ガフールの勇者たち 1

  • KADOKAWA(メディアファクトリー)
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840115803

作品紹介・あらすじ

メンフクロウのソーレンは、ティト王国の森で、家族と幸せに暮らしていたが、ある日、何者かによって巣からつき落とされ、峡谷の孤児院へと連れ去られてしまう。そこでは、さらわれてきた子フクロウたちが、催眠術にかけられ、奴隷にされていた。ソーレンは、サボテンフクロウの少女ジルフィーと協力し、決死の脱出をこころみる。だがそれは、フクロウ世界の支配をたくらむ組織との、長い苦しい戦いの「はじまり」にすぎなかった-。フクロウ世界を舞台にした、壮大な冒険ファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • <とある時代のとある場所で、フクロウたちが高度な文化を育んでいた。>

    かつて火を操った生物がいたが、千年も前に消え去っていた。
    ある時フールというフクロウが火山から火の石を手に入れた。フールの死後も<ガフールの神木>に住むフクロウたちは世の中の正義を正す<ガフールの勇者>として共同生活を営んでいる。

    フクロウたちを主人公とした冒険活劇。
    メンフクロウのソーレンは、ティト王国の森で家族と、メクラヘビの家政婦のミセスP(ミセス・ピー)と共に平和に暮らしていたが、その森ではヒナや卵が攫われるという事件が頻発していた。
    そしてあるとき、ソーレンも自己中心的な兄のクラッドに巣から蹴落とされて見知らぬフクロウたちに連れ去られてしまう。
    行き先は渓谷の聖エゴリウス孤児院だった。
    ここに連れてこられた子フクロウたちは、催眠術により孤児院幹部たちの謎の目的のために働かされていた。
    ソーレンは、同じく攫われた少女ジルフィー(サボテンフクロウ)と協力しあい、修道院を逃げ出す計画をたてる。他にも”催眠術にかかっていないがかかっているふりをしている仲間”を探し、密かに飛ぶ練習を積んでゆく。
    孤児院幹部たちに見つかり倒れる仲間、絶体絶命を迎えるソーレンとジルフィーは、なんとか脱出に成功する。そして”孤児の知恵と経験”で一人で逞しく生きていたトワイライト(カラフトフクロウ)、家族が聖エゴリウス孤児院に襲われ一人になってしまったディガー(アナホリフクロウ)と知り合う。
    家族を探そうとするソーレンとジルフィーだが、フクロウは一度襲われた場所にいつまでも留まりはしない。
    行き場を失った四羽は、伝説の<ガフールの神木>を目指すことにする。そこにいけば正義のフクロウたちがいる。家族がいなくなった代わりに硬い友情を誓った四羽は力強く羽ばたくのだった。

    ===
    小学生の次男が借りてきた本。

    著者がフクロウの生態研究をして書き始めたということ。
    出てくるフクロウも多種多様なのでうちにあるフクロウ写真集を次男と見ながら読んでいる。

    フクロウの巣を掃除するためのメクラヘビを家政婦にしているとか、他の鳥達とはこういうところが違うんだとかフクロウの生態に基づいて物語にしている。
    フクロウは餌を丸呑みし、前胃で消化して、砂嚢(さのう)で細かく砕き、獲物の毛や骨などは砂嚢から前胃に戻し、口から吐き出すのだそうだ。この話では人間で言う本能のようなものを「砂嚢で感じるんだ」と表現している。
    そして聖エゴリウス孤児院の洗脳方法もかなり恐ろしい。夜行性のフクロウが満月の光のもとで寝ると砂嚢が働かなくなり頭が麻痺するんだとか、質問禁止とか、自分の名前をただただ繰り返させることにより自己を失くさせるとか…。読んでいる途中から人間の子供が攫われたような気分になり、ここで正気を保つのは無理ではないかと思えてきた。

    しかしソーレンとジルフィーはそこから飛び立つのだが、この飛ぶということのためにいちばん大切なのは「飛べると信じること」だという。
    砂嚢で感じて、自分は飛べると信じて、というフクロウたちの信念が、彼らを人間の読者からいても親近感が枠存在にさせているのだろう。

  • 以前から、知人に熱心に勧められていたのと、映像化するのとで、やっとこさ読みました。

    1巻では、さらわれたメンフクロウのソーレンが、悪の孤児院から脱出し、4羽の仲間とともに伝説に謳われる「ガフールの神木」を目指すまでが描かれます。
    読みやすいのですが、あまりに展開が早くて途中で追い付けなくなりそうでした。
    ですが、このまま先を追いかけていきたくなるストーリーなので、ぼちぼち続きを読んでいきます。
    現在、既刊10巻。さらに続くようです。

    余談ですが、映画の日本語吹き替え版のソーレンの声優さんは市原隼人さんらしい。
    なんとなくイメージがつながりませんでした…

  • この物語は、高度な知性を持つ、フクロウ達の物語です。

    フクロウの国を牛耳ろうとする悪の親玉フクロウ「スケンチ院長」

    その元で悪を働く、ジェットとジャットなど・・・・・

    キーワードは月光麻痺と謎のかけらですね。
    1巻ではなんとか悪の孤児院から抜け出したソーレンとジルフィー、
    トワイライトとディガーも加わってガフールへの冒険の始まりです。

    ジルフィーのお父さんの言葉は、名言ですね

    「大事なのは『できる』と信じることだ。いくら羽が生えそろっても、自分は飛べると信じる気持ちがなければ一生飛べるようにはならない。なにごともそうだ」

    気になるのは、ソーレンの妹のエグランタイン 無事でいてほしいですね

    本の左上に、フクロウの飛んでいる姿がパラパラ漫画になっているのは必見です

    フクロウ紹介
    ソーレン(メンフクロウ) ジルフィー(サボテンフクロウ) スケンチ院長(アメリカワシミミズク)
    トワイライト(カラフトフクロウ) ディガー(アナホリフクロウ) ホーテンス(ニシアメリカフクロウ)
    グリンブル(キンメフクロウ) ジェット・ジャット(トラフズク)

    ガフールの勇者達

    内容(「BOOK」データベースより)
    メンフクロウのソーレンは、ティト王国の森で、家族と幸せに暮らしていたが、ある日、何者かによって巣からつき落とされ、峡谷の孤児院へと連れ去られてしまう。そこでは、さらわれてきた子フクロウたちが、催眠術にかけられ、奴隷にされていた。ソーレンは、サボテンフクロウの少女ジルフィーと協力し、決死の脱出をこころみる。だがそれは、フクロウ世界の支配をたくらむ組織との、長い苦しい戦いの「はじまり」にすぎなかった―。フクロウ世界を舞台にした、壮大な冒険ファンタジー。

  • 小学生の頃大好きだった本。
    何度も何度も読み返して、ボロボロになった全巻を今でも大切にしているくらい。たまに読み返し、あの頃とはまた違った解釈をしつつ、あの頃の追憶をしている。

  • ふくろう達の生態に詳しくなれる…

  • ソーレン、そしてジルフィー、ディガーがどうなるか楽しみです

  • 映像化の方を先に見て、小説ではどう描かれてるのかと思って読んだ。フクロウが主役のフクロウの世界ということで、何か変にじわりとおもしろい。でも内容は、悪がはっきりしたファンタジーもの。そして、兄が映画よりも悪人?で、これからどのタイミングで再登場するのか。続編がまだまだあるので、飽きずに読めたらいいなと思う。

  • 8月。子供たちと近くの川に遊びに行ったとき、楽しい川遊びを前に、こちらの本を読みふけっている小学生を発見! 子どもをみつつ、何の本を読んでいるんだろうと気になり気になり、やっとガフールだけ見えて、こちらで検索!さっそく読みました☆ その子が夢中になっているだけあって、ドキドキハラハラ。 シリーズみたいなので、読んでみよう!ただ、図書館の予約待ちがすごい 笑

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著者プロフィール

キャスリン・ラスキー(Kathryn Lasky)
アメリカ北東部、インディアナ州インディアナポリス郊外の大草原の大邸宅で生まれ育つ。おおらかな両親のもと、5歳年上の姉とともに、のびのびと育ったキャスリンは、10歳ですでに作家を天職と考えていた。
自然や歴史を題材にした児童・ヤングアダルト向けフィクション、ノンフィクションを中心に多数の作品がある。写真家でドキュメンタリー映画作家でもある夫クリス・ナイトとの共作「Sugaring Time」で、すぐれた児童・ヤングアダルト向け作品に与えられるニューベリー賞を受賞するなど、受賞作品も多い。2003年に書きはじめたフクロウが主人公のファンタジーシリーズ『ガフールの勇者たち』はベストセラーとなり、ワーナー・ブラザースにより2010年に映画化された。

「2015年 『ガフールの勇者たち スペシャル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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