あの夏、兵士だった私

著者 :
  • 清流出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860294519

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  •  俳人・金子兜太による〈魂の叫び〉が詰まっています。
     自分の母親との原体験,秩父での自然,そして,秩父音頭の5・7調のリズム。治安維持法により,俳句の仲間でさえも捕らえられる現実。そして,戦争なんて…と思いながらも志願して最前線に赴き,アメリカとの戦闘で死ぬよりも餓死者を多く見てきたトラック島での体験。敗戦後,捕虜になってからの贅沢な生活。帰国してからは,日銀に戻り,労働運動に精を出す。
     自らを「自然児」「荒凡夫」「存在者」「自由人」として生きると決め,そのとおり生きようとしてきた兜太。
     最後の最後まで「アベ政治を許さない」と書き綴った本書は,戦争の惨さ・惨めさを腹の底から知っている兜太からの熱い熱いメッセージです。
     反戦川柳作家・鶴彬のことにも触れていますよ。

     身体は「定住」の世界に置きながら,時折,魂を「原郷」の世界に浮遊させることにした。それが「定住漂白」,「定住」と「漂白」の両方を併せ持つ概念です。(180p)

  • H30/4/21

  • NHKドキュメンタリー - ETV特集「94歳の荒凡夫~俳人・金子兜太の気骨~」
    https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/20/2259625/

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    今こそ、伝えたいあの戦場体験!
    トラック島、数少ない元兵士が語る、
    戦場の日常、非業の死、食糧難......
    反骨の俳人は、どのように戦後を生き
    現在を見るのか?
    「アベ政治を許さない」のプラカードに
    込めた意味とは?
    http://www.seiryupub.co.jp/books/2016/07/post-131.html

  • 体験者の貴重な話。耳を傾けるべきものがここにある。

  • 旧制水戸高から東京帝大、日銀から海軍主計中尉としてトラック島へ

    多くの仲間、部下を死なせた極限の戦場体験を通して
    現代日本の政治状況に警鐘を鳴らす

     許 ア
     さ ベ
     な 政
     い 治
       を

    国会周辺をうめつくしたこのプラカードは
    ことし96歳になる著者が澤地久枝に頼まれて揮毫したもの

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著者プロフィール

金子 兜太(かねこ とうた)
1919年埼玉県生まれ。東京大学経済学部卒業。1943年日本銀行に入行。加藤楸邨に師事。1962年、同人誌「海程」を創刊、主宰。1978年埼玉県文化賞受賞、1983年、現代俳句協会会長、1987年より朝日俳壇選者、1988年、紫綬褒章受章、1996年、句集「両神」で詩歌文学館賞受賞。1997年、NHK放送文化賞。2005年日本芸術院会員、2008年、文化功労者。
主な著書「種田山頭火 漂泊の俳人」「小林一茶」「感性時代の俳句塾」「放浪行乞」「わが戦後俳句史」「一茶句集」ほか。句集「少年」「蜿蜿」「暗緑地誌」「遊牧集」「金子兜太全句集」「黄金子兜太句集」「皆之」「詩経国風」「金子兜太集」第1巻~第4巻ほか。

「2022年 『金子兜太 俳句の古典を読む ─芭蕉 蕪村 一茶 子規─ CD版 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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