思考機械【完全版】第一巻

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  • Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784861827549

作品紹介・あらすじ

バロネス・オルツィの「隅の老人」、オースティン・フリーマンの「ソーンダイク博士」と並ぶ、あまりにも有名な“シャーロック・ホームズのライバル”。本邦初訳16篇、単行本初収録6篇! 初出紙誌の挿絵120点超を収録! 著者生前の単行本未収録作品は、すべて初出紙誌から翻訳! 初出紙誌と単行本の異同も詳細に記録!
シリーズ50篇を全二巻に完全収録!
詳細な訳者解説付。

 隅の老人シリーズは、一作を除いて全作品が単行本に収録されているのに比べ、思考機械は多くの作品が単行本未収録のまま、作品数がどれだけあるかもはっきりしない時代が長かった。今回全作品を収録するとともに、作品数を確定し、版による異同も確認をした。おそらく、英米で出回っている思考機械の書籍よりも詳しい内容だろう。
 思考機械シリーズは、フットレルの生前に短篇集が二冊、長篇が一冊、一篇のみを収録した本の計四冊が単行本になっているが、はるかに単行本未収録作品のほうが多い。現在海外では数種類の「思考機械全集」が出版されているが、ほとんどは出典が明示されておらず、また解説もないといっても過言ではない。本書では(…)初出雑誌に当たった。単行本に収録されている場合はそちらを決定稿とみなし、それらと雑誌初出時との異同を指摘した。また、生前に単行本未収録の作品は、雑誌初出版を決定稿とした。さらに、作品によっては入手したイギリスでの雑誌初出版との違いがあるので、その場合には、それも指摘している。またメイ夫人の協力のもと、二十世紀半ばの「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」に数篇が掲載されたが、これらとの異同も確認した。(平山雄一「訳者解説」より)

感想・レビュー・書評

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  • ホームズのライヴァルたちの中で個人的に一番好きな思考機械のシリーズ50篇を全2巻で完全収録。
    初出紙誌の挿絵もたくさん入っているし、版ごとの違いの註釈がすごくて、とにかく訳者の熱意が伝わってくる本である。
    内容的にはまあそれなりだったりする作品もあるが、最初に提示される謎が派手なのと思考機械のキャラ立ちがよい。毎日1つずつ読んで大変楽しめた。ベストは「燃え上がる幽霊」と「水晶占い師」。

  • 思考機械シリーズの五十の短篇を全二巻に収録した完全版で、これが第一巻。
    このシリーズは『十三号独房の問題』が圧倒的に有名だけど、その他の作品にも佳作が多いと言われていた。今回読んでみて納得出来た。後出しの手掛かりが結構あるのがマイナスだが、本格ミステリの手本の様な短編ばかりだった。ホームズのライヴァルと位置づけられている思考機械だけど、推理の面白さに限ればホームズに勝っていると思う。
    それにしても、この作品社という出版社は「完全版」が好きだね。初出紙との違いを細かく明記するなど、相当なこだわりも窺える。私はそこまでする必要を感じないが、ファンは大喜びなのだろう。

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著者プロフィール

ジャック・フットレル(Jacques Futrelle)
1875年アメリカ・ジョージア州生まれ。劇場支配人などを経て、新聞王ウィリアム・ハースト傘下の「ボストン・アメリカン」紙の編集者になる。1895年、作家L・メイ・ピールと結婚。1905年、「ボストン・アメリカン」に「思考機械」シリーズ第一作「十三号独房の問題」を発表。1912年、タイタニック号の沈没事故により死亡。このとき、「思考機械」シリーズの数篇が彼の命とともに失われたとされる。

「2019年 『思考機械【完全版】第二巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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