- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784840237642
作品紹介・あらすじ
晴明不在の京に現れた、夜盗の影-そこには天狗の業と思しき痕跡が混ざっていた。調べにあたる陰陽寮の暦生、賀茂光榮に協力し、慶滋保胤は愛宕の天狗、小五郎の元へと出かける。一方の晴明邸ではその頃、帰りを待つ時継や貴年達の元に、不穏な気配が-。優れた道士の体を求める妖、鶴楽斎。その鶴楽斎に操られる天狗の猛丸。彼らの暗躍によって、保胤達の平穏な日々は一転、緊迫の事態を迎える!第七回電撃小説大賞"金賞"受賞シリーズ第五巻。四年に及ぶ沈黙を破り、今、ここに復活。
感想・レビュー・書評
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円亀という外法師が命を落とし、彼が封じていた妖(あやかし)・鶴楽斎の封が解かれてしまいます。ともに封じられていたはぐれ天狗の猛丸(たけりまる)を従えて、盗賊の源九郎の身を乗っ取った鶴楽斎は、さらに術を自在に使える道士の身体を求めて、京の町に姿を現わします。
鶴楽斎はまず、渡会祥元(わたらい・しょうげん)の屋敷を襲います。ところが、すでに祥元は行方知れずになっていることが明らかになります。そこで鶴楽斎は、晴明に狙いを変え、彼の留守中に屋敷に入り込み、時継、晴明の妻・梨花、そして次男の吉昌を人質にとります。
その夜、鶴楽斎は晴明が来るのを待ちながら、酒を飲んでいました。ところが、人質でありながら明るく気丈に振舞っていた梨花が意識を失い、彼女の身に封じられていた「天一」を名乗る妖の意識が現われます。宴会の席はまたたく間に凄惨な状況へと変貌し、あっけにとられる鶴楽斎に、天一は彼が人間だった頃の名前を告げます。
今回も保胤の出番は少ないのですが、時継が活躍するので個人的には満足です。吉昌絡みの展開だけは、ややとってつけたような感もあって少し残念に思いましたが、メイン・ストーリーとなる、梨花や鶴楽斎にまつわるの展開は楽しめました。 -
安倍晴明の妻梨花という存在がよく出て来るためいったいなんの伏線かと思えば、ここに落ち着いた。
梨花の天真爛漫さからすれば喜ぶべきことなのかもしれないが、私は梨花に移入してしまって、結末に切なさしか感じられなかった。義昌が梨花にも呼びかけてくれたのなら、と思わずにはいられない。
ぼんやりと読んでいたから過去の因縁に巻き込まれた話として読んでいなかったが、以外に伏線はきちんと張り巡らされていた。驚かされるのも一考かもしれない。 -
主役が…ね(´・ω・`)主役が好きやねん…
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*2010.8 *2013.2
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2011年4月 読了
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何時の間にか5巻と外伝が2冊、出ていました。
ずっと好きなシリーズですが、続きはもう出ないものと諦めていたので
またこの世界とキャラクターたちに触れられてとても嬉しかったです。
相変わらず、どの登場人物も脇役にならないのがすごい。
吉平くんがどんどん成長されている…。笑
別軸らしい、メディアワークス文庫の方も読むのがたのしみです。
保胤軸のこちら側もゆるやかに続刊してほしいなあ。 -
派手さはないですが、人の持つ優しさとか暖かさをとても魅力的に描いてくれる作品。