VIVO! 1 (マッグガーデンコミック avarusシリーズ)

著者 :
  • マッグガーデン
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本棚登録 : 625
感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861279188

感想・レビュー・書評

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  • これだけ正論で人を刺す漫画は類を見ない。
    私は大ファンだが、嫌う人がいてもおかしくない。心が弱い人には耐えられないだろうが、本に殴られるのもいい体験だと思う。

  • 初めて読んだ瀬川藤子さんの作品。瀬川先生は人の辛いとき、苦しいときの心理描写がすごく上手。

    主要人物はナカムラの担当クラスの生徒3名。不登校中の結子、便利屋佐野、マイペース芸術家蓮田。大人メンバーは、ナカムラの昔からの友人2名。ナカムラを職場に呼び寄せた高校教師の井崎と、同校用務員を務める東本。自由気ままに生きる男・ナカムラが臨時の高校教師に赴任し、生徒たちと過ごす日常を描く学園ストーリー。このナカムラが癖のある男で、生徒のことなど全く面倒見ず、教師として問題ある発言や行動ばかり起こす。しかし、その遠慮ない行動から、日常に溢れる世間体や外面といった見えないしがらみについて考えさせてくれる。ハチャメチャぶりを楽しむというタイプのストーリーではない。

    超自分本位なナカムラの姿を通してわかるのは、世の中には裏表の使い分けや人との距離感が特殊な人たちがあふれているということだ。十代の繊細で不安な時期は、いろいろな感覚が鋭敏だ。大人の勝手な価値観の押し付けや上辺だけの言葉が鬱陶しく汚く見え、それが拒絶やストレスを生み出していく。

    思春期は、勉強だけでなくいろんなことを学ぶ時期だ。人と人との関わり方やあしらい方、自分の意見。我が身を振り返ると、就学期間においては勉強第一で、対人関係について考える時間が少なかったなと思う。学校教科で言えば「道徳」があるが、教材の内容も典型的・模範的で嘘臭い世界でしかなかった。集団生活における道徳教育は学校だけで学ぶものではないが、どちらにせよ、そうしたことを考え触れる機会は多くはなかった。

    対人関係において大切なことは、「自分」を持ち、相手も自分と同じように尊重することだと思う。一時期、西洋に倣って学校教育でディベートをさせることが流行ったことがあった。今思えば、論理的な思考力やプレゼン力の向上は勿論、相手の意見や多様な考え方を尊重する考え方を身につける練習にはいい教材だった。ただ、自発的に発言する習慣や、自分の意見を持って主張する教育を受けてこなかった世代にとっては、突然討論をと言われても拷問でしかなかった。言いたいことを自由に言える空気もなく、なんとなく後味が悪い物が残ったことを覚えている。

    こうして、ぶつかり合い方、労わり方、自己主張の仕方を知らないまま大人になっていく。それでも、大体の子供がなんとなく日々の経験からコツを身につけていく。コミュニケーションの荒い風を「流す」スキルを会得していく中、要領の悪い子はこのぶつかり合いと自己主張がうまくできずに孤立していくのだ。

    ナカムラは、裏表の排除・多様性の容認を全部雑に満たした大人像だと思う。暴力的で言葉の遠慮も全くないが、日常における面倒くさい心理駆け引きを一切排除して、誰に対しても公平に堂々と本音をぶつけてくる。そんな相手に気を遣っても仕方ないので、こちらも素直な本音で対等にぶつかることができる。「怖いけど」「楽かもなあ」という結子のモノローグは、そうした駆け引きを除去できる安心感の表れだ。

    ただ、人に甘えて頼り切るのは危険なこと。ナカムラに限らず、人は自分のために動いてくれるわけではない。自分で決断せず人に流されたとして、誰もその責任は取ってくれない。結子のような不器用で過敏な子は、つい楽な方へ流されやすい。その結果、翻弄されたり傷ついたりするだろう。でも、そのセンサーは決して欠点ではない。その個性を活かして人の気持ちがわかる優しい大人になってほしいな。でも本を汚されたときは、怒り狂っていいと思う!普段オドオドしている結子が本気で怒るシーンには激しく同意。

  • 面倒なことはしたくない
    口は悪くて、てきとうだけど
    ちゃんと"自分"を持っている先生のお話。
    同好会の生徒たちの気持ちに共感できる。

  • 熱血な漫画やドラマに見飽きたら、おすすめな漫画。

    てきとうなかんじがいい

  • スジガネいりの超個人主義男・ナカムラは、知人の井崎の策略(?)で、彼女の勤める高校に、教師として赴任することに。マイペースで勤めようとするナカムラだが――。
    (2011年)

  • 先生物。さいしょ、「入れっかなーどうかなー画はわりと好きなんだよなーーー」$入れましtあ。こういう自己中心的な主人公だいっすき。『flat』の学校の先生verって感じ。だから好き。

  • 「オススメの漫画を貸して欲しい」とお願いしたら
    これを持ってきてくれました。
    まさか、教師の話とは。
    一緒にいて楽な人の定義って難しい。
    考えてないわけではない、でもぶっきらぼうな先生。
    悪くない。
    これからの展開が楽しみ。

  • 全4巻☆
    面倒くさがりで、やる気なし、口も悪い。だけど、実は優しい男性高校教師と、問題児(不登校など)たちとの適当同好会ライフの話♪

  • 店頭で発見して気になった作品。

    いわゆる「型破り教師」のお話なんだけど、
    「他」をちゃんと見た上で「自分」を持っているナカムラに
    ただのヘンクツ者ではない何かを感じます。
    生徒たちや先生方など、周囲のキャラクターもおもしろい。
    これはなかなか掘り出し物でしたw。

    だから書店ぶらりはやめられない♪

  • 今までにない学園ものです。
    学園ものによくある熱血だとか、問題児の更正だとかそういうものは一切ない。(みんなある意味では問題児ですが…(笑))

    ただ、登場人物のそれぞれの思いだとか、考えだとか、きっと誰もがもったことある気持ちだと思います。
    特に進路の話はドキリとした。
    そして、住吉の感じる女にしかない世界、本当によくわかる。
    空気の読めない男子…、もう、胃が痛くなる…!!

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著者プロフィール

■瀬川藤子・・・・・・ 代表作に「VIVO!」「お嫁さんは神様です。」「ハシレジロー」など。

「2019年 『コノマチキネマ ②』 で使われていた紹介文から引用しています。」

瀬川藤子の作品

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