- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784861826733
感想・レビュー・書評
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「砂漠のキツネ」といえば、ミリタリー趣味者でなくとも知っている人がいる多いのでは無いのでしょうか?
ナポレオンと並んで知名度の高い軍人エルヴィン・ロンメル元帥が亡くなる前に書き残していた回想録です。
大戦を生き延びたドイツの将官による回想録は数多く出版されています。高い評価を得ているマンシュタイン元帥等の戦後による当事者の回想録は貴重ではありますが、戦後の後知恵が入ってしまいその責任をヒトラーへ押し付けたり自己正当化が行われ(リデル・ハートなどが協力)て正確とは言えない状態だったりします。
しかし、本書はロンメル元帥が戦中に書き残している為に戦後の後知恵による改変が無く元帥が考えていた事が記載されているわけです。元帥が関わった戦闘に関する他の資料と並べて読み進めると面白いですよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本人が推敲せぬまま残されていたのを奥さんたちが出版した回想録ということで、戦況についての描写や人物評も肉声のように響く。補給に関しての自己弁護にも聞こえるような上級司令部への批判とかも。砂漠戦や戦車戦の特性といったものも伝わってくるし、北アフリカの戦いがどのように推移したのか始めてよく理解した。この本にどれだけの需要が見込まれるのか知らないけど、日本語にして出した出版社と訳者凄いと思う。とにかく地名が覚えづらい。
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「Krieg ohne Hass. Afrikanische Memoiren」の翻訳(2017/12/30発行、3672E)。
「砂漠の狐」と呼び恐れられたドイツ第三帝国の元帥エルヴィン・ヨハネス・オイゲン・ロンメルとアフリカ軍団の参謀であったフリッツ・バイエルラインによる北アフリカの戦いの回想。
本書、ロンメルが生前に書き残した北アフリカの戦いについての回想を基に、ルーシー・マリア・ロンメル夫人とバイエルライン将軍で編集・加筆された戦史書です。
そのため、著者がエルヴィン・ロンメルだけとしているのはおかしい(原書は、von Erwin Rommel (Autor), Lucie-Maria Rommel (Mitwirkende), Fritz Bayerlein (Mitwirkende) と記載されている)のですが、8割くらいはロンメルが書いたモノなので、許容範囲内と云うところでしょうか?...
内容の方は、それなりに興味深く面白いのですが、イタリア軍司令部やOKWの糾弾が随所に書かれており少々辟易させられます。 ちなみにこのロンメルの主張は今では殆ど否定されているため、本書の価値を低下させているのは残念です。 又、パウル・カレルの著書「砂漠のキツネ」と似通った内容であるため、既にこちらを読了済みだと新味の無い内容なので、やや期待外れの感でした。
この他にも、翻訳者の誤訳や読みなれない言い回し誤記なども幾つかあり、個人的には少々読みずらい書籍です。 出来ればこの翻訳本、 富岡 吉勝氏とか 高橋 慶史氏など、適切な方の監修を受けてから出版して貰えれば良かったのですが...