半分の月がのぼる空〈5〉 long long walking under the half-moon (電撃文庫)
- アスキー・メディアワークス (2005年9月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840231459
感想・レビュー・書評
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■書名
書名:半分の月がのぼる空〈5〉 long long walking under the half-moon
著者:橋本 紡
■概要
穏やかな日々が、僕と里香に訪れようとしていた。葛藤や迷い、そ
して苦しみを乗り越えた末にようやく掴んだ、当たり前の日常。そ
れはなによりも大切なぬくもりだった。僕たちはこれから、肩を寄
せ合って生きていくんだ。そんなある日、僕は夏目に病院を連れ出
された。向かったのは、静岡県浜松市。かつて里香が、夏目が、過
ごした場所だ。そこで僕を待っていたのは―。
ちょうどそのころ、山西の下らない陰謀により、司とみゆきは大変
な事態に突入していたのだった。
■感想
本巻は非常に穏やかに時が進んでいきます。
どのお話もゆったりした日常ながら、そこにある幸せがそれぞれの
人間のセリフや仕草からしっかりと読み取ることができます。
夏目先生が裕一に見せた現実、静岡の夫婦が教えてくれた現実、
これで裕一に対して、今後のすべてを理解しろというのはまず無理
だとは思いますが、それでも見せる事の意味はあったんだろうな
と思います。
人は結局、経験したことのない感情や心理を理解することは出来な
いので、いくら想像しても、それは絶対に正解ではないんですよね。
ただし、だからといって全く想像しないことが良いのかというと、
そうではなくて、"想像しても理解できない現実がある"ということ
を理解しておくことが大事なんだと思います。
この巻で一応病院での物語は終わりです。
里香の病気は完治するものではないが、現状は問題なく、物語の最
後は非常に微笑ましいハッピーエンドになっているので、救われます。
色々とありましたが、巻数の割に登場人物が少なく、それぞれの人物
の感情が丁寧に描かれていたと思います。
個人的には、この巻まで読んでの裏の主人公は、亜希子さんだと思い
ますね。看護師の彼女がいなければ、このような展開は迎えなかった
はずですから。自分勝手ですが、優しく深い言葉が多いのが良いです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
里香と裕一の関係が良くなって、きれいにまとまった。残り3巻はアフターストーリーになると思うが、最後まで見守りたい。
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夏目と主人公の絡みがおもしろい。
なんだかんだで仲よくなっている。
気になったのが司とみゆきの関係。
見本とはいえ婚姻届を書いてみたり、司が深夜にみゆきを励ましに行ってみたり、今後何か起こりそう。
主人公だけでなく、周囲の人間の変化が特徴的な話だった。 -
終わりがいつかわからない。
終わりが来るまでずっと続く。
これだけなら当たり前のことかもしれない。
けれど、当たり前の日常すらもそうだということを、僕は忘れていた気がする。
いくら考えても、考え足りない。
それでも考えることが時には必要なのではないだろうか。 -
私は女子なので、男子の細やかな心情を共感するのは難しいですが。。。(特に思春期)
橋本先生の、女子の心情を綴る場面は、
本当にたくさん共感できて、
男の方なのになんでこんなに女の子の気持ちがわかるんだろうって
不思議です。
雄一がお母さんに正直な想いを伝えるところは熱かった
確かに、
青臭いし、
子供じみているし
頼りなさも感じるけれど、
それでも雄一の精一杯の誠意と決意が
応援したい気持ちになって
お母さんもきっとそうだったんだろうなっておもった。
「多分僕はほんとうにはわかっていない」ことをわかっていても、
決めたこと、と腹をくくったこと。
そうして、そういう相手と出会えたこと
雄一がなんだかまぶしかった。 -
久しぶりに読みましたが…
いいですねぇ。
まあ相変わらずすっ飛んだ看護師がいたり、
ドSで乱暴な医者がいたりと
まあすっ飛んではいるのですが…
一般小説でも人物描写がうまいと
かんじてはいたのですが、
ラノベでも同様。
特に恋心の描写はうまいね。
そして自分でいわなきゃ意味がない…
よく心に命じておきます。 -
5巻です。
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普通の物語かもしれないけれど、
確かな「特別」に溢れた、特別素敵な物語でした。