ニシキタ幸福堂 なりゆき夫婦のときめきサンドウィッチ (マイナビ出版ファン文庫)

著者 :
  • マイナビ出版
3.59
  • (7)
  • (13)
  • (16)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 148
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784839976361

作品紹介・あらすじ

職場の人間関係、彼氏の浮気の発覚――心身ともに疲弊していた晶のところに、ずっと音信不通だった父親の訃報が届く。
精進落としの場で親戚たちが繰り広げる相続の話に我慢できなくなった晶は、父が営んでいたパン屋の従業員である諏訪は自分の婚約者で、これから二人で営業を続けていくと嘘をついてしまう…!? 

兵庫県の西宮にあるサンドウィッチ専門店『幸福堂』を舞台にかりそめ夫婦が紡ぐ心温まる物語

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 西宮に実在する(のであろう)名店のサンドウィッチも幸福堂のサンドウィッチもどれも美味しそうで、読んでいて非常にお腹が空いた。
    そして猛烈にパン屋に行きたくなるという。
    たかがサンドウィッチやんと侮るなかれ。
    シンプルだからこそ、奥深い食べ物なのである。

    離婚して会うことのなかった亡き父が残した幸福堂。
    父が拘った幸せの味、それは離婚してもなお抱き続けた家族への想い。
    この離婚に隠された理由が優しくて、優しすぎて、父の死には間に合わなかったけれど、ちゃんと子に、晶に届いてよかったと本当に思う。
    諏訪さんが思った通りに。

    この諏訪さんも実は多大なる事情持ち。
    ある高校生の悩み解決のために打ち明けた彼の事情は、こちらの予想を大きく上回るものだった。
    それでようやく納得した。
    彼がこの幸福堂に拘る理由。
    物を多く持たない理由。
    表情を忘れてしまった理由。

    でも、そんな彼だから、晶の良いところに誰よりも早く気付き、それを全力で肯定してくれた。
    元彼に付けられた傷すらも、彼は丁寧な解釈をもって癒してくれた。
    それはつい正論を口にして人間関係で苦労してきた晶だからこそ響くやり口だったなと思う。
    晶が彼を優しい人だと最初から言っていたのも分かる。
    晶もまたいい子なんだけども。
    それに気づいた諏訪さんも本当にいい人だ。

    諏訪さんが抱えている事情は解決した訳ではないし、いつかこの幸せが崩れる日が来るかもしれないもの。
    何もかも解決してすっきり終わらない、どこか不安を残したままというのは意外ではあった。
    でも、その不安を感じさせない、まさしく「幸福堂」の名に恥じない温かいラストだった。
    なりゆきで婚約者となった晶と諏訪さんだけども、今の二人ならきっと幸せを掴んでくれると思う。
    お客さんの幸せも、そして自分たちの幸せをも。

  • 関西?JK達もいい味出してると思ったけど、時折出てくる物騒な言葉が自分的にはおかしくて楽しいw
    そしてサンドウィッチスキーパンスキーウマイモノスキーにはたまらんおいしそうなものたち…どうして近所にこのお店がないんだw( ˘ω˘ )

  • 読んでいてどのサンドウィッチも美味しそうで、涎が…。西宮には美味しいサンドウィッチ屋さんがいっぱい!カツサンドやタマゴサンドとか……

  • サンドウィッチレビューが本当に美味しそうで、是非実在する店舗で食べてみたくなる豊かな表現でした。
    起承転結がしっかりしたラブコメです。
    特に、「幸せの味 厚焼き玉子サンド」の終盤、諏訪さんがサンドウィッチをご馳走してくれる所からのお父さんの愛が、諏訪さんの優しさが心に沁みました。

  • 烏丸さんの中で一番好きかも!元カレくんはなかなかのクズっぷりだったけど、意外と晶のことよくわかっててびっくり。諏訪さんはとても優しい。サンドウィッチがほんとどれも美味しそうでつらい。

  • かりそめ夫婦になるきっかけが豪快なんだけど、そこを気にしなければほのぼのカップルがいい感じ。とにかくサンドイッチが美味しそう。逐一言葉に出して晶の良い所を言ってくれる諏訪が凄く良い人だなぁと思う。諏訪の謎な部分が解明されてなくてそこは気になるものの、可愛い二人で楽しく読みました。

  • ほぼ遠い記憶の父親の葬儀にて、あまりの事に
    自営業を継いで結婚する、と発言。

    確かにここまで言われるのはちょっと…ですし
    そこしか考えてないのに、ドン引きです。
    子供達は、案外普通に育っているようで。

    やる事がやる事なので、それはもう美味しそうに
    サンドイッチが出てきます。
    行ってみたい、食べてみたい、のオンパレード。
    そして開店、そしてお客様のお悩み。
    そして忘れていた頃にやってくる、元カレ。
    この人もなかなかでした…。
    お母さんを探してください、という感じです。
    いや、一応会心(?)したようですが。

  • 出てくるサンドウィッチは美味しそうだったけど、店の紹介とか長々と書きすぎてないかい? ほぼ読み飛ばしたけどw

  • 西宮にパンを食べに行きたいです。。と思ってしまいました。それにしても、116ページ、セミハードのパンを食べた晶の感想が無茶苦茶玄人っぽい。そして、もう少しふわっとしたキャラクターなのかなと思ったら、意外と晶も諏訪さんもセミハードな人たちで気持ちよかったです。

  • 飲食店レビュー

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

2013年に別ペンネームにて作家デビュー。女性向けジャンルを中心に執筆。
2019年に烏丸紫明の名でキャラ文芸・ライト文芸ジャンルにて再デビュー。
関西在住の人外好き。
著書は他に「ステラ・アルカへようこそ ~神戸北野 魔法使いの紅茶店~」(二見サラ文庫)や「京都上七軒あやかしシェアハウス」 (マイナビ出版ファン文庫) などがある。

「2020年 『晴明さんちの不憫な大家2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

烏丸紫明の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
辻村 深月
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×