パラケルススの娘 4 (MF文庫 J こ 2-4)
- KADOKAWA(メディアファクトリー) (2006年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840115544
作品紹介・あらすじ
肌寒い秋の月の明るい夜、見習い写真師櫻井忍は、金髪緑目の外国人と翼を羽ばたかせた美少女が宙へ飛んで行くのを見た。翌日、忍は夜の中国人街から聞こえてきた鼓弓の旋律にのった唄に導かれるように妖艶な美女「黄夫人」に吸い寄せられてしまう。そして忍の首筋に黄夫人の牙が突き立てられようとしたとき、一条の矢が窓を破って飛び込んできた!矢を放ったのは跡部多華と名乗る巫女装束の美少女。続いて現われたのは、忍が探していた金髪の外国人と、銀髪の少女だった。クリスティーナと遼太郎の祖母、たか女が初めて出会うきっかけとなった横浜の怪事件。この顛末は!?大好評マジェスティックファンタジー第4弾。
感想・レビュー・書評
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2009/07/18読了。
五代ゆう…、良い意味でも悪い意味でもライトノベルを書けるようになったんだな〜
この人の本領はこんなものではないと思うので、早く五代節が炸裂しているという、最新刊に早く追いつきたい。
主人公の祖母、たか女様が女権力者として、悪い方向へ極悪に成長を遂げていたのが印象的だった。
この人これから、血も涙もない人生を歩くことを決意してしまたのだな〜と思うと切なくなる。
「わたしはいずれお前の子を産むだろう…しかしお前が私にとって何か意味を持つなどど思うな。私はお前の子を産む。しかしお前の妻にはならぬ。私は跡部の当主だ。」
15才の少女に言わせる台詞ではない。恋をしていた純粋な少女が、女としての大切な感情さえ道具として扱う、酷薄な女権力者に変わってしまった。
そう思うと切ない。諦めるしかない、もう取り返しのつかない人生の一地点を描いている。素晴らし過去篇である。詳細をみるコメント0件をすべて表示