怪談実話系 書き下ろし怪談文芸競作集 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
- メディアファクトリー (2008年6月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840123471
感想・レビュー・書評
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単なる実話じゃない“実話系”と謳うだけに、実話ともフィクションとも判断のつきかねるところが面白く、また怖さを感じさせるのかもしれない。まぁ、この内容で「実録怪談」なんて書いたら噴飯ものだろうけども。
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■0856.
<読破期間>
H20/7/5~H20/7/7
<本の内容> -
「実話系」と銘打った怪談集。生きてる人間の話から、人間以外の話まで。実話っぽさはあまり感じなかったけど、ホラー小話としてそれなりに楽しめた。
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●読書録未記入
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【目次】
成人(京極夏彦)
見知らぬ人(福澤徹三)
顔なし地蔵(安曇潤平)
茶飲み話(加門七海)
怪談BAR(中山市朗)
リナリアの咲く川のほとりで(小池壮彦)
つきまとうもの(立原透耶)
後を頼む(木原浩勝)
顳?コメカミ 蔵出し(平山夢明)
美しく爛れた王子様と麗しく膿んだお姫様(岩井志麻子) -
で、フィクションなの、ノンフィクション(幽霊関係のノンフィクションなんて信じてませんが)なの?ってちらほらと。某作家さんは小説は好きなんだがなあ。素の部分が出ているとどうも苦手だ。
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一応ノンフィクで。きもいよ京極夏彦。怖えぇ。
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豪華かつ豊富なラインナップでなかなか楽しめます。怪談初心者にもぜひ読んでいただきたい、粒揃いの作品群です。
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なんたるそそるタイトル!
怪談が好きなんですよー。
それも、リアルで異界度の高いものが好み。
これは期待できます。
しかも、怪談系の作家のおいしいどころが寄ってたかって寄稿してる。
知らない作家さん含め10人の作家さんが載ってました。
中でも
京極夏彦先生にはじまり、
加門七海、中山一郎、木原浩勝
と私の好きどころお三方に、
最後は岩井志麻子で締め。
この5人はすごく魅力的。
さっそく読破しました。
感想としてはまず何よりも
トップバッターの京極先生の素晴らしい事!!!!
この作品集の中で群を抜いてたと思う。読後感も満腹感も十二分。なんでもないような始まりから、徐々に異界の侵食を感じさせ、回転の速度を上げながら異界へ転がり堕ちていく人間を想起させる終わり方。
読後に思わず感嘆から溜息をもらしました。
加門さんの怖さというのは、
一見怖くない読後感なのが非常に怖い。
日常の雑談のような語り口で、おそらく彼女の実話だろうと思われる怪談が、それこそ茶のみ話のような気さくな調子で語られる。
そしてそここそが彼女の実話集の魅力だと思う。読み手は、読み手にとっての非日常を、これでもかというくらい日常の雑談として聞けるのだから。
それから、岩井志麻子さんは
正直なところ掲載作は怪談ではなく、彼女のエッセイに出てくるような話でしたが
この人がホラー作家として天才だと思う所以は、岩井志麻子は文章の綴り方だけで充分に怪談である、というところにあると思う。
どうしても、上記で名を挙げた5人をひいき目に読んでしまったのですが、どれもそれぞれに味のある話ばかりでおもしろかったです。
この夏の夕涼みに怪談でも、と思われた方にはオススメします。
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