたい、これがやりたい』と
自分でやりたいことを決めるより、頼まれたことをしっかりやり遂げ
ありがとう!と言われるような周りに流される生き方の方が
ずっと楽しく、また活躍できると思うのです」
これは、中々見逃せない発言だと思うし巷のビジネス書には
書かれない内容だろう。 -
「セミナーは、いい人が集まるコミュニティです」
「自己啓発をしても、他人はコントロール出来ない」
「よかれ」と思ってアドバイスをしたとしても、ある人にとっては有難い話でも、ある人にとっては苦言 になることがある。
しかも、有難い話と受け取ってくれるコミュニティを知っていると、苦言として取られた場合「説明が分かり難かったかな」と更に回数を重ねてしまい、単なるウザイ人..になってしまうことがある。
そんな失敗を繰返しながら、
「いまの自分自身は、私のこれからの人生において一番若い(未熟)であり、今までの人生において一番年長者(成熟)」を忘れずに
「自己」啓発との適切な距離を取りながら、自分自身の啓発方法を模索していくことが大切。 -
ご自身の経験を赤裸々に書かれていて、最後まで驚きながらも楽しく読める1冊。
「普通、そんなの騙されないし、行かないでしょ?」と思う体験記が多いなか、著者の素直すぎる性格があるゆえに体験できたことだったようにも思う。
いまではその体験を活かし、ご自身が自己啓発系の執筆や研修を行っていることがさらに驚きだが、数々の失敗を繰り返した著者だからこそ伝えられることがあるように感じた。
『「自己啓発」は私を啓発しない』という非常にキャッチーなタイトルながらも、自己啓発を全否定するものではなく、上手な付き合い方を指南してくれている。私自身も、研修やセミナーに参加する機会があるので、心もちを学べてとてもためになった。 -
自己啓発本をよく読んでいた頃の自分が買った積読を、消化。
まず、タイトルが非常にキャッチー。
主な内容は著者のセミナー遍歴だが、よくある「何をしてもダメだった自分が、最終的に〇〇の方法で華々しく成功しました!」といった失敗談の皮を被った自己啓発本とは異なり、セミナーに巻き込まれていく過程が生々しく描写されている(最終的には、著者は出版で成功するが、そこも含めて、いい意味で「泥臭く」描かれている)。
本の中で、「アクセルと同じくらいブレーキが大切」といった話が出てくるが、まさにこの本自体が、セミナーにドップリはまってしまうような人のブレーキになるのではないだろうか。
後ろ向きになった時に読み返したい一冊。 -
申し訳なく思いつつ、かなり笑ってしまった。
一生かかっても体験できないほどのセミナーやマルチビジネス、ブラック上司を疑似体験させてもらった。
結論、自己啓発をしても、
・他人は変えられない
・向上心を持ちすぎると幸せを感じられなくなる場合がある
・だれもがヒーローになれるわけじゃない
・その人の勝ちパターンを自分に当てはめて考える
自己啓発好きなので、上記を心に留めたい。 -
2019年12月読了。
「自己啓発」というかここまでいくと宗教というレベルにも見える事案も紹介しつつ、いかに「自己啓発活動」それ自体は大した啓発をしないかということを経験を交えて紹介している。仕事柄、研修について色々考えることがあるが、「唯一解」みたいなことを言う講師はかなり眉唾、一定のレンジで参加者に考えさえる、それだけの余裕を吸収できる講師でないとあまり長く付き合いたいとは思わない。
63ページ
カルトっぽいセミナーと新興宗教の勧誘手段が非常に酷似しているという話。
1.隔離する
2.これまでの生き方を全否定する
3.救いを授ける
合理的な判断ができない状況に追い込んで、強いショックを与え、「そこから脱するためにはこの方法しかない!」と示す。実に単純な手口。
67ページ
自分を責め過ぎずに、時には「自分がここまでやってダメなのは上司が悪い」と逃げられることだってたまには大切。
72ページ
マグロ漁船のセリフ:「人はの、仕事ができるできないよりも、自分をちゃんと見ててくれる人をすきになるんじゃねーんか?」
まあ人の心を掴むなんてこんなことではないのか。よく観察して任せる。
96ページ
仕事や家庭でも、優しい人が半分、厳しい人が半分いる状態が一番バランスがとれている。 -
【文章】
とても読み易い
【ハマり】
★★★★★
【共感度】
★★★★・
【気付き】
★★★★・
組織の上に立つ人間は、自分が得意でない部分を得意な人に任せて、その成果を認める。
実績をコツコツを積み上げないと、やりがいのある仕事は回ってこない。
謙遜も度が過ぎれば、自己中心的な振る舞いと言えなくもない。人から受け取った評価は、良いものも良くないものも素直に受け取る。
論理的に売れると思ったものは、自分が売りたいものであって、需要があるものでは無い可能性が高い。何に需要があるのかは、実際に人と触れ合って感じ取るしかない。
メディアなどで取り上げられるのは常に一部の人であり、その裏にはその人を支えている多くの人がいる。みんながみんな一部の人を目指すべきではない。
世の中から称賛されるような偉業を成し遂げる事を目標にして邁進する人生は素晴らしい。だけど、目立たないけれど、自分の周りの人を喜ばせる生き方だって素晴らしい。
実績のある講師がやっているセミナーで教えられるやり方は、その講師の勝ちパターンであって、誰でも上手くいくやり方とは限らない。
記憶力の向上を謳う音源教材の購入、体験型のセミナーや異業種交流会への参加など、どちらかと言えばネガティブに語られている体験も、直接的には啓発されなかったのかもしれないが、反面教師的な意味で間接的に啓発されたのでは?と思う。