ゼロヨンイチナナ (MF文庫 J し 2-5)

著者 :
  • KADOKAWA(メディアファクトリー)
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本棚登録 : 55
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840112215

作品紹介・あらすじ

-あなたはどうですか?「他人に言っても信じてもらえない悩みのある人」「世界に愛する現実が見つからない人」「この際どうなっても構わない人」-0416で解決するかもしれません。あやしいですが宗教じゃなく、お金もいっさいもらいません。チャレンジする人はこちらまで。04事務所代表・岸本めぐみ。陸上部所属の元気な高校1年生・岸本めぐみとミステリー好きの級友・通称「明智」、二人に救ってもらった相川美緒の三人は、奇妙な事件を解決する「ゼロヨン事務所」を開設した。その矢先、夏休みの初日に明智は街で気さくに話しかけてきたお姉さんと仲良くなってしまい舞い上がるのだが…。ほんのり切ない都市伝説ミステリーシリーズ第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • あとがきにも書いてあるが、清水マリコさんには珍しく前向きで行動力がある強い主人公で新鮮だった。
    とは言え、内容はいつも通りで不思議で切ない。
    最後も切ないようでいてハッピーのようにも見える、取り方によって変わる結末だったので、他の人の感想を聞いてみたくなった。

    この主人公と一緒に学生生活が送れたら楽しいだろうなぁ。

  • “「あの……」
    「はい」
    まだ突っ立っている明智に、彼女が言う。
    「よかったら、これから少し、お話でもしませんか」
    「え」
    ためらいがちに、でも期待を込めて、明智を見る目。
    勧誘。宗教とか、セールスとか。
    「せっかく来て、映画見るための二時間だから、買い物より新鮮なことしたいし……」
    「新鮮て」
    「あは、なんか変な例えになっちゃったかな」
    また笑う。口紅の色はないけど、白いきれいな歯。
    逆ナンすか。とか言えたらかっこいいのか、笑えるのかそれもわからない。しかしこれは、やっぱり逆ナンというやつじゃないのか。このおれが。悔しいがありきたりなTシャツとパンツで、どう見ても金はありそうもない高校生のおれが。
    ギャクナン……。
    回るパンチのような勢いのある響きに、それだけで明智はダウンしかけた。”

    ゼロヨンイチロクの続編。
    今回は、明智視点の話。
    不思議に付き合ってほしいという年上の彼女。
    そんな彼女の目的と理由と、そしてことの真相とは。
    マノカエ可愛いよマノカエ。

    “「うとうとしていて、外で電車の音がしたなと思ったら、この夢を見てた」
    それで誰かが、お前が夢から覚めれるかどうかは、明智君次第だって。
    「そうか」
    いつの間にか、美緒はシートの上で眠っていた。明智は眠そうなめぐみの手をとり、美緒の向かいのシートに寝かせてやる。
    「じゃあもう、おれは上手くやれたらしいから、お前は安心して眠ってろよ」
    「明智君……もしかして、これは夢じゃないの……?」
    横になっためぐみが、明智を見上げた。
    「いや。お前の夢だ。なんでそう思うんだよ」
    明智が自分なりにやさしく笑ってやると、めぐみはかすかに頬を染めた。
    「……明智君が、普通にかっこよく見えるから」
    止めろ恥ずかしい、と怒ろうとしたら、めぐみはもう、目を閉じて眠っていた。”

  • 今回もまたちょっと不思議でノスタルジックな話。案の定、明智君の恋は実らなかったけど、その方が青春っぽくていい。三つの謎とか変な噂は読んでいてわくわくしてしまう。

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