ほんわか! 本についてわからないこと、ねほりはほり! (MF文庫ダ・ヴィンチ)

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  • メディアファクトリー
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840126229

感想・レビュー・書評

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  • 先日、近所にできた”本”に関するお店「Bibliophilic」http://diskunion.net/bibliophilic/ で、買った”本”に関するヨモヤマ話な一冊。 書物にまつわる周辺事情を体当たりで取材していく企画もの。「裁判長!ここは…」の作者で、おもしろおかしく書こうとする文章が、ちょいと苦手で、やってる本人たちのほうが楽しんでるところに、ちょいと引いてします。「本の雑誌ダ・ヴィンチ」にいまだに連載だという長期に亘る努力はそうとうなもんだと思うけど、その莫大な連載の中から選りすぐった14本で、これかぁ、という感じがしないでもない。ひまつぶしに、気軽に読める一冊ではあったけど。文章は、年代が近年のものほど、おふざけ感が減って、読みやすい。おそらく、書籍化するにあたって、当時の連載の文章の最後に、後付けてきに追記した、数行の文章が各章の中で、いちばんおもしろく、含蓄に富んでいる。 

  • 阪神大震災1年後の神戸の書店や、人々の本に対する思いを調査した章には、なるほどと思うことがあった。震災後は本を読む気が起こらなかった、本を読む集中力がなくなった、本は役に立たなかったという声がある反面、本に癒された、日常を取り戻させてくれた、本を読む間は震災を忘れられたという声もありどちらにも共感できた。
     ライフラインや交通などの生活の基盤が整った状態で初めて人は本の世界に入っていける。
     非常時には本など役に立たないのに、営業を再開した書店が歓迎されたのは、本や書店が役に立たない面を持つからだという。
    なくてもいい無駄なものにこそ人を引き付ける力があると。
    書店は雑多な人間が時と場所を共にする「欠かせないものじゃないけどなかったらたまらなくさびしい場所」
     神戸が復興する日、それは巨大なビルが完成する日ではなく、役立たずの場所が、ごく日常的にオープンし、ごく当たり前に利用される日ではないかと北尾氏は述べている。1996年1月
     
     

  • 読書好き・本好き必見の実験レポートのような本。著者である北尾トロ氏と、彼を囲む個性豊かな編集者達の人柄の伝わってくる、心温まるレポートだ。これは、今なお『ダ・ヴィンチ』で連載中の「走れ!トロイカ学習帳」と同じ安心感を与えてくれる。私も、こんな素敵なおじさんになりたいものだ(失礼)。

  • ダ・ヴィンチに連載されてきたものの中から厳選された14本を収録。私のように、読書、というより書籍そのものをこよなく愛する人間には、堪らない一冊だと思う。
    ストレスなく読めて、くすくす笑えて、ちょっと考えさせられる、素敵な本だった。

  • 軽妙なルポルタージュ集。
    大量殺人や社会抑圧といった煽動的な三面記事要素は少しもないルポですが、「出版流通の瑣末な事情」「本が紙ゴミとして処理されるとき」「古本販売にチャレンジしてみる」「本好きはモテるのか?」「阪神大震災のような極限状況で本のような嗜好品はどうされた?」など、本の周囲にまつわる様々な事象を、軽ぅ~いチャレンジ体験と追跡取材しています。

    音楽商品にもこんな軽妙なルポが出ないかなぁ、楽しいのに。
    最終話の四国お遍路は、すでに本の話でも何でもないじゃん、ただの巡礼体験記じゃないの(笑)。

  • 「本関係やるわやるわお試しで売ったり追っかけ海外までも」

  • 本を読み疲れた時の息抜きに良いかな。 雑誌ダ・ヴィンチに連載されている人気コラムの抜粋。
    本に纏わる判らない事を著者が率いる「ダ・ヴィンチ版ココ調隊」が、様々なテーマについて調べてくれます。テーマとして面白かったのは、「フリーマーケットでどれくらい本が売れるか」、「寝室読書術入門」など。読書好きの日頃の悩みについて体を張って体験した内容で、今後の読書生活のヒントになってとても面白かった。
    長編や難しい本を読んでいる時に、ちょっとした気晴らしに良い本です。

  • 「本」は私にとって必需品。
    本を読まなかった時期を思い出せないくらい。
    それでも、「無駄な時間」なんじゃないか。と思うことも実はある。
    でもこの本を読んで、好きなことがある。って大切なことなのかもしれないと思った。
    そして、「無駄なこと」ができるって幸せなことだとも思った。
    「本」という題材で、色々なことを全力で調べている人々がいて、そのエッセイを楽しみにしている人がいる。
    読んでいてかなり楽しかった。
    これからも、「無駄な時間」を全力で楽しみたい。

  • 本の情報誌『ダ・ヴィンチ』に連載されていたものをまとめたものです。本をネタにあれこれ調査したり体験したり。処分された本はどうなるのか? 雑誌の吊り広告の作り方、ニューヨークの書店事情、寝ながら本を読むには? などなど。目の付け処が面白いし、冷めた感じなのにのめり込んでいく筆者の様子も面白い。雑誌連載時から好きだったのですが、本としてまとまるとまた印象変わりますね。ただ連載時にあった写真は入れて欲しかったな。

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著者プロフィール

本名、伊藤秀樹。1958年、福岡市生まれ。
小学生の頃は父の仕事の都合で九州各地を転々。東京都立日野高校、法政大学卒。 個人事務所(株)ランブリン代表。NPO法人西荻コム理事長。西荻ブックマークスタッフ。季刊ノンフィクション雑誌「レポ」編集・発行人。

「2011年 『【電子書籍版】昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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