毛布おばけと金曜日の階段 (電撃文庫 は 2-13)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
3.45
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  • (2)
本棚登録 : 433
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784840222518

作品紹介・あらすじ

お姉ちゃんは毎週金曜日、階段の踊り場で"毛布おばけ"になる-。あたしとお姉ちゃんと、お姉ちゃんの彼氏の和人と、3人で過ごすこの金曜日は、あたしが"家族"という言葉を実感できる瞬間であった。父と母を失い、姉妹だけになってしまってから、家族という言葉は意味をなくした。でも、金曜日の階段は、あたしにとって至福の場所なのである-。高校生・未明の周りに起こる様々な出来事を綴ったハートウォーミング・ストーリー。『みちのながてをくりたたね』『花火の下、きみの微笑みを』『缶コーヒーの行方』の三篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • テーマはいい気がしたが結局着地できていない。姉が毛布おばけになった理由や結果は不明のまま、親の愛人である恋人やシュワルツネッガーの看板を運んだ少年の存在意義にも疑問。

  • 別作品の巻末の広告でタイトルとあらすじ紹介で気になった一冊

    可愛らしくふわふわした内容かと思ったら…
    父親の死、母は入院、壊れてしまった姉、出入りする自分と同年代の姉の彼氏…
    まだ世界の大半が家族と学校が占めている一般女子高生の未明にはどうにも重い導入である。ここだけ見れば殆ど詐欺である。


    変わってしまった日常を実感する間もなく受け入れることになる未明。おかしいのは分かっているが、それが彼女の世界の全てだし、日常は関係なく流れてゆく。
    そしてその埋め合わせで、壊れてしまった姉とその彼氏と金曜日の夜という平日と休日の間、階段の踊場というどこでもない途中の場所で、安易で明確な幸せとして菓子やジャンクフードを貪るのだ。

    登場人物は互いが互いを思いやっており、皆が寂しさや友情、恋心を建前にして歪で形のない家族という愛を求める。
    本作は彼女等が時間が彼女等を「正常」に戻すまでの途中の期間を焦らず受け入れ、前向きに甘える様子を小細工なしの正直で純粋な感情で描いている。
    また完全に重度の精神病なのに「毛布おばけ」と言ったりと表現が優しいのも魅力。

    後書きにアマチュア時代の作品がもとになっている とあるように粗い部分もあるが物語に合っていてかえって良かったのかなとも思う。

    読後感がとても良い作品。

  • 少し変わった人間関係、そこで繰り広げられる少し変わった日常。雰囲気は好きだったが、展開や文章がパターン化しているようにも感じられた。この1冊だけでは十分に描ききれていない部分もあり、数冊のシリーズものとして読んでみたかった。

  • タイトルの感じだけで『猫泥棒と木曜日のキッチン』みたいな感じだと思って予約したら…表紙を見てびっくり。ライトノベルだった。1時間もかからなかったかな。2011/416

  • 小学生の時に初めて自分で買って読んだライトノベル。
    当時はラノベなんて知らなかったけど。
    もう一度読みたい。

  • 私が読んだ本のなかでは、なかなか特殊な話だったきがします。

    お姉ちゃんは毎週金曜日、階段の踊り場で、毛布おばけになる。

    あらすじを読んだときは、「へ?」と思ったけど、笑いあり涙ありのいい話でした。

  • ヤスダスズヒトが特に好きな訳ではないがなんとなくジャケ買い。
    タイトルもよかったのかも。
    とてもいい意味で普通な、平坦な、ほんの少しの変化のお話かな。
    あたたかい気持ちになれる。

  • 何度読んでも楽しめる。
    わたしも金曜日のパーティに行ってみたい。
    食べる描写も素敵。

    きみがゆく みちのながてを くたたりね
    やきほろぼさむ あめのひのがも

  • ■書名

    書名:毛布おばけと金曜日の階段
    著者:橋本 紡

    ■概要

    お姉ちゃんは毎週金曜日、階段の踊り場で“毛布おばけ”になる―。
    あたしとお姉ちゃんと、お姉ちゃんの彼氏の和人と、3人で過ごすこ
    の金曜日は、あたしが“家族”という言葉を実感できる瞬間であった。
    父と母を失い、姉妹だけになってしまってから、家族という言葉は
    意味をなくした。でも、金曜日の階段は、あたしにとって至福の場
    所なのである―。高校生・未明の周りに起こる様々な出来事を綴った
    ハートウォーミング・ストーリー。
    『みちのながてをくりたたね』『花火の下、きみの微笑みを』
    『缶コーヒーの行方』の三篇を収録。
    (From amazon)

    ■感想

    この方の本は、色々と興味があったのですが、シリーズものが多い
    のでなかなか読めませんでした。(何冊か買ってはあるのですけど。)

    今回満を持して、一冊で完結している本書を読みました。

    ライトノベルですが、ファンタジーというわけではなく、"少しずれた
    日常"を舞台にした物語です。

    日常と言うには少しずれていますが、かといって、ファンタジーという
    ほど現実から離れていない物語です。

    両親がいなくなったのをきっかけに、少し精神世界がずれてしまった
    女性(姉)を中心として、妹と姉の彼氏、それぞれが少し奇妙な思考
    や嗜好を持っています。

    恐らく、世界中を探せば同じ状況の方がいるように思えます。


    本書は、姉以外のそれぞれの登場人物の心理描写をかなり詳しく描
    いていますので、展開が早いストーリーというよりは、ゆったりと
    日常を描いています。

    派手なアクションや、凝ったミステリーという要素は皆無ですが、
    こういうお話は好きです。

    欲を言えば、お姉さんを主体とした物語(心理描写)があると、さらに
    面白くなったと思います。


    ゆったりとした物語、少しずれた物語が好きな方にはオススメです。

  • 父を交通事故で失くして、母は心の病院。
    取り残された姉妹。
    姉の桜はどこかズレてしまって、週に一度毛布おばけになる。
    妹である未明は主人公なのだが、そういった中で歪んではいるが、唯一まともに暮らしている。でもその状況下での"まとも"がおかしかったりする。
    壊れた家族に新しく姉の彼氏である和人を加えて、桜が毛布お化けになるその金曜日、階段でお茶会を開く。

    コンプレックスをそれぞれ抱えて、どこかいろいろ正しくないまま過ぎるバランスのとれた日常。それでもいつかは変化が訪れる。

    橋本紡さんを知るきっかけになった作品であり、また一番好きな作品でもある。一般のほうから入った方には少し抵抗があるかもしれないが、是非読んでほしい一冊。

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