- Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845408948
感想・レビュー・書評
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皆さん、私は、我々は~の話し方は大変参考になってます。
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田中角栄さんを書いた本には、「昔はこんなにスゴい人がいたのに、今のヤツらは軟弱だ」とおじいさんに説教されるパターンのものが多く、この本もその手の一冊です。
若いひとがよんで、そのまま真似しようと思うヒントはほとんどありません。
竣工式の費用を安く抑え、差額を自分にまかせろ、と預かり、貢献してくれた方それぞれに似合う反物を選ぶシーンなど、現代なら即刻アウトでしょう。
ただ、角栄さんが「お金とは自分の信用を数値化したものである」、と堀江貴文さんがよく使われている言葉を思い浮かべながら読むと、風景が少し変わってきます。
外からお金をもってきてそれをどう配るか、という観点ではなく、自分のもっている信用を何にどう使い、何を成すか、のテーマで見直してみると、参考になりそうな部分があるように思います。 -
「考え抜かれたことは極めて明晰な表現をとる」デカルト
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田中角栄の明言を集録したものかと思いきや、周辺にいた往年の昭和の総理・政治家たちが登場する。その時代を知らない私たちのような世代にも、臨場感のある記述から、「超人田中」を感じざるを得ない。
コンプライアンスやアカウンタビリティといったことの優先順位が高い今日、そのような価値観や尺度を前提としてしまうと、紹介されているエピソードに一種の疑問を持つかもしれない。しかし、本書を読めば、田中の生き様から、少しでもその極意、すなわち立ち振る舞い方を参考にしたいと思うはずだ。なぜならば、きっと、それが時空を超えて人々を魅了する普遍的な行動様式だからだろう。
最近の政治家と対比させ、今日の課題を指摘する箇所もあるが、生産的な議論を喚起するために記述されているわけではない。田中のような人物の再来を望んでも、それは無い物ねだりというものだろう。幻想を現実化するには、人材輩出の構造が変わらないと難しい、と感じている今日この頃。