緑の少女 (MF文庫 3-18 最終戦争シリーズ 2)
- KADOKAWA(メディアファクトリー) (2001年7月1日発売)
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感想 : 2件
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- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840103206
感想・レビュー・書評
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昔読んだしまだ旧版の単行本も本棚にはあるのだけど、さすがに文字が潰れて読み辛かったので文庫版を手に入れてみた。
「自我系の暗黒めぐる銀河の魚」は自殺を夢見ることでしか生きられない人間の闇と、それに引き込まれ影響を受けてしまった人の物語。
主人公が唱に毒されたばかりにどんどん闇に飲み込まれていくのは、昔からぞっとしていたが今読み返すと一層その深さに打ちのめされる気分になる。
ふと思ったが、唱のモチーフって太宰だろうか。
自分に自殺嗜好はないが、それでもこの世界を蝕んでいる病はまるでひとごとでもない。
最終戦争シリーズ最大で最強の(多分最長でもある)敵はこうして生まれたという物語としては、底知れぬ恐ろしさがある話だった。
ただその後の「パトロール」は最終戦争シリーズとしてはわかる繋ぎ方ではあるんだけど、自我系~から緑の少女の続きとしてはやや唐突だったかなと毎回読み直す度に思う。
この話だけ今の段階で語る題材としては浮いてしまって、せっかくの緑の少女の読後感を壊している。
思惟は結局どうなったのだろう未来に渡ったのかとか、星野は何を思ってああ何度も小角の前に現れるんだろうなあとか、他の部分も気になりだしたらちょっと止まらなくなりそうだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最終戦争シリーズ
万葉好きになるにいたった一因はきっとこれ。
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