10代のための読書地図 (別冊本の雑誌20)

制作 : 本の雑誌編集部 
  • 本の雑誌社
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本棚登録 : 856
感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860114596

作品紹介・あらすじ

書評誌「本の雑誌」が10代向けブックガイドを初刊行! 書評家、書店員が結集し、この一冊で本の虜になる本大紹介!

感想・レビュー・書評

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  • ブックガイド、ついつい読んでしまいます。

    小中高校生向けの100冊選書対談にニヤける。
    この人ならこれだよね、とか、この本入れるなら、これも読んでおかなきゃとか。
    その気持ちわかりますーってなる。
    敢えて、どメジャー作品は外したラインナップのようだけど、結構歯応えある作品もあるような。

    ちなみに既読作品は21冊。まだまだひよっこです。

    テーマ別の本紹介エッセイはいいんだけど、読書についての話って、なんでか説教くさくなるよね。
    読書に対して一歩踏み出せるかどうかは、やっぱり本そのものの魅力な気がする。

    終盤に入っているご当地小説マップ「Go To 読書」がかなり良い。
    ライトノベルが割とボリューム占めてるのと、えっ、あの有名作品入ってないじゃん!みたいなのはあるけど、片っ端から読みたくなる。

    10代には10代の世界がある。
    手軽にゲームやコミュニケーションツールに手を出してしまう気持ちは、めちゃくちゃ分かる。
    だって自分が世界を動かし、たくさんの仲間が集まり、リアルタイムで励まし合いながら、どんどん強くなっていく。
    もちろんストーリーに共感し、感動することだってあるだろう。

    それに対して、活字から世界を起こしていくことは、自らのイマジネーションが為せる技だ。
    だから、ちょっと手が出しづらい。
    でも、自分が主人公ではない、分かり合えない、そんな世界と対峙することもきっと必要だ。

    世界の殻を破るような読書だって、面白い。

  • この夏、読書に抵抗のある10代の子に本をおすすめを聞かれて答えた経験があって、本を勧めるのって難しいなと感じてこれを手に取った。

    書店員らがジャンルごとに10代にお勧めしたい本について語っている本。

    本をたくさん読んできた人が読めば、「わかるー!!!」となるんだろうなと思った。
    (私は定番とされている本をほぼ読んでこなかった10代を過ごしてきたので、読んだことのない本ばかりだった。)

    それぞれの作品について丁寧におすすめしている、というよりは、各々がおすすめしたい本についてエッセイを綴っている。
    王道の作品、というよりは、「あえてこれをすすめたい」という選書がちょっと多い印象で、個人的にはもうちょっと王道の作品ばかりのほうがやさしいかなと感じた。

    私がもし10代にいろんな本の紹介している本を勧めるなら、この本よりも芦田愛菜さんの「まなの本棚」のほうを勧めると思う。あれは充実しててよかったです。本を読みたくなる本だった。


    以下、備忘録として、この本を読んで気になった作品リスト。

    ・宇佐美まこと 夜の声を聴く
    ・森谷明子 春や春
    ・米澤穂信 氷菓
    ・アガサクリスティ アクロイド殺し
    ・高野和明 幽霊人命救助隊
    ・辻村深月 ぼくのメジャースプーン
    ・田口幹人 まちの本屋
    ・穂村弘 シンジケート
    ・重松清 きみの友だち
    ・恩田陸 チョコレートコスモス、六番目の小夜子

  • 本の雑誌編集部編『10代のための読書地図』 | 本の雑誌社
    https://honnozasshi.stores.jp/items/60c9320a84ec6e277aba13a5

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      18歳まで本を読まなかった編集者が、なぜ『10代のための読書地図』を作ったのか? | ダ・ヴィンチニュース
      https://ddnavi.c...
      18歳まで本を読まなかった編集者が、なぜ『10代のための読書地図』を作ったのか? | ダ・ヴィンチニュース
      https://ddnavi.com/interview/831841/a/
      2021/08/20
  • 本書のことは、帯にすべてが語られています。なので、そのまま引用させていだきます。
    ここから〜
    つらいときも
    さびしいときも
    たのしいときも
    どんなときも
    本がある。

    「朝の読書」「夏の読書感想文」対応の「10代におすすめするベスト100座談会」から「ジャンル別ブックガイド」、全国書店員さんがおすすめする10代に読んでほしい本&読んでおきたかったと後悔した本。
    本の買い方・探し方を始め、本の世界のガイドも充実。
    「本の雑誌」ならではの切り口で、10代の読書に迫る。
    〜ここまで
    本書のタイトルにもある通り、10代に向けた書籍です。私のような50歳をすぎたおっさんは、お呼びじゃないという明確なメッセージを突きつけられています。
    そんなタイトルにも負けずに、本書を手にしたわけです。
    いやいや、おっさんにも(でも)なかなか読み応えのある一冊でした。ジャンル別のブックガイドは、作家や書評家、書店員の方々がテーマに沿った書籍を紹介しています。どれも、これも、読みたくなる本にあふれています。私にとっては、今まで知らなかった本が多く、10代の頃にこれらの書籍と出会っていたら、また違った人生を歩んだかもしれないなぁと思わせてくれます。
    おっさんになってから手にした作品で、今後じいさまとなる生き様に影響を与えてくれるかもしれないのです。そんな気持ちにさせてくれるブックガイドでした。

  • 司書のお友達に貸してもらった本。
    ありがたい。
    新しめの本も定番の本も紹介されていて、何度も読みたい本。
    P180田口幹人さんのところに、読書が嫌いな理由がある。
    ①読書の必要性を教わらなかった。
    ②興味のない本を読まされた。
    ③音読で恥をかいた。
    本を読めと言われても、何を読んだら良いのか?
    読書環境が整っていなければ、読書指導にならない。
    本を手に取れるようにすることは、私の仕事。
    本好きを増やしたい。
    そのために日々、工夫を凝らし、
    生徒に本を届けている。
    若い時に読書することで、自然と見極める力が身につき、自分をデザインするための基礎を作ることができる。
    本との出合いは、人との出会いに似ている。未来の自分の可能性を広げてくれる。
    選書の参考にもなるし、大人も子供も読むと学べる!

  • 攻めたブックリストが素敵です。
    学校司書さんや、国語の先生がまとめたブックリストは、良くも悪くも教育的な本が多く、
    生徒に幅広い読書を進めるには、少々物足りなさも感じられることがある。
    この本は、本好きな人たちがまとめたものなので、
    テーマごとの記事でも個性が出て面白い。

    読み手に配慮しすぎない本のリストで、
    10代以外にも楽しめる。

    そのほか、本に関する言葉や、感想文の書き方、売れ行きから見るティーンの読書傾向など、
    10代がさらに本を好きになれる一冊。
    本好きな子に薦めたい。

  • 小学校高学年〜高校生向けのブックガイド(本文中に出てくる書名、人名にはルビ付き)。

    座談会は有名/定番作品・作家を中心に手堅く押さえている感じ(最後に小中高生別のリスト有り)、ジャンル別ガイドは各執筆者のおすすめを4〜5冊挙げている感じでしょうか。本屋大賞や今の10代に人気の作家なんかはあえて外している感じなので、普段まったく/あまり本を読まない、という子だと入りづらいかも、とも思いました(自分は10代の頃にラノベをバリバリ+たまーに最近の一般小説を読んでいた口ですが、古典作品や翻訳物はとっつきにくい印象が大きくて、敬遠していました)。
    「学校」「部活」「友だち」「恋愛」「性」など身近なジャンル、ご当地本はもう少しページを割いても良かったような気も。
    あと、座談会の選書で中高生を歪ませようとしていたり(笑)、「ダメ人間」本のおすすめがあったりと、変にお行儀が良すぎないところは良いなと思いました。10代の頃に読んだものって後々影響が出てくると思うので、いい意味で“早めに歪んでおく”“道を誤っておく”読書も大切かもと思います。

    読書家というほどではないけれど多少本を読んでいて、「もう少し色々な本に手を出してみようかな」「少し背伸びをした読書がしたいな」と思っている子、10代に本を勧める立場の方にはある程度参考になるのではないかと思います。

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    「今どきの児童文庫売り場」の「絵の魅力」「自分で選んで読むことを求めている」、わかるなーと思いました。一般文庫と違い定番化が少ない&新陳代謝が早い中で、「ぼくら」シリーズが不動の人気とは凄い。

  • ステイホーム推奨の影響で、読書への注目が高まっているのか、ブックガイドの刊行が結構多めな気がする昨今。ブックガイドファンの自分としては、とても有難い風潮。もっとどんどん出版されることを願う。でも、ガイド本を読めば読むだけ、読みたい本の数は増えていく一方という、有難い悲鳴も上げなきゃならん。まあ良いけど。奥さんとの相乗効果もあり、我が子にはかなりの勢いで本を浴びせていると思うけど、翻って自分の幼少期、読書の絶対量が少なかったな~。こういうブックガイドを眺めると、痛感されます。ふと行ける距離に書店はなく、外出時にも好んでは立ち寄ってもらえなかった小学時代の反動が、中高以降、外出すれば、行先に必ず書店が含まれるという現状を生んどる訳ですわな。子どもと一緒に、あのころ読めんかった諸々を、是非読んでみないといかん。そんな思いを強くした一冊でした。

  • 小学校高学年から中学生、高校生のためのブックガイドのはずだけれど、この本を手に取るのはターゲットの10代ではなくむしろ何を読ませたらいいか知りたい大人ばかりになるのではないかしらという予感あり。 
    いまどき少数派の本好きな10代には、ぱらぱらっとながめて本の雑誌社らしいちょっとニッチな内容をおもしろがってくれる奇特な子も少しはいるかもしれないけど、ごくふつうの10代少年少女がこの本を通読して自分が次に読む本を探す姿はあまり想像できない。(全体に、本&活字離れが案じられる子どもたちの食指を動かそうという工夫があまりないような…)

    ということで、いま、中学生におすすめのブックガイドのイチ推しとしては、
    堀越英美『モヤモヤしている女の子のための読書案内』(河出書房新社)
    に軍配。女の子だけでなく、男の子にもおすすめできる。

  • いろんな角度から本を紹介してるので、どこかで引かれるものがあるかな。巻末の10代おすすめ書店員アンケートは小学生向け、中高生向け、自分が10代のときに読んでおけばよかったと後悔している本、について、17人が回答していて、面白かった。

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