勤めないという生き方

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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840138321

作品紹介・あらすじ

アルバイト→有機農家、自動車会社→島で町おこしビジネス、東大卒で大手企業→手染め職人、雑誌編集者→カフェのオーナー。会社に勤めなくても、みんな自分らしく生きている!会社をはなれて見つけた自分らしい働き方。

感想・レビュー・書評

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  • 勤めているからしあわせに生きられないのか?勤めていなければしあわせに生きられるのか?いや、人生はそんな簡単なものじゃない。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    「勤めない」生き方をしている13人を取材しまとめた1冊。
    最後の章「『NPO』で生きる」は、この本の前に読んでいた「風に舞いあがるビニールシート」(森絵都・著)の表題作と内容がリンクしてしまい、読み進めるのがしんどかった章でした。

    読んで思ったことは、「勤める勤めない」というのは目的ではなく、あくまでも手段のひとつにすぎない、ということです。
    自分が何をおもしろいと感じ、何に時間を使って生きたいのか。
    それが自分の中でおぼろげながらも見えているのならば、どんな働き方も成功であり、勤める勤めないだけで決まるものではないのだ、ということをひしひしと感じました。

    この本に登場する方のなかには、傍目からみると成功を手にしているとは言い難いような方も、正直おられました。
    でもそもそも“成功”とは何なのでしょうか?
    大金があって、不自由なく過ごせること?
    不自由がないとは?
    たとえ生きる金に困らなくても、しんどそうにしている方もいたのに?
    そんな風に、“勤める勤めない”という働き方の問題よりも更に奥にある、“自分にとっての成功とは何か”、“働くとは自分の人生にとって何なのか”、そこを閉じこもって思案し続けるのではなく、“動きながら”考えないと、なにも掴めないのだなと思いました。

    「勤めない働き方をしている人は、どんな人生をおくっているのだろう?」
    そんな軽い気持ちで読み始めた本書でしたが、思いがけず人生そのものを考えさせられる1冊となりました。

  • 沖縄のラムを注文したくなりました。
    ひとりひとり、それぞれの境遇、転機、想いが
    読んでいて面白かった。
    サクセスストーリーではなく、まだまだ道中という
    印象を受ける生き方は、啓発本のような、こうすれば
    成功するというような型にはまったものではなく、
    それぞれが見つけた自分自身と、生きる場所、
    その先の生き方としての仕事がテーマだ。

    真似するようなものではないけれど、
    仕事に苦い思いをしている人は、
    この世界にはいろいろな仕事、生き方があるのだと知ることから始めればいい。
    飛び込んだ人たちの想いは強く
    清々しい。そしてそのストーリーは現在も進行中だ。
    ラム買おう。

  • 独立している人たちの、
    成功例だけではないのがいい。

    これをやろう!と決めていたわけではなく、
    状況に応じて考えている、それが大半なんだろうな。

    それでも根本に、ぼんやりとでもやりたいことがあるから
    やれるんだよな。

    細かい専門的なところは読み飛ばしてしまう。

  • 手染め職人・青木正明さんの章より
    〜(略)いまなお事業としての自信をもっているわけでもない。 それでもやってこられたのはなぜか。
    青木は、自分の好きなことだけをし、それを信じてきたからだという。

    2011年の本ですが、2023年現在でもとても参考になる話ばかりでした。
    独立している方々に共通して見えたのは
    「好き・興味が尽きない・その問題から目が離せない」
    などの、自己から湧き上がる衝動や感情ありき、でした。

    起業や独立という言葉が増えている今ですが、そこに至る自分の想いが重要だと知らせてくれる本でした。

  • ふむ

  • 羨ましくもある生き方

  • サラリーマンではなく、独立して働く人(自営業?)の話をカタログ的にまとめた本。

  • ボリュームはあるけど、その分だけおもしろい。こうやっていまの結果だけ書くと軽やかに見えるけど、それまではたくさん苦労したんやろうな。できるかできないかじゃなくて、やるかやらないか。そんな言葉を思い出す。これ、文庫にしてもいいくらいやのに、意外と文庫にはなってへんねんなぁ。

  • /////感想/////
    今もギリギリ学生だが、社会人に成ってから読み返すとまた違った感想が出てきそう。

    なによりも自分の好きなことを仕事にし、自分の人生や生きがいを軸に生きる人たちがいる。もう少し丁寧に言うと、こんな性格があった。法人を立ち上げたとしても、規模や利益の拡大を第一にはしない。身の丈の経営を大事にし、自分が把握できる、実感できる範囲で業務を遂行する。もうけよりもその仕事を通じた生き方を続けることに重きを置く。価値基準は外部ではなく、あくまでも自分自身に置く。いわば「自立した自営」という佇まいだった。
    上司を見返すと誓ったものの、何をしていいのか分からない。それが辞めた直後の櫻井の心境だった。やりたいことがあったわけではなく、会社を辞めると言う消極的な目的が先に会った。転職で会社にはいるという選択肢は考えていなかった。専門メーカーにいるときにも社内で一旗揚げてやろうと考えていたが、よく考えてみたら、会社に入って成果を出すのだったら自分で事業を立ち上げた方が効率がいいのではと思ったのだ。会社を作る事は決めていたものの、最初に設けようと思った手段は株だ。当時流行りだしていたデイトレードに手を出し、3カ月ほど挑戦した。だた、収支は3カ月でマイナス6万円大きな痛手ではなかったが、母親に「バカか、おまえは」と言われて目が覚めた。アルバイトでも毎日働いていたら毎月20万円、3カ月で60万円になる。そう考えたら、おまえの収支はマイナス66万円だと指摘されたのだ。
    法人を法的に設立するのと同様、独立という行為はしようと思えば誰にでもできる。自らにある肩書きを与え、それで商売しますと宣言すれば、形式上はそれで完成だ。だが、言うまでもなく、それだけでやっていける保証はない。事業が継続するには、他社の質的ないしは量的な評価があって、成否につながるが、それは自分の振る舞いにかかっている。ただし、その収支が付くのは遠い先の話だ。

  • さまざまな「今は勤めていない」人たちの話が紹介されている。読んでいて「今は」というのが実は重要なのではないかと感じた。ほとんどの人はどこかの会社に勤めた上で現在は「好きなこと」を仕事にしている。つまり、人は「まったく勤めない」で生きていくのはかなり難しいということ。いろいろ回り道して結果的にうまくいったとか、たまたま立ち上げ直後に売上が立って軌道に乗ったという話も多く、けっこう行き当たりばっりなのが好感が持てた。

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著者プロフィール

森 健(モリ タケシ)
野村総合研究所(NRI)未来創発センター、グローバル産業・経営研究室長
野村総合研究所(NRI)未来創発センター、グローバル産業・経営研究室長。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)経済学修士課程修了。専門はデジタルを含むグローバル経営環境分析。共著書に『デジタル資本主義』(2019年度大川出版賞)、『デジタル国富論』(いずれも東洋経済新報社)、『グローバル・ビジネス・マネジメント』(中央経済社)などがある。

「2022年 『デジタル増価革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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