世界が見た福島原発災害・3

著者 :
  • 緑風出版
3.33
  • (0)
  • (1)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 14
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784846112035

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 3.11から1年…福島原発災害は、政府の「冷温停止状態」という収束宣言がでたが、「見え透いた嘘」と世界の物笑いになっている。静かに拡大し、深刻化する汚染。「姿なき挑戦者」と戦う姿が描かれております。

    僕は最近、テレビの深夜帯のニュースをいくつかザッピング形式で同時並列的に見てから寝るというのを日課にしております。どの番組も原発問題に関しては
    「嘘は言わないけれど、本当のことも明かしていない」
    という「高等戦術」を駆使した報道がなされているんだなぁ、と言うことをとみに感じております。

    ここでは福島の原発事故の経過を海外の報道機関がどのようなまなざしで見ているのか?さらには福島の女性たちが子どもを守るために「東北の鬼」となって経済産業省ならびに国家相手に連帯して立ち向かっていく姿も取り上げられており、それはまるで戊辰戦争の際、自ら男装して会津城に立てこもり、政府軍相手に大立ち周りを演じた同志社大学創始者・新島襄の妻である新島八重を彷彿とさせるものでありました。

    やはり、「エリート」に信頼が寄せられていないという現在の時勢はあまりよろしいものではなく、それがメルトダウン、ひいてはメルトスルーという形で露呈されたのではなかろうか?そんなことさえ読みながら感じておりました。特に、ヨーロッパやアメリカの高級紙は論説が皮肉は入るわ痛切な批判は入るわのオンパレードで、これをぜひ広く皆様にもお読みいただいて、現在、日本が世界でどのように見られているか。そして、ここに紹介されているYoutube動画などを見て、これから長く続いていくであろう「姿なき挑戦者」との戦いに備えていただけたらと思っております。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

1949年、仙台市生まれ。
東北大法学部卒。北海道新聞に入社し、社会部記者、カイロ特派員、社会部デスク、論説委員を務めたあと、1995年に中途退社し、フリーのジャ―ナリストに。2009年3月まで、東京医療保健大学特任教授。
著書は、『世界が見た福島原発災害』1巻~6巻(以上、緑風出版)のほか、『教育に強制はいらない』(一光社)『緑の日の丸』『NONOと頑爺のレモン革命』(以上、本の森)『戦争の闇 情報の幻』(本の泉社)など。
訳書は、『諜報ビジネス最前線』(エイモン・ジャヴァーズ著、緑風出版)『自由な学びとは―サドベリーの教育哲学』(ダニエル・グリーンバーグ著、同)『自由な学びが見えてきた―サドベリーの教育哲学』(同、同)『逆転の教育―理想の学びをデザインする』(ラッセル・L・エイコフ/ダニエル・グリーンバーグ著 共訳、同)『イラク占領』(パトリック・コバーン著、同)『イスラム国の反乱─ISISと新スンニ革命』(同、同)『戦争の家 ペンタゴン』(ジェームズ・キャロル著、上下2巻、同)『地域通貨ルネサンス』(トーマス・グレコ著、本の泉社)など。

「2019年 『世界が見た福島原発災害7 ニッポン原子力帝国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

大沼安史の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×