白川静さんに学ぶ これが日本語

著者 :
  • 論創社
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846017743

作品紹介・あらすじ

日本語の語源の世界をときあかす

*日本人は数をいくつまで数えたか?
*「ものしり」「もののけ」「ものがたり」のつながりとは?
*「ひがし」と「にし」の「し」とは何か?

文字を持たなかった日本人が漢字と出合い、それを国字として取り入れて、使いこなしてきました。しかも、本書で記したように漢字に日本語が征服されてしまったという形ではありません。日本語は、生き生きと、いまも国語として存在し続けています。(「あとがき」より)

感想・レビュー・書評

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  • 白川静が著した三大字書の一つで、日本語の語源に関する字書である『字訓』にもとづき、日本語の体系的なつながりについて紹介した薀蓄の書

    さえぎる・せきとめる意味の「塞く(せく)」から「関(せき)」と「堰(せき)」が生まれ、「塞く」と共通する語源を持つ言葉に「狭(せ)」「瀬(せ)」がある
    また、この「せ」で始まる「狭い」「迫る」「責める」も同じ語源で、意味がつながっている

    「はたhata」「へたheta」「ほとhoto」「はてhate」「ふちhuti」は日本語の母音交替という造語法でつくられた言葉で、共通する意味──中央に対して端、内に対して外──を持っている

    など、1項目4ページ、全50項目にわたり“目からうろこ”の興味深い話題が取り上げられている

    2014年春から1年間の新聞連載「国語は生きている 白川静『字訓』を読む」を全面的に書き直し、三倍の分量にして単行本化

    中高生でもわかる内容
    小学校の教師はもちろん、日本語にかかわる仕事をしている人、必読必携の一冊

  • 白川静が著した「字訓」をもとに日本語─やまとことばの語源を解き明かしていく。母音を変化させることによって語を増やしていくという日本語の特徴が到るところで見られることに改めて驚いた。ひとつ×2=ふたつ、みっつ×2=むっつ、よっつ×2=やっつ、と倍になる数も母音変化で現していること、八百万の神や八岐大蛇のように聖数が偶数であることが多いことから、日本人が偶数性の強い民族であるとしていることも興味深かった。和を以て貴しとなす。

  • もの=精霊

    ひとつ=人
    ふたつ=hito→huta 母音交替で倍の関係
    みっつ=満つ
    よっつ=弥=なおいっそう
    いつつ=いと=最高
    むっつ=蒸す
    なな=並無=奇数の意味
    やつ=弥=それよりもっと
    ここのつ=屈並べて(かかなべて)=片手で指を屈して
    とお=たわわ

    うら「心」うらやむ「心病む」
    衣の内側「裏」

    おもう「面」=顔に出る

    肴=骨付き肉、魚(さかな:江戸、うお:関西)

    笑う=顔が割れる、緊張が破られる

    打ち上げ=宴、 歌=拍つの動詞、拍って(神に)訴える

    赤=明 黒=暗い、暮れる 白=記(しるし) 青=藍 紅=呉の藍

  • 2019.4.12. 書評サイト『本が好き!』の献本。

  •  日本語というか、和語というか、漢字を訓読みするときに使う言葉をさかのぼると面白い。漢字の大学者として白川静さんが、万葉集の研究から始めたという面白い話は有名だけれど、子供だけじゃない、高校とか中学校の、それも国語の先生たちも、そんなことには関心がない。
     学校で、子供に日本語を教えたい人はここからはじめるのがいいと思う。
    https://www.freeml.com/bl/12798349/1085267/

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著者プロフィール

著者略歴

小山鉄郎(こやま・てつろう)
1949年、群馬県生まれ。一橋大学経済学部卒。共同通信社編集委員・論説委員。村上春樹作品の解読や白川静博士の漢字学の紹介で、日本記者クラブ賞受賞。著書に『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』『白川静さんに学ぶ 漢字は怖い』(共同通信社・新潮文庫)、『白川静入門 真・狂・遊』(平凡社新書)、『村上春樹を読みつくす』(講談社現代新書)、『村上春樹を読む午後』(文藝春秋、共著)、『村上春樹の動物誌』(早稲田新書)、『大変を生きる―日本の災害と文学』『文学はおいしい。』(作品社)『あのとき、文学があった―「文学者追跡」完全版』『白川静さんに学ぶ これが日本語』(論創社)など。
2009年から白川静博士の業績を学ぶ同人会「白川静会」の事務局長を務めている。

「2021年 『白川静さんに学ぶ 漢字がわかる コロナ時代の二字熟語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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