警官の騎士道 (論創海外ミステリ 110)

  • 論創社
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  • Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846012717

感想・レビュー・書評

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  • 元判事が自宅で殺害された。被害者は現役時代に無実の人間に有罪判決を出してしまい、脅迫状が届いていたためその男が容疑者かと思われた。しかし捜査が始まると屋敷にいた身内の人間も容疑が濃厚になり…
    読者への挑戦(的なもの)付きの端正な本格である。
    限られた容疑者、密室、見取り図やタイムテーブルもあって、地道な聴き取りが続く。正直、地味で盛り上がりに欠けるが、クラシックな本格好きには好感が持てると思う。作品も探偵役のビール警部も真面目。
    警官が友人のジャーナリストを捜査にむっちゃ参加させてるところはどうなの、と思うが、これも古典の醍醐味か…

  • ガチガチの本格。これぞ本格。ザ・本格!!

    真面目というよりクソ真面目。フェアという絶対的な枠組みの中、緻密で細かなストーリーが展開される。密室、アリバイ、容疑者の証言、タイムテーブル、伏線、そして読者への挑戦など、じっくり丁寧に謎解きを楽しみたい読者にとってはたまらない仕上がりになっている。

    スピード感があるわけじゃなし、全体的に地味なので、退屈する部分もあるかもしれないが、徹底的な可能性の考察など、主人公の論理的思考シーンはなかなかの読み応え。犯人を当てるのは難しくはないが、推理のプロセス込での正解は必ずしも容易ではない。探偵としての適正が求められるので、挑戦する価値は大いにあり。

    伏線を残らず回収する着地など、締めくくりまでスマート。もう少し短ければもっと読みやすいのかも。本格に飢えた状態で読むのがお勧めかな。満腹を感じる前に読了するのがベスト。

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著者プロフィール

本名アーネスト・バジル・チャールズ・ソーネット 英国コーンウォール生まれ。第二次世界大戦中はロンドンの英国政府暗号学校に勤務し、戦後はその後身である政府通信本部で働いた。1968年に引退。1936年にThe Talkative Policemanで作家デビュー。1941年まで8冊の長編ミステリをルーパート・ペニー名義で上梓した。いずれもエドワード・ビール主任警部を探偵役に据えている。ほかに、マーティン・タナー名義の作品もある。

「2019年 『密室殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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