作品紹介・あらすじ
イタリア南部の海辺の町で起こった不可解な殺人事件に巻き込まれる若きイギリス人の苦悩。嘘つきは誰だ! 技巧を凝らした傑作長編ミステリ。
感想・レビュー・書評
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三人称個人視点なので、何か仕掛けがあるかと考えすぎた。
シニヨール、シニヨリータがいみわからんかった。セニョール、セニョリータを今はこういうのか。
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論創社からエリザベス・フェラーズの「新刊」、『亀は死を招く』が出るので、積読だった本作を読みました。英国の作家によるイタリアを舞台にした作品。
読み進めるにつれて、各章の終わりに衝撃の事実が明かされ、二転三転する真相の行方が気になって一気に読めました。
多少ご都合主義的なところも感じなくはないのですが、ちゃんと真相につながる伏線も張られているし、やはりフェラーズは話の進め方が上手いと思いました。
全体の雰囲気が若干暗い感じはありますが、同じく論創社から出ている『カクテルパーティー』や『灯火が消える前に』(これらも面白く読みましたが)に比べたら、明るめの作品。
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主人公はイタリアで住み込みの家庭教師をしているルース。ある日ルースの雇い主であるレスターの死体を、誰もいないはずの家の中で発見する。直前に家から飛び出したレスターの息子ニッキーをかばって、ルースは死体を見つけたことを警察に隠してしまう。だが警察は全く別の場所で車に轢かれて死んだレスターを発見したと告げるのだ。家の中で死んだレスターを見ているルースは、警察が見つけた死体はレスターでないことを知っているが、それなら一体死体は誰なのか。ニッキー、ルースの男友達、レスターの友人夫婦、レスターの家政婦と運転手夫婦と怪しい言動をする人物ばかりで面白い。田舎のイタリア人といった感じの村人たちも雰囲気があって良い。ちょっと最後は駆け足っぽくなってたのが残念かな。
著者プロフィール
本名モーナ・ドリス・マクタガート。別名義にE.X.フェラーズ。1907年、ミャンマー、ヤンゴン生まれ。6歳の頃、英国へ移住し、ロンドン大学でジャーナリズムを専攻。1930年代にモーナ・マクタガート名義の普通小説で作家デビューし、ミステリ作家としては、「その死者の名は」(40)が処女作となる。英国推理作家協会(CWA)の創設メンバーとしてミステリの普及に尽力し、1977年にはCWA会長を務めた。代表作に「猿来たりなば」(42)、「カクテルパーティー」(55)など。95年死去。
「2020年 『亀は死を招く』 で使われていた紹介文から引用しています。」
エリザベス・フェラーズの作品
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