コ-ヒ-、カカオ、コメ、綿花、コショウの暗黒物語: 生産者を死に追いやるグロ-バル経済

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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861820618

作品紹介・あらすじ

本書は、現在のグローバル経済によって"一次産品"の生産が危機に陥っており、途上国の生産者が極度の貧困に追い込まれている実態を、7年間にわたる現地調査・取材をもとに初めて徹底暴露し、ヨーロッパで大論争を巻き起こしている衝撃の書です。コーヒー・ココアなどの品目ごとに、世界銀行・IMFが推進する経済自由化・構造調整の影響、あくどい多国籍企業の手口、国際投機ファンドによる相場変動の助長、原産国の政府・関係機関の腐敗・汚職など、グローバル経済の裏側で"一次産品"をめぐって何が起こっているか、そして苦悩する生産者の姿が生々しく描かれています。

感想・レビュー・書評

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  • グローバリゼーションで世界的な生産過剰により生産者が極度の貧困に。☆貨幣経済に組み込まれているからか。あるいは土地利用が偏って食料品を生産できないためか。こういう商品を栽培する以前はどうだったのか?今より豊かだったのか? 野菜を栽培する必要があるのかな。弱肉強食の世界で生き残るためには。

  • 資料ID:80701861
    請求記号:611.4||B
    配置場所:工枚特集①
    (※配置場所は、レビュー投稿時のものです。)

    ☆特集展示「SDGs特集」☆
    SDGsを特別なものとしてではなく「自分ごと」として捉え、それぞれの活動、生活の中に浸透できるようSDGsを理解し社会課題に関心を持つことを目的としています。

  • 綿花の章を読みました。
    2005年なので数字は古くなっています。
    この時、アフリカの生産量は合わせると3位だった。主にフランスの植民地が現金化する産業で税金を徴収しようとしたことから輸出品となりました。2001年あたりから綿花をめぐりブラジルと一部のアフリカの国がアメリカをWTOで提訴する。それによりアメリカは報復?対抗の綿花大量市場投入に出ました。アメリカやヨーロッパが綿花農家に補助金を出しているため、作れば生活できる。一方でアフリカやブラジルはこの競争下で「生活できない価格」にまで落ちて作る意味がない。

    素材はウールや麻など他の天然素材に加えて、石油系の素材も増えているため綿花の市場価格が下がる。自由経済に任せておくとだんだん需要と供給がマッチする(神の手、生産調整)はずですが、あいかわらず大量の綿花が市場に出まわります。問題を複雑にしているのは先物取引としての綿花です。アメリカの公的年金が綿花の先物取引で利ざやを稼いでいます。綿花最大輸出国アメリカの言い分はアジアの経済を潤していると。アフリカは現在生産量を減らしています。
    商品作物を輸出して生命に必要な食料などを輸入に頼るモノカルチャー経済はその輸出商品が下落したら国民が食べていけなくなります。

  • 「一次産品をめぐる暗黒物語」の一端を、知ってもらうための本。

    身近な飲み物「コーヒー」
    チョコレートの原料「カカオ」
    主食の「コメ」
    綿素材の布製品になる「綿花」
    料理の香辛料「コショウ」
    それぞれの見えない世界について書かれている。

    後半の「ヨーロッパにおけるフェアトレード」についての記述は、大変参考になった。

    著書ボリス氏は、フェアトレードの有効性について大胆に批判を行なっている。
    フェアトレードとは、規準を満たせば「誰でもフェアになれる」というシステムになってしまっている。

    フェアトレードについての基礎知識をご存知の方にオススメしたい1冊!

  • 資料番号:010888048
    請求記号:611/ボ

  •  コーヒーについて学ぶために本書の「コーヒー」(pp.13~53)の章を中心に読んだ。コーヒーを生産することによって生活の糧を得ている農民は、コーヒー豆を収穫するたびに貧困に陥っている。これは、生産量制限や輸出上限制限、輸入上限制限によって生産者の収入を保護し続けてきたコーヒー国際協定の崩壊が大きな要因である。加盟各国の思惑を反映できずに協定の解体へと至ったことが、コーヒー国際相場価格の停滞へとつながってしまった。政治的要因に振り回される者は、世界中を舞台にした経済流通の源である生産者だということが分かる。我々消費者にとって安価なコーヒーが飲めるのは悪くはないかもしれないが、同時に品質も悪くなっているのを忘れてはならない。生産コストが販売コストを上回っているため、肥料や農業に投じる資金がないからだ。先進国企業からの肥料や農薬などの支援も、企業側の劇薬在庫処分という面もある。いずれにせよ、この大きく偏った利潤配分を見直し、農民に適切な対価を支払うことができるよう考える必要がある。

  • のん気にテレビドラマとか観ている時間があったら、
    知っておかないといけないことが、
    まだまだたくさん世の中にはあるんだよ。

  • 1次産業をめぐって、利益と生活の戦い。
    単に先進国の企業の悪さだけではなく、実際の生産国の事情の詳細に書いている。

    原作
    http://www.amazon.com/Commerce-in%C3%A9quitable-roman-mati%C3%A8res-premi%C3%A8res/dp/2012357814/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1280635986&sr=8-1

  • IMFが農地にうえるものを 自分たちが食べるものではなく金になるものへ と誘導し生産地が広がるにつれ 産地間競争は拡大大企業は 嗜好品である これらの商品を買いたたき 。。というようななんか いやーな気持ちになる1冊

  • 『バナナと日本人』と繋がる一冊で、これは現在の状態ですが20年以上前に書かれた『バナナと日本人』の状況とまったくかわってないことがすごい驚きです。

    大げさではなく、これを読んでしばらくはチョコレートが食べられませんでした。
    食品の添加物について書かれたものを読んでいやな気分になったりすると思いますが、これは、純度の高いチョコレートであればあるほど、人を食べているのと同じようなことだというのに気づかされます。
    薄々、こういった貧困層のイメージはもっていて『知っている』私たちですが、その『知っている』はハッタリだといっても過言ではないです。この本には細かな事は書かれていませんが、それでも知らないことはたくさんあります。知らない『死』がたくさんあります。

    コーヒーも同じく、世界中で問題となっている食品です。一日に20億杯が消費され、それを貧困層の国々が生産しています。中間業者は、かなり儲かります。
    毎日のように消費される・・・・先進国のステイタスですから。値段が膨大に上がらないかぎり、タバコのようにやめる人はいません。そして、大手チェーン店の展開でかっこいいイメージも付いています。

    また、貿易の社会についても少し解るような本です。
    輸入品の多くが、屍の上で作られているということを忘れてはいけないと思いました。

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