日本版「司法取引」を問う

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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845114474

作品紹介・あらすじ

刑事司法改革の原点は冤罪を防止することにあったはず…。いま、新たに導入されようとしている日本版「司法取引」制度は、冤罪を生む構造的な危険性をはらんだ制度であることを正確に捉えなければならない。その制度化の是非も含めて、もう一度徹底した議論が必要ではないだろうか-。

感想・レビュー・書評

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  • 現時点(執筆時点も同様)では国会での審議中である日本版司法取引制度の導入について、その危険性を指摘して批判するタイムリーな一冊。堅い内容だが、案外分かりやすく書かれており、思ったより読みやすかった。
    過去の冤罪事件、事実上の司法取引のような過去事例の問題点、アメリカにおける司法取引に由来する冤罪事件などを紹介し、司法取引、特に捜査公判協力型と呼ばれる他人の犯罪事実を告白して被告人・被疑者自らの刑罰を減免する制度に重大なリスクがあることが実感できる。
    ただ、被疑者・被告人を支援する役割を担う弁護士は、捜査当局の権限強化に反対の立場を取りがちで、例えば、組織犯罪の防止・摘発ということとの利害得失の比較という観点は希薄のように思われる。取調べの可視化を一つの解として提案しているようだが、やや表面的で、もう少し掘り下げて欲しかったような気がする。

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著者プロフィール

神奈川大学教授、北海道大学名誉教授

「2021年 『刑事司法改革の現段階』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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