のめりこませる技術 ─誰が物語を操るのか

  • フィルムアート社
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感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (439ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845912056

感想・レビュー・書評

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  • 日本アニメのメディアミックス戦略や、コミケ的な著作権対応が高い評価を得ている。

    創造力は記憶力と比例。ならば、万人向けの内容はメディアによって流布されたライフスタイルやイメージ、それも、文章、静止画、動画と経験に応じて受けが変わる可能性。絵画、文芸、音楽が教養として流通しているが、それに加えて映像も加わってくるか?

    日本人はゲームと実生活を切り離せる特異な人種らしい。

    感覚へのインプットが実体験に近いほうが、反応が自然で報酬がランダムな方がより熱狂的に受け入れられるようである。オンラインゲームで廃人が出るのもそのためか?

    本書にゲーミフィケーション的なアプローチはほとんど無く、メディアミックス的、ユーザーエクスペリエンス的な内容が多い。脳科学的な方面からの内容もある。物語の文法についてはあまり深くはない。

    あの時、ライブドアがテレビ局の買収に成功していたら、この本の内容ももうちょっと違っていたかもしれないと思う。

  • 文学、ラジオ、テレビ、そしてインターネットへと、新しいメディアが登場するたびに知識人は動揺し、大衆は混乱・感化されていった。フィクションとしての大衆文学が登場したときも世間は動揺したとか。現在の生成AIをめぐる騒乱のような感じ?
    創作を事実と解釈してしまうじゃないか、危険極まりない、ということですね。
    いまや古い媒体で何を主張しようが、届かない時代が近い、とも思わせます。

  • (過去に読んでいた本を登録)
    内容を覚えていないですw

  • 今どきはそのドラマに出演している俳優が役になりきってTwitterで呟いたり、本編中の何の意味もない部分に隠れた符牒を見つけたとSNS内でファンたちが勝手に盛り上がったり。そういったこともひっくるめての作品世界、という考え方になってきた。ひと昔前のフアンジンやら二次小説やらアングラ的世界だったものが今は軽々とネットに浮上し大きく拡散していく。それに黙っていられず著作権問題で訴えた製作者側が逆にファン達からフルボッコにされて訴えを退ける。今はそんな世の中なのです、それを無視しては通れないのですよ、という本。

  • のめり込ませる技術
    2001年 AI
    2007年ダークナイト
    これはゲームではない
    ナインインチネイルズイヤーゼロ
    42エンタテイメント
    90年代ゲーム ミスト

    フィクションは単なる個人が持って人生の感想に過ぎないのだろうかあるいは何か本質的なもの人生の要約であるシミュレーションとして読者に私たちの存在と言うものを理解する手助けしてくれる者となり得るのだろうか。人生というのは理不尽に唐突で哀愁に満ち、無限に続く恐ろしいものだ。対して、よって書かれたものは、理路整然ときれいにページの中に収まる有限の、去勢された人生に過ぎない。と言うものがあった

    新しいメディアは登場に伴って自らを新しくないと偽る歴史的パターンがある。映画も舞台のふりをし、テレビもラジオのパタンを使った。印刷から映画からテレビに至るまで新しいメディアが登場するたびに物語の世界にあなたを連れ去る力は強くなる。その反動として、新しいメディアは必ず恐れと反発を持って迎えられる。

    インタラクティブ映画の失敗
    インターフィルム社 90年代前半
    映画はハイパーリンクのように枝分かれしていくわけにはいかない
    タランティーノ パルプフィクション

    つまり私たちはごっこ遊びをやっているわけです。そして物語を通じて、他の人はもっと経験を共有するんです。だから私が思うに遊びと物語を2つで1つなんです。人類が進化の過程で出くわした、最初の教育技法だと思うわけです。

    箱が象徴するものそれはまだはっきりしていない能力希望無限の可能性私がやる全てに共通している事なのですが私は何をやっても可能性を追い求めているもっと先があると言う感覚だからこの開かずの箱が好きなんだ神秘性と言うものは想像力の起爆剤である物語が謎の箱でなくて何だと言うのかスター・ウォーズも然りだ意図的にかくされた情報がなくては神秘性は生まれないそして神秘性とキャラクターは同じなのだ自分の内面を探った中に何が入っているか見てごらんなさいミステリーの箱と言うのは私たち自身のことだとわかるはずです。

    Nike+ 広告に見えないプラットフォーム
    走りをゲームに変える

    人間は本質的に社会的な生き物である。とオランダの哲学者歩歩でスピノザが1日の中でアリストテレスに共鳴するようにそう書いている。情報発信はしばしば物語を伴う。物語を語ると言う行為は純粋に共有すると言う行為に他ならないと言うことが見えてくる。人は情報共有し経験を共有する。そもそもこの共有の欲求はどこから来るのか。それは人生と言うものが、休む間もなく着く情報交換の連続だからに他ならない。人は目にも留まらの速さで相手の感情を察知しながら、お互いに関心を払い会わずにはいられない生き物だからです。

    今自分が好きな娯楽作品を何通りで遊べるか。私たちは日進月歩で完全に同化可能な娯楽に近づいている。手で触れて感じることができる娯楽。例えばあなたが出かける先でもあなたを巻き込むドラマ。行きつけのスターバックスで情報交換。新聞に隠された暗号。誰かがそういうエンターテイメント絶対に実現する日が来る。

    仮想現実
    シミレーションで作られた人間が住まう趣味レーションの世界。仮想人間をどこまで作れるか。

  • 海外ドラマで
    意味不明な場面があったけど、それがどうやらネットとの連動企画だったことがわかった。

    あの手この手で引き寄せられる受け手
    でもスターウォーズみたいに
    二次創作で盛り上がって大河になるような
    作品はもう出てこないんだろうなぁ…

  • ビジネス

  • マスメディアの変容は時代の象徴である。受け手側の意識、現実と虚構の境を混沌とさせていったのもマスメディアの策略だと気付いた時、これから先の社会の居場所を各々が見出していかねば、消費文化におぼれてしまうかもしれぬ。と赤貧家庭なりに考える。大丈夫。のめりこんでもすぐに飽きちゃうから、なんて楽観視。

  • マスメディアの緩やかな終焉と、自らがメディアとなっていくネット社会の考察。
    アメリカのゲーム・ネット史。物語を使用して人をのめりこませる技術。参加型の「面白いこと」事例が多数あり、謎の多いドラマ・映画、Web上の謎解きなどが好きなら読む価値がある。
    「あのゲーム楽しかったねー」や、技術的側面偏重だったり消費構造に目を向けるのが精いっぱいな類書に対し、アメリカのゲームがネット文化(技術)をいち早く取り入れて展開していく様子が克明に記され「ああ、こりゃ、かなわんわけだ」と。

  • 素晴らしい。
    この本自体にのめりこんでしまった。
    創作する上でいくつもの視点が加わった。
    訳もとてもいい。

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