絵本のひみつII

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  • 南日本新聞開発センター
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  • Amazon.co.jp ・本 (116ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784860742799

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  • 《絵本とは、乳児期に養育者(母親)から愛された記憶を呼び覚ます仕掛けなのです。》

    「まるい大きな正面顔」「育児語」「スキンシップ」にくわえ「欲求の充足」としての授乳、すなわち「おっぱい」を絵本の中にさぐり、愛を届ける絵本のひみつを読み解くユニークな絵本論

    ・[新沢としひこ『はじめまして』]の表紙に大きく描かれた男の子の正面顔の下半分には、「おっぱい」がかたどられているように見えます。[中略]絵本の中に、そうとは気づかれないくらいにさりげなく描き込まれた「おっぱい」は、発見されなくても、子どもたちの潜在意識に働きかけ、愛されている感覚をもたらすと推測されます。

    ・この絵本[馬場のぼる『11ぴきのねことあほうどり』]を小さい頃から繰り返し繰り返し読み聞かせれば、催眠の効果によって、“ピンチは脱出できる”とか“立場は逆転する”という暗示を強化しながら、「かくされた悪を注意深くこばむこと」が可能になると考えています。

    ・[内田麟太郎『ともだちや』は]一見男の子同士の友情物語のようですが、実は学校では教えてくれない恋愛の教科書であることがひみつです。

    ・この絵本[シルヴァスタイン『おおきな木』]は、愛するがゆえに、思春期の男の子を自立させるのではなく「与える」選択をした母によって、男の子が成長のチャンスを失ったことを描いているとしか、私には読み取れません。

    宮西達也「ティラノサウルスシリーズ」、島田ゆか「バムケロシリーズ」、内田麟太郎「ともだちやシリーズ」など50冊を、見開き2ページでコンパクトに解説する(判型はB5判)

    著者は鳴門教育大学大学院教授
    「地球防衛軍絵本読み聞かせ隊隊長」を自認する国語教育研究者

    本書は、徳島新聞販売店マガジン「うずしおらいふ」に「絵本のひみつ」として連載した文章に加筆修正した『絵本のひみつ─絵本の知と読み聞かせの心』(2011年)の続編にあたる(連載は現在も160回を越えて継続中とのこと)

  • 名著であった前作に比べ、絵本そのものへの掘り下げは少なく、個別の作品への言及が多い。『旅の絵本』はやはり名作だ。

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