- Amazon.co.jp ・本 (123ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862398437
感想・レビュー・書評
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ブクログ さんより献本いただきましたー♪
ありがとうございます。
開くページから立ち上る懐かしい香り。
アメリカだ!
と言っても、実は私は
アメリカ本土を訪れたことがない。
それなのにこれほどの懐かしさを覚えるのは
あの頃の映画や小説の影響か。
知らないはずの乾いた土の触感も
遥か見渡せる荒野に佇む様子も
まるで自分の思い出のように
鮮明に描くことができる。
そしてこの写真集によって
懐かしさまでも感じている。
きっとその感覚を呼び起こせるのは
私だけではないはず。
「あの頃」をお持ちの貴兄には
ぜひ開いて見てほしい写真集だ。
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印画紙の存在を感じる写真集。70の『夜になると怪しげな光が灯る酒場 トノパー』という写真が好き。
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ご恵贈いただきました。
普段写真集をみるということがなく、感想を書くというのがすごく難しい、と唸っている間に随分と時間がたってしまいました。
すみません。
アメリカの今と昔を写したものが並べられ、活気のあったであろう街並みもモノクロの写真が多いからなのかどこか寂しい印象を受けました。
写真に添えられた端的な言葉のせいもあったのかもしれません。
頂くことがなければ、けして自分から手を伸ばす本ではなかったと思うので読めて良かったです。 -
1967年から2017年までの、アメリカ。
ほとんど定点観測といいたくなるような、アメリカのざらざらした乾いた部分の、リアルな表情たち。
ネバダ、テキサス、ニューメキシコ。
写真集冒頭は、「アメリカで最も孤独なハイウェイ」である「ネバダの50号線」。
荒野、ゴーストタウン、廃屋、砂漠に突き刺さった廃バス。
『シェーン』や『ラ・ラ・ランド』のロケ地。
「西へ西へ、増え続けるカリフォルニアの人口」ということばが添えられた写真は、ぼくの知っているカリフォルニアとは違う。どこか有機的に触手を伸ばしてゆく東アジアの風景に似ている。
ひときわ目を引くのは、「入植して来たモルモン教徒の残していった廃墟が点在する ドティトン山山麓」と説明書きのある写真。廃屋のずっと手前に壊れた柵があり、遥か彼方に険しい山があり、それ以外、びっしりと草が生い茂っている。かつて人がそこで生きたという気配がない。なにかそこに希望があったという痕跡がない。だから虚しさ(「方丈記」のような)も悲壮感もない。建物は、あたかもあらかじめ廃墟として建築されたかのように、廃墟が「生えてきた」かのように感じられる。「自然」というより、地球のうごめきだけが感触として伝わってくる。
土は湿っていても、空気はただただ乾いている。 -
ブクログの献本企画での当選本。
都市部のイメージが強かったアメリカだけれど、実際は沢山の荒野があって、そのそこかしこに強く生きる人がいる。
荒涼とした土の匂いを感じる良い写真でした。 -
ブクログの献本企画当選本。
写真集を登録するのは初めて?アメリカにも行ったことないけど、いや、行ってないからこそ、こうしたアメリカに憧れているのかもしれない。 -
「カウボーイ」に憧れている。
『荒野の七人』はもちろんのこと、数々のクリント・イーストウッド作品、某スペースカウボーイのアニメまで、カウボーイの出る作品はいくつも見た。
時代も舞台も違う映像作品だが、共通するのは青すぎる空。広すぎる大地。いつまでも揺れる陽炎。
佐藤秀明『LONESOME COWBOY』――この写真集には、それがあった。いつまでも青く広く揺れる「寂しさ」を前に立ち尽くす男の、どうしようもない、孤独があった。