ドキュメント 防衛融解 ~ 指針なき日本の安全保障

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845111800

作品紹介・あらすじ

政権を崩壊させた普天間問題!米軍基地、海外派遣、抑止力はどうあるべきか-。日米安保50年のいま、新しい段階の日本防衛と「対等な日米関係」の実態を防衛省担当20年のベテラン記者が綿密な取材で描きだす。

感想・レビュー・書評

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  • 憲法9条が「防護壁」であり、それにより日本の平和が確保されると考えるのであれば、著者が書くべきなのは本書のように自衛隊や米軍の問題点を指摘するような本ではなく、自衛隊や米軍を用いずに、現実の日本に平和をもたらす仕組みを説明した本である。

    その仕組みも、単なる観念論や理想論ではなく、日本の政治、財政、経済、技術、人口等々の事情、及び世界、最低でも日本周辺の国々の実態を踏まえ、著者が為政者等の責任のある立場になったと仮定して十分実行可能であり、かつその成果が確実に保証されるであろうと読む人間に納得させられるようなレベルのものにするべきであろう。

    いい加減この手の本読んでいて思うのは、何の責任も問われることがないからって、適当なこと言いすぎだろ、ということだ。政治家のように直接非難の目にさらされることもない、官僚のように失敗により左遷等により責任を取らされることもない、自衛官のように自らの命を危険にさらすこともない、何もない、何の責任も著者に問われることがないことが、著者の立場上現前に、本を読む前からわかっている。それなのに著者がさもそれを知らないかのように、偉そうに上から目線で(責任が発生しないという意味で)適当なことを言っている。

    人として恥ずかしくないのだろうか。マスコミとして、ジャーナリズム(笑)を行うというのは、人としての恥と外聞も忘れて、国民という言葉を安易に自分の政治的主張のために悪用し、自らの政治的活動を行うということと同義なのだろうか。

    人として著者がそんなに悪い人間だとは思わないが、言葉で商売をする人が、その言葉の価値を極限まで下げるような活動に嬉々として励むのは、本当に言論のため、国民のためになるのだろうか。

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著者プロフィール

1955年、栃木県生まれ。防衛ジャーナリスト。元東京新聞論説兼編集委員。獨協大学非常勤講師。法政大学兼任講師。1992年より防衛庁(現在の防衛省)取材を担当。主な著書に、『変貌する日本の安全保障』(弓立社)、『検証 自衛隊・南スーダンPKO-融解するシビリアン・コントロール』(岩波書店)、「日本は戦争をするのか-集団的自衛権と自衛隊」(岩波新書)、『零戦パイロットからの遺言-原田要が空から見た戦争』『僕たちの国の自衛隊に21の質問』(ともに講談社)などがある。

「2022年 『戦争と平和の船、ナッチャン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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