- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845637836
作品紹介・あらすじ
気がつけば興行収入ランキングの上位を占めるのは続編映画ばかり。そんな時代だからこそ、続編映画を通して映画の正体に近づいていきたい。人はなぜ続編映画を作り、シリーズものを見に行き、あまつさえリブートを企画するのか。自らを続編監督と自認する押井守監督が、その秘密に迫ります。
感想・レビュー・書評
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2024/4/15購入
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抜群に面白かった『押井守の映画50年50本』(2020年)の、同じ版元とインタビュアーによる続編だ。
■『押井守の映画50年50本』の拙レビュー
https://booklog.jp/users/gethigh316/archives/1/4845634449
今回はタイトルのとおり、さまざまな続編映画を論じている。
テーマがマニアックなだけに正編より一段落ちる印象だが、十分面白い。
8人の映画監督と4つの人気シリーズ(007、ゴジラなど)に、各一章が割かれている。
そのうち、とくにリドリー・スコットや ジェームズ・キャメロン、ギレルモ・デル・トロ を論じた章などは、続編作りをテーマにそ据えながら、映画作家としての核に肉薄した見事な内容である。
約40年映画を作ってきた人ゆえの卓見が、随所にある。たとえば――。
《そもそも大作は、テンポで映画を作りづらい。引きずるものが多くなるから軽快な映画を作れなくなるんだよ。(中略)
低予算で冴えた演出をしてみせた監督が、大作になった途端にテンポを喪失してしまう。なかなかこの壁を乗り越えることができない。軽々と乗り越えてみせたのはジェームズ・キャメロンだよ》(116~117P) -
押井守による続編映画から見る映画論。続編の最適解とは。なぜ作られるのか。そこから浮かび上がる「映画の正体」とは。
「007」、「猿の惑星」等を題材に監督論にまで話は波及してゆく。特に宮崎駿の項と観客論の項は、歯に衣着せぬ語り口が面白いったらなかった。
観客論の項について、続編が作られるのは一言で言えば観客の要望があるから。しかし観客は映画を受動、享受するだけであり評判を確認しに行ってるだけである。だからこそ自由度が高い続編映画は観客との戦争なのだと監督は語る。
みんな好きなようにしか映画を見ない、しかしそこに映画の本質があるし、面白さがある。だから「本当に面白い映画」を「人生が変わる映画」を作る。押井監督の信念と面白い映画論を味わえる良本。 -
押井守の映画論、面白かった。意外とゲームにも関心が高いことを知った。エンタメだから当然か。
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「押井守の映画50年50本」の評判が良かったゆえに出版された、これもまた「続編本」。相変わらずの弁舌で他監督や映画をぶった斬っていくが、やはり業界の裏話が一番面白い。宮崎駿の章は笑いながら読んでしまった。相変わらず押井守は宮崎駿が好きなんだなぁ、と。攻殻機動隊の続編、ぜひ作ってください…!
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監督論以上に最後の観客論が短いながらとても面白かった。