ずぶ六の四季

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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860114633

作品紹介・あらすじ

少し飲むのは得意ではない。飲めばたくさん、が、私のスタイルだ──お酒をください。「週刊ポスト」連載「酒でも呑むか」を改題の上、単行本化。五臓六腑に沁みるわたる酒場エッセイ。

なるべく店の邪魔にならぬように静かにのんでいるうちに、ああ、ここのつまみは、うめえな、とちょっとした有難みが腹に沁みる。そういう店、そういう味に、長い年月かけて、いくつか出合ってきた。(本文より)

感想・レビュー・書評

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  • さほど酒飲むわけではありませんが、酒飲みの人が書く文章が好き。多分憧れがあるんでしょうね。酒場にふらっと行って、さりげなく飲んで帰ってくるような事に。
    居酒屋でもなんでも外で飲むのってわくわくしますよね。庭で七輪、さんま、ビールなんていうのもあこがれる。
    とはいえ普通に生活しているとそんなに表で飲むことも、庭でしみじみ飲むことも無いわけです。僕のような憧れを持っている人に需要があるジャンルなんではないでしょうか。本当に日常的に酒場行けている人は逆に読まないんじゃないかな。
    大竹さんは「多摩川飲み下り」で初めて読んでその哀愁でぐっときましたが、還暦に近くなってきて哀愁が増してます。いい雰囲気です。
    こういう本はいいも悪いもないです。ひたすら浸る感じです。

  •  週刊ポストに2017年から2021年にかけて連載された『酒でも呑むか』というエッセイをまとめた本。飲むのが楽しいのはわかるんだけど、ちょっといくらなんでも飲み過ぎでは、と思いながら読んでいくと、やっぱり体調を崩しながら飲まれている記述がちょくちょく出てきて、なんだか心配になってしまいました。後半はコロナ禍での自宅飲酒の日々が書かれ、お亡くなりになった方達との酒席の思い出も語られます。

  • <柄> 
    イヤハヤなんとも僕にぴったしの本があったもんだ。 作者 大竹聡。少し調べると,もう既に何冊もの”酒飲み本”を書いている。しかもこれらの多くが 本の雑誌社 からの出版だという事にもココロ惹かれる。大竹聡くん 僕より四歳程若い。これだけお酒が好きでその事だけで糊口を凌いでいるご様子の物書きは他には僕には心当たりが無い。

    そして本書は一つひとつの話が実に短くて心地よい。見開きの2ページだけで一つの話は終わるのだ。しかもそれが全部お酒にまつわる話,ってまあそこは趣旨からして当たり前なのだが。しかしまあ読むと飲みたくなる本である。笑う。

    只それだけの酒飲みオヤジの戯言集かと思っていたら,そのうち 吉祥寺 という場所が頻繁に出て来るようになって,そしてとうとう・・・高田渡るさんが亡くなった時(2005年逝去) 吉祥寺のバーの呑み仲間たちと亡骸に会いに行った・・・と言う事が書かれているページに出くわして,もうそれだけで大竹聡くんの大ファンに僕はなってしまった。高田渡るさんは僕がこよなく愛する偉大なシンガーなのだ。(この後も高田渡るさんのエピソードはたくさん書かれている。思えば渡るさんほど酒が似合うシンガーもまあ珍しかろう。献杯!)

    これも高田渡るさん繋がりゆえのことだと思うが、吉祥寺いせやのシュウマイが酒の肴に最高だ,とも書いている。僕もこのいせやの大ファンで新型コロナバイラス禍津以前の東京出張仕事の際は,しばしば吉祥寺まで足を延ばしてこの旨くてボリュームたっぷりのシュウマイを食べたものだった。新型コロナバイラス禍津もそれなりに収まってきたし,そろそろ頃合いだな,よし又行こう。まだあの界隈の僕の飲み友達たちもしぶとくそのまま生き残っている筈だから。

      さて僕が40年来住んでいる尾張地区の飲み屋もこの本には登場する。それは名古屋地下鉄伏見駅の7番出口(2023.02月現在工事中で,この出口は使用不可。すまぬ)の目の前に在る「大甚本店」。この古くからある店を僕は最近まで知らなくて始めて行ったのは確か昨年(2022年)の晩秋の頃。当たり前だが本書に書かれている通りの店でカウンターに所狭しと並べられた肴を選ぶのがすこぶる楽しい。僕のここでの酒はビール一辺倒でしかも瓶ビールのみ。赤星をいったい何本飲むんだっ!!

      ここで無粋ながら本文225ページからそのまま引く。 『千住の「おおはし」明治十年,神田の「みますや」明治三十八年,名古屋の「大甚」明治四十年,静岡の「多可能」大正十二年,浜松町の「秋田屋」昭和四年,子安の「市民酒蔵諸星」も昭和初期。きわめつけは大阪,おでんの「たこ梅」は弘化元年,江戸時代の創業である。』大竹くんが推す古き良き飲み屋だが,このうち,先に書いた名古屋の大甚は地元なのでもちろんの事だが,子安の諸星と浜松町秋田屋へも僕は行った事があるのだ。

    新子安駅そばの 諸星 は犬山の某ライブ喫茶の店主O氏や福島生まれ関東地区在住のミュージシャン,フォーク者イサジ式さんと共に。秋田屋 は僕が務める会社の東京本社がJR浜松町駅前にある関係で行った。どちらも非常に個性のある飲み屋さんである。僕も,まあ「ずぶ六」とまでは言えないけれど「ずぶ四」くらいまでは行けている様な気がするのであった。あ,すまんこってす,すごすご。

  • 2023年6月26日読了

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著者プロフィール

1963年東京生まれ。早稲田大学第二文学部卒業後、出版社、広告代理店、編集プロダクションなどを経てフリーに。2002年仲間と共にミニコミ誌「酒とつまみ」を創刊。

「2022年 『ずぶ六の四季』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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