評判すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。 (トーチコミックス)
- リイド社 (2023年9月21日発売)
- Amazon.co.jp ・マンガ (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845861651
作品紹介・あらすじ
/シリーズ累計70万部突破!!TVの教養番組・クイズ番組でもひっぱりだこ!!\漱石、芥川、太宰、谷崎、乱歩、ラヴクラフトetc…あの名作、今さら「読んでない」とは言えないあなたに捧ぐ史上もっとも肩の凝らない文学入門、最新第4弾!!【収録作】・谷崎潤一郎『痴人の愛』・江戸川乱歩『押絵と旅する男』・織田作之助『青春の逆説』・太宰治『ヴィヨンの妻』・ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』・有島武郎『或る女』・中島敦『光と風と夢』・徳永直『太陽のない街』・佐藤春夫『田園の憂鬱』・芥川龍之介『杜子春』・エドガー・アラン・ポー『アッシャー家の崩壊』・夏目漱石『草枕』・久米正雄『父の死』・堀辰雄『聖家族』・泉鏡花『外科室』・ヘルマン・ヘッセ『車輪の下』・伊藤左千夫『春の潮』・宮沢賢治『グスコーブドリの伝記』・三好達治『測量船』・徳田秋声『あらくれ』・ラヴクラフト『インスマスを覆う影』・小川未明『赤い蝋燭と人魚』・菊池寛『真珠夫人』・壺井栄『二十四の瞳』(単行本描き下ろし)
感想・レビュー・書評
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「タイパ」重視と言われる時代に文学作品までこうなるとは思っていませんでしたが、中々に面白かったです。
最近よく隣の席になる新しく出来た友人が大の水木しげるファンであり(渋い…)、私が読書好きだと知って貸してくれました。
と言ってもこれを書かれたのは水木さんご本人ではなく、自称「パチモノ同人作家」のドリヤス工場さんが水木さんの作風で書かれたものです。
水木しげるさんは鬼太郎位しか見た事ないのですが、そんな私でも驚きのクオリティ。
シリーズ四冊目の本作は『痴人の愛』『ヴィヨンの妻』『外科室』等、割と有名な所が収録されていて他にも江戸川乱歩、エドガーアランポー、宮沢賢治、小川未明、など錚々たるメンバーです。
読んだ事の無い作品もあり大変興味深かったのですが、『痴人の愛』を10ページでしかも漫画で読むと身も蓋もない変愛物語になっていて、こんな話だっけ?!と困惑。ドーンと裸のナオミが四つん這いになった譲治に跨り「あたしが要るだけいくらでも金を出すか」と言いやるシーンは爆笑してしまいました。
『赤い蝋燭と人魚』は元が童話なので漫画で読むと雰囲気が出て凄く良かったり、特に『インスマスを覆う影』はホラーみが強いので水木しげるさんそっくりの作風が非常にマッチしていました。
10ページに纏めるのが大変だったとドリヤス工場さんも仰ってましたが、文学作品は文章の流れの美しさを楽しむものでもあると思うのでそれはそれは大変だったろうなあと、素直に読みつつ感心しておりました。
あとがきにもあるように、要約要点のみを読むのが勿体ない作品もあるので本当は原本を読むのが良いのでしょうが、文体も癖があったり現代人の我々は時間に追われていたりするのでハードルが高いのかも知れません。
なのでこのシリーズが累計70万部突破しているのも頷けます。
何故か本作を読み終えて思ったのですが、この時代の時間の流れと今の時代の時間の流れがどうしてこうも違うように感じるのかなと考えてしまった時に、人間はAIに既に支配されているのじゃ…と傍らのスマホを見て少しゾッとしました。
上手く付き合って行きたいものですね。
まあ私の妄想癖はさて置き、知っている文学作品も漫画になる事により新たな発見がありましたし、気になりつつも知らなかった作品も読んでみようと思えましたし、良質な時短作品でした。
さてさて、お次は「タイパ」とは真逆の『犯罪者』『Q』を同時進行で読んで行こうと思います。 -
何とも興味が沸かない重たい作品が並ぶ。昭和の戦前、戦中の作家、時代を反映しての重たく暗い世の中で、人間とは、男と女とはを問う。
ああ、こんな時代に生きていたら息が詰まって押しつぶされてしまいそうだが、実際遭遇したら、付和雷同に染まっていたのか、どんな身の振り方をしていたのか、自信がありません。解かりませんな・・・・。
取り上げられた作家さん、
谷崎潤一郎、江戸川乱歩、織田作之助、太宰治、有島武郎、中島敦、徳永直、佐藤春夫、芥川龍之介、夏目漱石、久米正雄、堀辰雄、泉鏡花、伊藤佐千夫、宮沢賢治、三好達治、徳田秋声、小川未明、菊池寛、壷井栄。 -
本書のあとがきにもありますが、読書離れした現代人のための「時短」「タイパ」向けに文学作品の要点を短くまとめた漫画です。まさにタイトルとおりです。漫画ではありますが時代背景などの説明文が多く、かつ長い。これを読んだだけでは、なんのこっちゃ?みたいになる方が多い気がします。個人的には文学作品の入り口としてもおすすめはしないかな。現代風にアレンジしたものを漫画にした方が面白いんじゃないかな。
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たまたま本屋でドリヤス工場の書影をみて購入。巻末文を見るまでシリーズ作品であることを知らなかった。
最初こそ「バーナード嬢曰く。」のさわ子のように「ちゃんと読んでないし粗筋だけでも知れるならラッキー」という気分だったが、読んでるうちに「ちゃんと読みてー!」と「それで終わる?嘘?確かめないと!」な作品がゴロゴロと。困る。
にしても、まさか三好達治の詩集まで漫画にするとは。相変わらずの画風と合わせてドリヤス工場の凄さを改めて知る。
上だけ借りてしまってやらかした!と思ってますが、今は広場で殺人が...
上だけ借りてしまってやらかした!と思ってますが、今は広場で殺人が起きて、犯人が…って所まで読んだんですがもう面白くて徹夜してしまいそうです!