Film Analysis 映画分析入門

  • フィルムアート社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784845914395

作品紹介・あらすじ

映画を多元的に読む-ワールド・スタンダードな「映画学の教科書」決定版。

感想・レビュー・書評

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  • パラパラとめくって閲読。
    こういった教科書の読み物は堅めで読みにくいことが多いので斜め読みにして読み下しましたが、思いのほかわかりやすく具体的な映画を出して当てはめて解説してくれます。

    カメラワークの意味なんかは、受け身の側から感じてはいたけど言語化するとこういうことなんですね。アップにしたり、画面を引いたり。

    第2部は映画に盛り込まれた思想を解説しており、ゴッドファーザーのところが面白く読めました。

    アメリカでは標準的なテキストとして使われているらしく、なのでわりと穏当な解説と運びで、日本の大学の映画学科的なところでも参考図書に指定されているようです。

    自戒も含めて。
    文学などでもそうですが、ただのエピソードをなぞっただけのレビューが多く見られます。
    印象批評はもちろん駄文にすぎませんが、批評するなら解釈と評価の言が欲しくなりますよね。あるいはストーリーをもとに解説したり論じたりする程度に。
    そういった物足りなさを感じている人に向いてるかなと思いました。

    • 5552さん
      夜型読書人さん、こんにちは。

      この本、読みたい本です。
      中身も信頼できるものみたいですね。
      レビューを読んでますます読みたくなりま...
      夜型読書人さん、こんにちは。

      この本、読みたい本です。
      中身も信頼できるものみたいですね。
      レビューを読んでますます読みたくなりました。
      2018/06/12
    • 夜型さん
      5552さん、いらっしゃい。
      良い本ですよ。
      映画の文法という本もおススメです。
      映画史は入ってないので補うと吉です。
      5552さん、いらっしゃい。
      良い本ですよ。
      映画の文法という本もおススメです。
      映画史は入ってないので補うと吉です。
      2018/06/12
  • 映画とは技巧と意味との結婚である。 

    シャイニング
    市民としての抑制が外れると、獣に帰る者もいるというのが、キューブリックの主張なのである。

    タランティーノの「宗教的改心」
    キューブリックによる童話のほのめかし  

    男性が支配的であるというのも、ヒッチコックが自明視していた事柄である。

    ロードオブザリング  色 で王家の血筋という連続性が示唆されている。

    『アバター』は鉱山社会と土着の種族との対立を描いたものだが、同時に、
    表だって描かれてはいないが、環境保護についての米国保守派とリベラル派との対立にも見える。

    アメリ  赤をメインにしているが、青を点在させている


    『フィクサー』主人公の写され方  

    なぜ『シャイニング』では青と赤がこれほど使われるのか?

    『フィラデルフィア』において、不当に解雇されたAIDS患者の救済を決意した黒人弁護士のショットはなぜ頭上から撮られているのか? 

    『第三の男』 わずかに斜めに歪んだクローズアップによって、この人物に不吉な印象を与えている。

  • アメリカの映画批評入門クラスの教科書として使われているということで、たしかに基礎的な知識が網羅的にカバーされておりわかりやすい。第1部ではカメラワークやカラー、画面構成など技法面の解析について、第2部では構造主義、ポスト構造主義、ジェンダー論、ポストコロニアル論などのさまざまな現代思想の潮流も踏まえて、意味の解析について解説されています。豊富なスチール写真を使って解析の例が示されているのもたいへん魅力的。
    ところがAmazonのカスタマーレビューを見ていたら、この意味論解析の部分について、「80年代でもあるまいに、大昔の左翼アジ演説みたいな教条主義」とこきおろしている人がいるんですよね。ジェンダー論とかポスト構造主義って、大学で批評を体系的に学ぶのなら当然最低限押さえておくべき基本だと考えられてるからこそテキストになっていると思うんだけど、映画批評の本を読むような人が、それを古臭い左翼の教条主義だと認識しているとは? 
    まさにこういう態度にこそ日本の映画批評の問題が如実に表れてると思いますね。21世紀にもなってメジャーな映画批評誌にフェミニスト視点やポストコロニアル視点からの批評がほぼ皆無という状況がどれだけまずいのか自覚がない。映画批評というのは、まさにサイード的な意味での知識人の仕事であるべきなのに。
    こういう日本の状況の中で、このテキストが翻訳され使用されるようになったのは画期的なことなのかも。これで批評を学ぶことのできる学生はうらやましい。

  • 類書にはなかなかないバランスのよさ。
    映像分析と批評理論から構成。

  • 映画分析を始めるにあたってこれ以上ないというくらい、いたれりつくせりの教科書。具体的なシーン分析も豊富で、学びの一歩にまず間違いない本だ。

    映画をいかに見ていなかったかが分かる。人と人の配置は、光の当たり方は、ものの配置は、制作者はだれに感情移入するように仕向けているか…。映画には実に多くの表現が詰まっている(にもかかわらず私は気づいていない!)。本書を読んだ後は、もう映画を観て素朴に「感動した!」とは言えなくなるだろう。

  • ちと難しい。映画観ながら読むのですすまない。
    しかし面白い。教科書であることは間違いない

  • 第一部を読みたくて買った。

    第一部は知ってる映画も多く、内容も面白かった。
    是非繰り返し読みたいし、他の同様の本も読んでみたい、

    第二部は古く知らない映画が多く、想像で読むしかない物が多く難しかった。また、テーマと内容が一致しているか疑問に感じる章もあった。

  • だらだら読んで時間かかったけど、とてつもなく良い。映画を観るための武器が備わる。分析の手法を身に付けることで理解、解釈がぼんやりとしたものから確信へと変わる。素晴らしい。

  • この本きっかけに『我等が生涯最良の年』を鑑賞。
    ストーリーだけでなく舞台設計や撮り方にも関心を向けられるようになり、これまで見出せなかった深い味わいを汲み取れたように思います。

  • 早く就活と修論終わらせて映画撮りたい

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