虐待と親子の文学史

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  • 論創社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846010645

感想・レビュー・書評

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  • 弁護士の著者が、文学と虐待という切り口で描いている事が面白い。この本の中で触れられている作品の中で興味深い本は幾つか読み始めたり、購入をした。中盤までの明治以前から昭和中期までの内容は読み流す程度だったが、後半は興味深い内容が多かった。自分が育ってきた時代に近いからという理由もあるのだが、経済成長と父親の不在、密着する母親、不倫、自分の欲望と子供を育てる事を天秤に掛けると言う事や家族の崩壊、機能不全家族というものは、複雑な関係であると思う。虐待の表裏には過保護というモノがある。(続きはアマゾンレビューに)

  •  今の時代「当たり前」と思われていることが、むかしから続くことではなかったんだなぁと感じさせられた。
     文学史、なので書かれた作品によるものである(つまりサンプルはある程度の教養のある人によるもの、新聞記事など)。なのでそれが全てとは言えないけれど。

     江戸の時代、親は優しいものであった。
     それはそもそも生き抜くことが難しいからであって、口減らしなんてのはまた別のお話だ。

     明治大正昭和になり軍国主義となるにつれ、「強い父親像」が国によってつくられる。けれども父親達は戦争に出て、父親不在の家庭が作られ、戦後、家庭の有り様は大きく変わっていく。

     昔は強い父親が~というような話は良く聞くけれど、居なかったらしい。
     そして家族というものは・・・・・・なんというか、大変な時代に生きてるな我々
    と思ってしまった。

     当たり前とかあるべきとは考えない方が楽なのかもしれないなと思った。

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著者プロフィール

明治大学教授

「2015年 『社会福祉と権利擁護』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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