- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784845901173
作品紹介・あらすじ
脚本家ほど素敵な商売はない!?ドラマの構造、登場人物の構築、会話の研鑽、観客の誘導など、プロのライターが必要とするミニマムな知識と技術、考え方を徹底レッスン。絶対に役立つシナリオ読本。
感想・レビュー・書評
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映画の脚本は、どんな風に作り上げていくかのエッセンスを学べる脚本家養成指南書。脚本を描くための全体像を掴むテキストになっている。
脚本に関する書籍が溜まってきたので、いろんなものを読み込んでいくつもりだ。
いかにもな題名にある通り、ハリウッドで活躍する脚本家をイメージして描かれている。入門書的な位置付けだと思った。
プロットを作り込み、主人公の葛藤を描き、どう変化していくものかを描いていく。理屈を理解できたところで、少しはマシな作品を書くことができるくらいだと冷静に思いつつ、いつか自分でも脚本なるものを書いてみたいと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【どんな本?】
2000年あたりまでのハリウッド映画の脚本の作り方を解説している本。
【まとめ】
『キャラクター小説の作り方』(著:大塚英志)の次に読んだ本。
この本で得た知見によって、物語とは何かを知ることが出来た。
2022年現在の映画にそのまま当てはめることはできないが、物語の構成の文法を理解して人に説明することができるようになる。
物語作りに興味ある人におすすめ。 -
脚本家のための本。
小説家を目指す人には、ドラマ論と主人公設定の技法、人物創作の考え方が役に立つと思う。
中盤以降は脚本家としての生活の仕方が記述されているので、僕はななめ読みで終わらせた。 -
ドラマとは、<秩序を与えられた>葛藤である
脚本の前提
・主人公は誰か?
・敵対するのは誰か?
・彼らは何について争っているのか?
・その葛藤から生じる変化は何か?
・なぜその主人公は、その変化を達成するために行動を起こすのか?
ストーリーの要素
・バックストーリー
・内的な欲求
・きっかけとなる事件
・外的な目的
・準備
・対立(敵対者)
・自分をはっきり示すこと
登場人物は決して気付きはしない。観客が、登場人物のすることに基づいて気付く
・オブセッション
・闘争
・解決
登場人物
ドラマが葛藤ならば、登場人物はアクション。
・あなたの主人公がする最初の劇的選択は何ですか?
・なぜ、あなたの主人公は、もっと容易な手立てを取る代わりにその選択をする必要があるのですか?
・主人公が劇的選択をすることで、まず何が起こりますか?
・主人公の劇的選択により、他の登場人物たちはどんな影響を受けますか?
内的な欲求
登場人物の自己概念、姿勢…登場人物が世界から認めてもらいたい、あるいは、世界から認めてられていると信じている、在り方である
価値…人生を形作る力についての信念及び意見。登場人物は、それらを自分自身のイメージの中に一体化させている。そして、ストーリーの外的な出来事から挑まれることになるのが、まさしくこれらの価値。そのために、登場人物は内的な欲求に取り組み、自己概念を変えさせられていく。
ex. 「カサブランカ」のリック、姿勢はタフガイのままだが、タフガイのイメージに矛盾するように見える、深く隠された価値体系を持っていることが明らかになっていく
認知的不協和の理論…人は自分自身や環境についての、2つかそれ以上の矛盾した知識(認識)に直面すると必ず、不安(不協和)を経験する
登場人物が行動するというのは、すなわち彼らが決断するということ。彼らの選択が劇的なのは、認知的不協和すなわち自己不信の可能性があるため
ラブストーリーで、ストーリーを観客にとって最終的に満足できるものとするのが、自己概念の互いの見直し。登場人物たちは、互いを得るという見返りに到達するために、障害の克服の仕方を学ばなければならない
葛藤の焦点
①個人内の葛藤 ②個人間の葛藤 ③状況的葛藤 ④社会的葛藤 ⑤関係的葛藤
外的な目的
きっかけとなる事件が主人公に外的な目的を確立する。達成すべき何かで、それによって人生がより良くなると主人公が信じているものである。
①外的な目的は観客に識別できるものでなければならない
②外的な目的は観客の主人公との一体化を超えて観客に関わりあるものでなければならない
マズローの5段階欲求
①心理的必要性 ②安全の必要性 ③社会的必要性 ④利己的必要性 ⑤自己の実態確認の必要性
ストーリーの主役、あるいは主人公が魅力的になるのは、敵対者にそうさせられるときだけ
これは、主人公にするのと同じ質問を敵対者にしなければならないということを意味する。彼らの唯一の違いは、敵対者は妥協できない道義的行動様式から動くということ。言い換えれば、敵対者は異なった自己概念を持っている
敵対者は、あからさまに悪意があろうと単に主人公に対立しているのであろうと、常に主人公よりも強力で資金力がある。もしそうでないと、主人公は外的な目的に到達するのに何の妨げもなく、それゆえ何の劇的葛藤も、語るべきストーリーもないだろう。主人公が容易に目的を手にしたら、人も社会も変化することはないだろう
人物研究を書く上でのルール
①常に現在形で書くこと
②常に能動態で書くこと 木が窓から見えます→木は窓の外にある
文脈の要素
①劇的強調 観客をストーリーに結びつける感情面のつながり
②背景 世界に関して観客が信じていること
③時間 年代的な時間とストーリーを取り囲んでいる時代
④登場人物の行動様式
会話
会話には2つの機能がある。ストーリーを前進させること。登場人物を明らかにすること。
・サブテキスト
「どうしてほしいんだ?」「大丈夫か?」のみが、主人公か敵対者に目的を明確に読者に言明させる機会を与える。実際の映画では、そのセリフは何らかのアクションに取って代わられるかも知れないが、脚本では読者になぜ登場人物が今こうしたことをしているかを確信させる必要がある。同様に、「大丈夫か?」というセリフは、事実上どんな映画でも避けられない。ドラマは葛藤である。葛藤には結果がある。結果は、しばしば損害をもたらす。そこで、登場人物が飛行機から転落しようと恋に破れようと、誰か他の登場人物はやがては「大丈夫か?」と尋ねるだろう。
・エネルギー
どのように純粋に説明的な会話にエネルギーを注入するのか?会話を予想外の設定に据えることによってである。その説明をボウリングの試合、カーチェイス、あるいは寝室のシーンの間に持ち込んでみなさい。映画には特別な才能があり、音楽、音響効果、絵、会話により複数の異なったレベルで同時に、観客へ情報や感情を伝達することができる。
・期待
会話のシーンに期待を与えるのが、危険の感覚
会話のテクニック
・代名詞を一切使わない
・「しない」「できない」「しないだろう」「すべきでない」などの否定的な言明を全て排除する
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ハリウッドの脚本は機械的に作ることも出来る。という本。これを元に一本の中篇映画を制作しました。
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一通りワークをこなしてみた。
まだ私が見ていない映画がたくさんあり、それらが課題になっているので、これから見たい。
「スーパー編集長のなんたら」という本で、この本を読めば誰でも小説が書けるとおすすめされていたけど。内容そのものがかなり高度で、読みこなすのは大変。
最低三度くらいは読み返したい。 -
ドラマとは葛藤である。
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内容はもっともだが、日本語がわかりにくい。