リンダリンダラバーソール: いかすバンドブーム天国 (ダ・ヴィンチブックス)
- メディアファクトリーダ・ヴィンチ編集部 (2002年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840105552
感想・レビュー・書評
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空前のバンドブーム。
一人のロック少年は、大人たちや社会の思惑という荒波に揉まれながら一躍スターへとのし上げられる。
「この先どうなるんだ!?」浮かれた気分の中にいてもそんな不安は拭えない、それに、どうなるかなんて誰も教えてくれなかった。
「ドブネズミみたいに美しくなりたい」と叫んだヒロトへの、10年以上経ってからのオーケンなりのアンサー。
「バンドブームとはいったい何だったかの?」をオーケンの視点から当時~現在を見据えて描く半自伝的作品。
ブーム終焉後のそれぞれの生き方には胸がつまされます。
(個人的にはすっかり様相の変わったTOSHIが田舎町の商店街の片隅で歌いだした瞬間、誰もがあの美声に足を止めたというエピソードが印象的)
ガムシャラでバカでひたむきで、ドブネズミのように美しかったかつての若者たちの夢の記録。それは、今でも色褪せずに勇気や希望を与えてくれる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
切なくて甘酸っぱくて。80年代の徒花、「イカ天」から生まれた
空前のバンドブーム。バンドマンは馬鹿をやって、旅を続けた。
その先にあったものは、転向だったり、解散だったり、決してみんながみんな音楽をやり続けることができた訳ではないけど。
胸が絞めつけられる青い衝動と祭りの後。
オーケンは酸いも甘いもそれ以上のことも噛み分けて、今ここにいる。心が温まる。 -
大槻ケンヂが描く、バンドブームの栄枯と衰退。
オーケンの文章がやたらおもしろいことと、
R25を作った藤井大輔さんが絡んでいることに驚いた。
「大人になるって、逃げないことなんだよ」と言ったコマコは天才。 -
筋肉少女帯が好きなので読みました。
バンドブームはリアルタイムで体感してないので分からない部分も多かったですが、大槻ケンヂの心情描写が親しみやすく笑える部分もあり読んでて楽しかったです!やはり大槻ケンヂの感性は好きだなと思いました。
コマコとてもいい子。てかこれグミ・チョコレート・パインの山口だー!この辺は実在したのかな?何だかちょっと綺麗過ぎる様な気もします。最後のラバーソール買うシーンはグッとくるものがあります。 -
オーケンの自伝的小説?伝記?
バンドブームはリアルタイムではなく、解散してから曲を聞いたり人のカラオケで知ったりした。こんなにバブルみたいに急にはじけたとは知らなかった。
ハチャメチャなエピソードにニヤニヤする。井上陽水さんのエピソード好き。 -
ラバーソールって響きだけでエモーショナルに包まれる。バンドブームを描いた私小説。コマコがオーケンのこと君って呼ぶのがすき。「君」って言うヒロインが好きになったのは絶対大槻ケンヂの影響。
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"バブル経済と共に日本を彩ったバンドブームに踊らされていたバンドマンたちの悲喜交々をアングラとしか言いようがなかったカウンター・カルチャーがサブ・カルチャーというのなのもうひとつの大通りへと発展していく過渡期に自分たちはいたんだという解釈のもと描いた現在進行形の青春劇。
まぁよくもわるくもサブカル芸人化した大槻ケンヂにしか書けない話ではある(奥田民生やベンジーは死んでもこんな文書かないだろうし、そもそもこんなことこっれぽっちも考えてなかった筈だ)。
が、さいごの「最後にラバーソウルはキミからもらいたかったんだよ」と(おそらく)架空の彼女―それもオバサン化したに語らせるのはズルい、という上手い。
泣いてしまいました。
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(01)
若者文化の圏内で音楽の嗜好が変わりつつあった,1980年代後半頃の記録と所感が,ブームの中にあった著者により綴られている.
バンドブームを支えていた心性に,なにごとかを表現したい衝動が動機として働いてたことをうかがいしることができる.ライブハウスのステージの上下には,パフォーマンスやハプニングが繰り広げられていて,その一部がコアなロックやパンクとして派生したという様子も読める.
後半では,ブームの終息が,各バンドの各員に回収されていったかが淡々と語られている.そこには音楽事務所や版元にブームが与えたインパクトの大きさが著者によって描かれており,前後での音楽業界の変化が記録され,従後のバンドマン/ガールの生き様や死に様の多様にも,まだ彼ら/彼女らの衝動の初期状態が,いくばくか,表されているようにも読める. -
初めて活字で泣いた本です。
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懐かしく、甘酸っぱい気持ちになれる。
ムカシのCDを引っ張りだして、聞きたくなる。